トピック
Windows 11、古いPCはインストールできない!? アップデート時の注意点
2021年10月6日 19:27
Windows 11の配信が日本でも開始されました。Windows 11は、6年振りの新OSということで、デザインも一新され、スタートボタンが中央に位置するなど、大胆な改変も行なわれています。
Windows 10からのアップデートなら、基本的に無償ですのでさっそくアップデートしてみたいという方もいらっしゃるかと思いますが、今回のWindowsは今までと少し事情が違います。これまで新しいWindowsが発表された場合、比較的古いものでもインストールは可能で、サポート対象にもなっていたのですが、Windows 11では、ある程度古いPCをバッサリ切り捨てる大胆な対応をしています。
アップデートするには「Windows Update」を待つのが推奨
今回Windows 11へのアップデートを行なうために最も推奨されているのは「Windows Update」を使う方法です。Windows Updateは普段からWindowsのバージョンアップやセキュリティの更新などに使われますが、Windows 11へのアップデートもここから行ないます。
ただし、Windows Updateでの配信は「順次」となっており、今すぐにインストールしたいと思ってもできない場合があります。Windows Updateでインストールが可能になる通知が出るまで待ちましょう。
この他、手動でのインストール方法なども用意されていますが、こちらはトラブルがあった際には自己責任での対応が必要で、上級者向けです。
まずは「PC正常性チェック」を
自分のPCがアップデートの対象になるかは、Microsoftが公開している「PC正常性チェック」でチェックできます。まずはこちらを試しましょう。Windows 11にアップデート可能かどうかを即座にチェックしてくれます。
アプリはMicrosoftの公式サイトにある「Windows 11の入手方法」から「互換性の確認」をクリックし、「PC 正常性チェック アプリのダウンロード」からダウンロードします。
使い方は簡単で、ダウンロードしてインストールし、起動すれば「今すぐチェック」の項目がありますので、それをクリックするだけです。即座に診断されます。
ここで問題がなければ、Windows Updateからインストールが行なえます。と言いたいところですが、そう単純ではなく、PC正常性チェックをクリアしても、インストールは行なえないケースもあるので注意が必要です。
既に述べたとおり、Windows Updateによる提供は、あくまで「順次」です。これは、MicrosoftがPCのハードウェアやソフトウェアなどの互換性を確認中のものが含まれているためとされています。ユーザー側にその詳細は通知されませんが、基本的にはWindows Updateにアップデートの案内が出るまで待つ、ということになります。
Windows 11の公式ページからは、ユーザーが自分でインストールを行なうための「Windows 11 インストール アシスタント」なども用意されています。こちらでインストールする場合は、自由なタイミングでインストールが可能ですが、もし不具合があった場合、自分で対応できるスキルが必要になります。
なお。PC正常性チェックは、基本的に会社に登録してあるPCでは「このPCでの更新プログラムは組織が管理しています」と表示されます。会社が管理しているPCは勝手にアップグレードができないようになっています。
注意しておきたいチェック項目
PC正常性チェックでは、Windows 11の動作に必要なさまざまな要件が自動でチェックされます。Microsoftでは、Windows 11のシステム要件について公開していますが、今回は少々事情が複雑です。
例えば、PCの心臓部となるCPUに関しては「1GHz以上で2コア以上の64bit互換プロセッサまたはSoC」とあり、これだけならかなりのCPUが動作するように見えますが、実際にチェックを行なうと「自分のPCのスペックは満たしているはずなのに弾かれる」という状況が発生します。
これは、Microsoftが公式にサポートするCPUがIntel製では2017年後半以降、AMD製では2018年中盤以降に発売された製品に限られるためです。
つまり、スペック上は条件を満たしていても、発売時期によって対象外の製品があるのです。それ以前に発売されたCPUを搭載したPCは、たとえインストールはできても、Microsoftのサポート対象外で、動作も不安定になると言われています。
そのため、今から4~5年以上前のPC、特にCPUの交換ができないノートPCは対応できない可能性が高いです。
セキュリティが強化されるWindows 11
その他、正常性チェックで問題になりやすいのは「TPM 2.0」という項目です。なにやら聞き慣れない単語ですが、これは、セキュリティを強化するための仕組みで、Windows 11が新たに正式サポートをするものです。この仕組みを必須とすることでWindowsのセキュリティ強度を底上げしようという狙いがあります。
ただし、TPM 2.0という仕組みはかなり以前からあるもので、既に説明したような比較的最近発売されたノートPCの場合、すでに対応しているケースが多く、あまり心配はいりません。もしチェックに引っかかってしまった場合でも、ノートPCのメーカーがWindows 11に対応するためのアップデーターを用意している可能性もありますので、メーカーのホームページをチェックしてみましょう。
問題は、自作PCなどのデスクトップPCを持っている場合です。そうしたデスクトップPCでは、元々TPM 2.0には対応しているのですが、標準では「オフ」になっていることが多いのです。そのため、PC正常性チェックではねられる可能性があります。ただ、元々機能自体は搭載している場合がほとんですので、ユーザーが自分で「オン」にすればチェックはとおります。
その他の項目としては、メモリ 4GB以上や、ストレージ 64GB以上などの条件もありますが、最近のPCであれば一般的には問題がないものです。
以上が、Windows 11へのアップデートで気をつけておきたいポイントです。基本的には、3~4年以内に購入したノートPCであれば、順次、Windows Updateによって更新が可能になる予定です。マイクロソフトでは、2022年半ばまでに対応する全デバイスに無償アップグレードを提供する予定としています。