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大人も楽しめるオススメ「ボードゲーム」を専門店で教えてもらった

現在はPCやスマホを使ったオンラインゲームが主流になっているため、アナログゲーム(ボードゲーム)というと「小さい頃に遊んだ懐かしいもの」という印象の方が多いのではないでしょうか。しかしアナログゲームは今も進化を続けていて、楽しみ方のバリエーションも大きく広がっています。そこで今回は、海外製を中心としたボードゲームやカードゲームなど700種類以上取り揃える専門店「すごろくや」の高木昭彦さんに、今の時代でも楽しめるオススメのゲームを聞いてきました。

「ボードゲームはかなり多様化しているので、いざ買おうとしても何を買ったらいいのかわからずに悩んでしまう方が多くいらっしゃいます。『すごろくや』では、“大人同士で気軽に遊びたい”、“じっくり遊びたい”、“親子で遊びたい”といった感じで、ゲームをやる人の対象年齢やどんな遊びがしたいかによって、分けて展示して案内をしています。『すごろくや』に来ていただければ、何人くらいで遊びたいのか、ワイワイ盛り上がりたいのか、じっくり駆け引きを楽しみたいのか、といったことをヒアリングした上で提案やサポートをさせていただきます」

今回はたくさんあるゲームの中から、「大人と子どもで楽しむ」「大人2人で楽しむ」「大人複数人で楽しむ」をテーマに、高木さんにオススメゲームを教えてもらうとともに、遊ばせてもらいました。

すごろくや 高円寺店(東京都杉並区高円寺北2-3-8 日光ビル2階)
すごろくや 高木昭彦さん

ルールは簡単。子供も大人も盛り上がれるシンプルなゲーム

まずは「大人と子どもで楽しむ」のオススメ商品からご紹介。高木さんが最初にピックアップしたのは、パッケージにかわいいキャラクターが描かれた『キャプテン・リノ』というゲームです。

キャプテン・リノ(1,760円)。対象人数2~5人 対象年齢5歳~

「折り曲げたカードで壁をつくり、手札から次の床を選んで重ねてビルをつくっていくゲームです。不安定なビルを崩さないように、手札をいち早くなくした人が勝ち。壁のカードを置くときにわずかなズレがあるだけで、まっすぐ立っているように見えるビルも、少しずつバランスが変化していきます」

ビルの床となる手持ちのカードがなくなれば勝ち
ビルが高くなるほどドキドキ感がアップ。壁を置く手が震える人も

「さらに手札の中には、ビルのバランスを変えてしまう恐ろしい『リノカード』が。このカードが重ねられたら次の番の人は下の階からサイのヒーロー、キャプテン・リノを移動させてカードの上にのせなければなりません」

リノカードが置かれたら下の階にいるリノくんをカード上の指定の位置に移動
小さなリノくんだが、微妙にバランスが変わるので崩れる危険性がアップ

「このリノくんの登場によりバランスゲームの楽しさが倍増します。リノカード以外にも次の人を一回休みとするカードや順番が逆回りになるカードもあります。慣れれば1m以上の高さに積み上がり、重ねるときのドキドキ感が楽しめるだけでなく、リノカードなどの特殊カードでライバルにいじわるしたりと、大人も大いに盛り上がることができますよ」

次に紹介してもらったのは、コマを移動させてミッションクリアを目指す「スピニングアドベンチャー」。アクション性のある協力型ゲームなので、みんなでワイワイと楽しめます。

スピニングアドベンチャー(3,960円)。対象人数1~4人 対象年齢8歳~

「みんなで協力してコマをリレーしながらさまざまなクエストを攻略していくゲームです。4枚8面のボードにはクエストをクリアするために必要な面があり、コマがすべてのチェックポイントを通過すればクエストクリア」

両面に描かれた4枚のボードやクエストブック、失敗した時に復活できるポーションなどを準備

「高速回転するコマを動かすためにボードを傾けたり、段差を上らせたりとプレイヤーに動きがあるのも面白いところ。コマは手回しのほか、誰でも簡単に回せる発射型コマもあるのでコマ回しが苦手な方も安心です」

ボードにあるチェックポイントをクリアしたらコマを次の人に渡す
回転しているコマをバトン代わりにリレーしながらクエストクリアを目指す
レバーを引き抜くだけで簡単にコマを回せるアイテムも付属

「各ボードには△や□のマークがところどころに描かれています。△はジャンプして段の上に行く、□はコマを他のボードにジャンプ、という指示です。こういったアクションも含めて、やればやるほど上手になるので、子どもたちは友達に自慢したくなるはずです」

最初はボードの上でコマを動かすだけでも難しいので練習してから始めよう

次は、子ども向けの中でも考える力が必要な「ゾンビキッズ:進化の封印」をご紹介。繰り返し遊ぶたびに内容が進化していくのも、このゲームの魅力です。

ゾンビキッズ:進化の封印(3,080円)。対象人数2~4人 対象年齢7歳~

「学校にやってきたゾンビを退治しつつ、ボードの四隅にある校門にカギをかけてゾンビが入って来ないようにする協力型のゲームです。教室や校庭のマスを移動しながら、あちこちに湧き出るゾンビを駆除すると同時にカギをかける作業もしなければならないので、全員の協力が不可欠。どうすればうまくいくかみんなで考えながらゲームクリアを目指します」

順番にサイコロを振り、出た色の教室にゾンビが出現する
四隅には校門があり、すべてにカギを締めてゾンビを退治すればゲームクリア

「このゲームの面白いところは、どんどん進化していくところです。遊ぶたびに付属の進行チャートに脳みそシールを貼り、『2人で遊んで勝つ』などのミッションを達成するとトロフィーシールを貼ります。指定の数までシールがたまると『進化の封筒』を開封でき、ゾンビが強くなったり、キャラクターに能力が追加されたりと、設定が変わってくるんです」

ボードの右にあるのが進行チャート。下の封筒はシールがたまるまで開封できない

「ミッションの種類はいろいろあるので、『今回はどのミッションをやろうか』と考えるのも楽しいですし、『進化の封筒』は13通もあるので何度やっても飽きずに楽しめるのもポイントです」

1対1の勝負なら相手との駆け引きを楽しめるゲームを

続いては「大人2人で楽しむゲーム」をセレクト。最初に出してもらったオススメは、今、高木さんが一番気に入っているという「クアルト」です。フランスのゲームらしく、デザインもオシャレな感じ。

クアルト(6,600円) 2人用 対象年齢6歳~

「4×4の盤面に順番にコマを置いていき、コマの色、形、高さ、凹みのどれかの要素を縦横斜めに一直線に並べると勝ち、というゲームです。コマは色(白と黒)、形(丸と四角)、高さ(高い低い)、凹み(ありなし)とそれぞれ違う色と形をしていて、同じものはひとつもありません」

盤もコマの形もシンプルだが奥が深いゲーム

「このゲームのポイントは、自分の置くコマを選ぶのは対戦相手、ということです。ですからリーチがかかった状態になっていても、該当するコマを渡さなければ負けることはありません。それでも対戦していると深く考えるからこそ見えなくなってしまい、『え、それ渡すの?』ということが起こるんですよね」

この勝負では、背の低いコマが一列に並んだことで決着がついた

「ルールは簡単ですが、深く考える要素があり、すぐに決着がつくのもいいところ。コマや盤もシンプルなデザインがカッコよく、そのまま部屋に置いておけばインテリアのアクセントにもなりそうです」

実際にやってみると、リーチをうっかり見落としてしまうことも多く、シンプルなゲームだけに負けるとかなり悔しいです。相手に不利に、自分に有利に進められるかを見極めて相手に渡すコマを選ぶのは、そうとう頭を使います。

「クアルト」と同じくシンプルながらも頭を使う「ガイスター」は、1982年に誕生して40年経った今も多くの人に愛されている名作です。

ガイスター(2,800円) 2人用 対象年齢10歳~

「ボード上に置いた、相手からは見えない赤と青のおばけコマを動かし、互いにコマを取ったり取られたりしながら青いおばけを出口(相手側の左右端)から脱出させるゲームです。手持ちのコマは、赤いおばけが4つ、青いおばけが4つで、どれも前後左右に1マスずつ動かすことができ、マスが重なったら相手のコマを取ることができます」

ボードもコマもシンプルで、ルールもすぐに理解できる

「青いおばけを脱出させる以外にも勝敗がつくことがあります。色の印は相手から見えないようになっているので、赤と青、どちらのおばけかは取ってみるまでわかりません。青は“取っていい良いおばけ”、赤は“取ってはいけない悪いおばけ”なので、青いおばけを4つ全部取れば勝ち、また赤いおばけを4つ全部取ったら負け、となります。相手の裏の裏をかく心理戦が楽しく、短時間で終わるため繰り返し遊べるのも魅力です」

取ったコマを見れば、赤、青のコマがそれぞれ何個残っているかわかる

友人や親戚など、人柄がわかっていると「こんなことをしてきそうだ」と予想できるし、カマをかけて相手の反応を見たりするのも楽しい、と高木さん。相手のおばけの動きを見ながら、赤か青かを推理するのですが、裏を読むのか、裏の裏なのか、悩みどころがたくさんあるのも楽しい要素になっています。

次は、駆け引きが楽しめてじっくり集中して遊べる「フィヨルド」です。その名の通り、ノルウェーの独特な海岸線の地形、フィヨルドが舞台になっています。2人での対戦から、最大4人まで参加できます。

フィヨルド(5,500円) 対象人数2~4人 対象年齢8歳~

「前半はフィヨルドの地形をつくりながら陣の拠点を確保し、後半は陣取りをしていくゲームです。陣取りで重要なのが、前半に配置する住居コマ。この住居を拠点に陣を広げていくので、いかにいいところに住居を置けるかがこのゲームの肝になります」

前半は六角形のタイルを繋げて地形をつくり、住居コマを置いていく
後半は住居コマを拠点にバイキングコマを置いて陣を広げる

「最終的には自分の陣地となったタイルの数で勝敗を競います。後半を見越して地形を配置する計画性と、相手の狙いを阻止すべく土地を確保していく判断力が試されるゲームですね。最初はシンプルなルールで遊ぶことができますが、特殊効果を持った『ルーン』を追加すると、ゲームがより複雑になるんですよ。繰り返し遊ぶと理解が深まるので、しっかり理解してからルーンを追加するのがおすすめです」

大人数なら絵柄が楽しいカードゲームでワイワイやろう

「大人が複数人で楽しむゲーム」として最初に紹介してくれたのは、ゲームとは思えないパッケージの「DANY(ダニー)」。実際にやってみましたが、今までとは違った感じの不思議なカードゲームです。

DANY(2,640円)。対象人数3~8人 対象年齢16歳~

「舞台は多重人格者の頭の中です。まずは人格カードを裏向きで配り、『ダニー』1人とそれ以外の『副人格』に振り分けます。1人が出題者、その他が回答者として言葉当てを繰り返していく中で、『ダニー』は不正解を、『副人格』はダニーが誰か探りながら正解を目指します。言葉当てを指定の数だけ成功させるか、ダニーが誰かを見破れば副人格チームの勝ち、3回失敗させて自分がダニーであることを隠し通せればダニーの勝ちです」

5つの選択肢が書かれたお題カードは山から1枚めくり全員に公開
出題者は番号カードをめくる。この場合は5が出たので上のカードと合わせてお題は「不条理」に決定

「出題者がカードでお題となる言葉を決め、配られた記憶カードを使ってその言葉を表現するのですが、ここがおもしろいところです。記憶カードはダニーの記憶の一端ということで抽象的な絵柄ばかり。これを逆さにしたり、一部のみを見せたりして指定の言葉を表現していきます。それがどの言葉なのかみんなで相談して当てるわけですが、一生懸命表現しても、わかりづらいとダニーだと疑われてしまいます。創造力と推理、ハッタリなどが入り交じり、相談シーンも楽しめるゲームです」

手札から選んだカードを自由に並べて「不条理」を表現する。カードでの表現はかなり悩ましい

やってみると、最初は記憶カードでお題を表現する時にかなり悩んでしまいました。ちゃんと表現しようと思わずに、割り切って直感的に感じたままをカードの絵柄や置き方で表現するのがゲームをスムーズに進めるコツと言えるでしょう。

番号カードは左上のように伏せてテーブルに。右上のカードに書かれた対角・家族・不和・巣・集合の5つの選択肢のうちのどれかを、手前の3枚のカードで表現してみました。カードを重ねたり、一部を隠したりして表現しても良いのですが、初めてなのでストレートなカード配置を選択しています。答えはこの記事の最後に

続いては、20年前にドイツでゲーム大賞を獲得してからずっと売れ続けている人気ゲーム「カルカソンヌ21」です。

カルカソンヌ21(3,500円)。対象人数2~5人 対象年齢7歳~

「世界遺産にも登録されている、フランスの城塞都市『カルカソンヌ』が舞台です。地形タイルをつなげていきながら、完成の見込みがある城塞都市や道などの施設をコマで抑えて、抑えた施設を大きくしたり、ライバルを妨害したりします。自分の城塞都市や道が完成すると広さや長さによって得点が加算され、高得点を競うゲームです」

めくったタイルを絵柄が合うように繋げ、都市や道路を抑えるか否か、を順番に繰り返す
自分が抑えた施設が完成したら得点ボードのコマを進める

「タイルを繋げて、必要ならばコマを置くだけと、手順はとても簡単です。自分が抑えた都市や道は将来性があるかを見極めたり、相手をうまく利用できるようにタイルを置いたりと、考えるのも楽しいものです」

最後に紹介するのは、絵柄がかわいらしいカードゲーム「ディクシット」。勝ち負けはありますが、どちらかというと感性を楽しむゲームです。

ディクシット(4,950円)。対象人数3~8人 対象年齢8歳~

「簡単に言うと、カードに描かれた絵を言葉で表現して人に当ててもらうゲームです。1人ずつ交替で『語り部』となり、手札の中から1枚選んでその絵柄から連想した印象ワードを伝えます。印象ワードは単語でも文章でも擬音でも構いません。他の人たちは自分の手札の中から印象ワードにふさわしい1枚を選びます。全員のカードをシャッフルして、その中から語り部が選んだカードを推理。カードを当てた人がいたら語り部とその人の両方に得点が入りますが、もし全員が当たってしまった場合と誰も当たらなかった場合は、語り部はノーポイントで他の全員に得点が入ります」

中央にあるのはウサギのコマが置かれた得点ボード

「語り部が得点を狙うには、少数に当てて欲しいわけです。そのため印象ワードは絵柄にハマりすぎてもダメだし、的外れすぎてもダメ。どのくらいのラインで攻めるのか、その『さじ加減』を楽しむゲームと言えます。最終的には得点を競うゲームですが、他の人の世界観やセンスに驚いたり、理解したりできるのが面白いところです」

実際にやってみると、大きなイラストカードはどれもかわいらしい雰囲気で、見ているだけでも楽しくなります。「印象ワードを決める時は、そのカードを展覧会に飾るなら、何というタイトルを付けるか、と考えると出しやすいですよ」という高木さんのアドバイスもとても参考になりました。

想像力をかき立てる不思議なイラストカード84枚を使用

テーマに合わせて9つのゲームを紹介しましたが、やってみたいものはありましたか?

対面で行なうアナログゲームは、相手の人柄がわかり、場の空気感や雰囲気を楽しめるのが魅力です。PCやスマホなど画面越しでは得られない楽しさがありますので、友人や親族と理解を深めるためにもアナログゲームで遊んでみてはいかがでしょう。ちなみにダニーで、3枚のカードで表現しているのは「家族」です。

なお、記事内の価格は7月28日の取材時点の店頭価格です。