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生活にデータ容量をあわせる「povo 2.0」の魅力。 #ギガ活 も楽しい

KDDIが、auとは別のオンライン専用ブランドとして展開する料金プラン「povo」。2021年1月のサービス開始当初は月額2,480円で20GBというシンプルなプランで展開していましたが、2021年9月に「povo 2.0」と銘打った大幅リニューアルを実施しました。

一番の特徴は「トッピング」と呼ばれるシステムをベースとした料金プランの変更です。これまでのpovoは月額2,480円の基本プランに対して、「通話かけ放題」などのオプションを自由に「トッピング」で追加できる仕組みでしたが、povo 2.0では基本プランが月額0円となり、データ容量も自由にトッピングできるようになりました。

povoでは提供されていた24時間だけデータ容量が無制限になるトッピングは、povo 2.0でも引き続き利用できます。料金は220円から330円へ値上げされましたが、普段は月額0円で運用しておき、リモートワークなど外出時にデータ容量を使うときだけ無制限プランを契約する、という柔軟な運用もできるようになりました。

データ容量も「トッピング」で自由に選択できる

なお、月額0円の基本プランでは、通信速度が最大128kbpsという低速に制限されるほか、180日間以上有料トッピングを購入しない場合、利用停止または契約解除となる場合がある、と明記されています。要はお金を払わず使い続けることはできない、ということなので、普通に使う分にはほとんど制限は気にしなくていいでしょう。

対応端末はauおよびUQ mobileのスマートフォンが中心ですが、SIMロックフリーの端末だけでなくNTTドコモやソフトバンクのスマートフォンも動作確認が行なわれています。

写真はイメージです

サブ回線のUQ mobileをpovo 2.0に切り替え

筆者はこれまで、メイン回線はNTTドコモの「ahamo」の20GBプランを契約、サブ回線として月額1,078円で3GBまで利用できるUQ mobileの「データ高速プラン」を契約していましたが、トッピングで24時間だけ使い方に魅力を感じ、サブ回線のUQ mobileをpovo 2.0に切り替えてみました。

povoの場合、UQ mobileの「データ高速プラン」に相当するのは30日間3GBで990円のトッピングです。月額と30日では若干日数のズレがありますがほぼ同価格でpovoのほうがわずかに安く、さらにUQのデータ高速プランでは音声通話ができないのに対してpovoでは音声通話も可能になります。

一方、UQ mobileは使わない月のデータ容量を次の月に繰り越しできたのがpovoではできなくなるのですが、月に3GBを超えることはいままでほとんどなかったことに加え、音声通話や24時間無制限のメリットのほうが大きいと判断しました。

なお、メイン回線のahamoを切り替えなかったのは、ahamoで利用しているスマートフォン「LG VELVET」の対応バンドがドコモ回線向けの仕様になっているためです。サブ端末として使っている「iPhone SE2」はバンドの心配もなかったので切り替えが可能でしたが、メイン端末がau回線に対応していたらそちらを切り替えてもよかったかもしれません。

この30日間3GBをベースに、必要に応じてトッピングを加えていく、というのが筆者の基本的な利用方法となります。

実質2日間使える「データ使い放題」が嬉しい誤算

povo 2.0の開始と同時に、Webで手続きを行ないました。物理的なSIMカードを希望したので発送など多少時間はかかったものの、申し込みの2日後には入手できました。サービス開始当初は大量のアクセスでサイトが表示されなかったりサポートもつながらないことがありましたが、今ならもう少しスムーズに入手できるかもしれません。

手元に届いたSIMカード一式
アプリから回線を有効化
有効化直後の容量は0GB

契約直後、ちょうど長時間外出して作業する日があったので、さっそく24時間のデータ使い放題をトッピングしてみました。トッピングはスマートフォンのアプリから「データ使い放題」を選択するだけと手軽。購入するとその時点から利用開始になります。

アプリからトッピングを手軽に選択

嬉しい誤算だったのが、24時間と書かれているものの実際には「翌日の24時まで」利用可能だったこと(10月27日時点)。朝にに契約すれば実質2日間は使えることになります。仕事の都合を考えると日が変わった瞬間に無制限でなくなってしまうのは困るな、とは思いますが、深夜だけでなく翌日夜までしっかり使えるのは非常に嬉しい仕様でした。

ポイ活感覚でデータ容量が増やせる「#ギガ活」

面白いサービスが「#ギガ活」です。クレジットカードやキャッシュレス決済でもらえるポイントを積極的に集める活動を「ポイ活」と呼びますが、「#ギガ活」はそのデータ通信版というべきもので、エントリーした上で対象の店舗やサービスで指定金額以上を使うとpovoにチャージできるデータ容量がもらえる、という仕組みです。

特定の店舗やサービスを利用するとpovoのデータ容量がもらえる「#ギガ活」
「#ギガ活」の利用にはエントリーが必要

対応店舗はローソン系のコンビニエンスストア、ドトール系列のカフェのほか、すき家や丸亀製麺、はま寿司などの飲食店、カラオケのビッグエコー、出前サービスのmenuなど、普段の生活でもよく使うお店が多数揃っています。

ギガ活|【公式】povo2.0

対象となる支払い方法は2種類あり、1つはauの決済サービス「au PAY」での支払い。条件に合致していた場合、容量をチャージできるクーポンが後日メールで送られてきます。また、店舗によっては決済方法に関わらず一定金額以上を支払うと、その場でクーポンを入手できます。

au PAY決済の場合はクーポンが後日メールで送られる
対象店舗の1つである「Brooklyn Roasting Company」は決済方法にかかわらずその場でクーポンが入手できる

もらえる容量はお店によって異なりますが、ローソン、ドトール、すき家など「500円以上の利用で300MB」がほとんどです。複数のお店で利用することもできるので、対応店舗をこまめに使うようにすると、それだけでデータ容量を増やすことができます。

なお、データ容量は300MBは3日間、1GBは7日間、3GBは30日間という消費期限があるほか、クーポンそのものにも有効期限があります。うっかり使うのを忘れて期限が来てしまわないよう、しっかり管理しておきましょう。

クーポンに記載されたコードを入力
データ容量に反映

povoを契約してからというもの、コンビニをローソンにしたり、ランチ時にすき家を見つけたら迷わず入るなど、日常生活の行動も大きく変わりました。いつもの生活を少し変えるだけでデータ容量が増えるという「#ギガ活」は、とても面白い施策だと思います。

一方で、支払ってからクーポンが届くまでにタイムラグがあり、クーポンに消費期限や有効期限があるため、クーポンをたくさん持っていると「いつどのタイミングで使うか」を考えるのに煩わしさも感じます。対象のクーポンがメールではなくアプリに自動登録され、アプリから好きなタイミングでオンにできたり、利用期限を教えてくれると、「#ギガ活」がより捗りそうです。

自分の生活に合わせてデータ容量を運用できる魅力

以前のpovoに比べて、料金プランだけ見るとわかりにくくなったようにも思えるpovo 2.0ですが、実際に使ってみると自分のスタイルに合わせてデータ容量を気軽に使えるとても便利な料金プランでした。

一般的な料金プランでは、月の上限に達してしまうと、非常に遅い通信速度で使い続けるか、月額料金に比べると割高の容量を購入するしかありませんでした。しかし、povoなら30日の容量を早めに使い切ってしまったら、新たに30日分の容量を追加できるので、割高な容量オプションを追加する必要もありません。

特に魅力的なのは、24時間「以上」使い放題になる「データ使い放題」プランです。ビデオ会議の打ち合わせでは平気で数GB近い容量を消費してしまいますが、大量にデータ通信するときだけ「データ使い放題」をトッピングすることで、基本容量をバランス良く使うことができます。ただし、データ通信のトッピングは都度購入する仕組みで、30日3GBなどで自動更新はできないため、毎回購入するのが手間に感じるかもしれません。データ通信プランも自動継続の機能が欲しいと感じました。

トッピングは簡単ですが、自動更新はできない

また、「#ギガ活」を活用すれば、容量が少なくなってきた頃合いを見て「#ギガ活」対象店舗で買い物や食事をするだけで容量を増やすことができます。コンビニやカフェで「500円以上の利用」という条件なので、ギガ活のために必要より少し多く支払うこともあるかもしれませんが、容量を追加で購入するよりもオトクに容量を増やすこともできます。

今までにない新しい形の料金プランを打ち出してきたpovo 2.0。データ通信量を細かくコントロールしたい、指定した日だけデータを使い放題にしたい、「#ギガ活」で容量を増やせることに魅力を感じるという人にはお勧めの料金プランです。