トピック

紙巻タバコ喫煙者、加熱式に乗り換え。IQOS・glo・Ploom Sを試す

加熱式タバコって慣れないと独特なニオイを感じますよね。これがイヤで「加熱式に変えるくらいなら、タバコをやめる!」とかたくなに思っていた私。しかし、紙巻派の肩身は狭くなる一方……。そんなころ、編集者K氏から「加熱式タバコを試して記事を書いてみませんか?」との誘惑が舞い込みました。「これを機に試してみるか」とこの企画に乗ることにした私は、デバイスが届いた日から紙巻を一切やめ、加熱式タバコに移行。試してみて感じた率直な感想をお伝えします。

どのタバコが対応するのか調べることからスタート

今は紙巻タバコを吸える場所が限られていて、「加熱式タバコならOK」という飲食店も増えてきていますよね。先日、打合せのためにこの記事を担当している編集K氏と入った喫茶店も紙巻はNG。にもかかわらず、K氏はわたくしに気を遣うことなく、加熱式タバコをスパスパ。そんなK氏の姿を見て「なぜ加熱式だけ……」と理不尽に思いながらも、「そろそろ加熱式も取り入れるべきかな~」と密かに思っていたのです。

そんな時に始まった加熱式タバコのお試し企画。編集部から届いたのは、「IQOS 3 DUOキット」、「Ploom S 2.0」、「glo hyper+」という主力3メーカーの最新デバイス。紙巻派の私ですが、デバイスの名前くらいは聞いたことがあります。でも、名前以外はまったくの無知。それぞれのデバイスにはどのタバコが対応するのかすらわからない状態なので、まずはネットで購入すべきタバコを調べることに。

手元に届いた3つのデバイスに対応するタバコをネット検索。調べてみるとどれもブランドもフレーバーも多様なので、「吸ってみた」的なサイトもチェック。加熱式タバコの情報はネット上にあふれている

どれも種類が多くてビックリしながらも、普段からメンソールを吸っている私は各デバイスとも基本的なメンソールをセレクトすることにしました。ちなみに私の紙巻タバコ生活は1日10本程度、普段から自宅で仕事をしている上、コロナ禍でさらに外出の機会が少なくなっているため、吸うのはほぼ自宅。キッチンの換気扇の下でしか吸いません。

3機種を3日間ずつのローテーションで18日間続け、その後はランダムに吸い、約1カ月間のお試しとなりました。

意外にも違和感なく吸えるがストレスも多かった

まず、意外だったのは、あれだけ不快に感じていたニオイが、どのデバイスもさほど気にならなかったことです。調べたところ、デバイスによってニオイに差があるということでしたが、私的にはどれもほぼ一緒。吸う側にとってはあまり気にならないものなんですね。

吸い応えは紙巻とは比べものになりませんが、予想ほど悪くはなかったです。機械も専用タバコもきっと進化しているんですね~。でも、メンソールは総じて紙巻よりもメンソール感が強く、葉の味が弱いです。もうちょっとタバコの風味も感じたいところですが、まあこんなもんでしょう。

しかし、使ってみてわかった「加熱式ならではのストレス」もあります。まず、待ち時間があること。紙巻きタバコでは火をつければすぐに吸えるのに、加熱式タバコには加熱に必要な時間が20~30秒あります。非常に短い時間ですが、すぐに吸えないことがせっかちな私にとって最初のストレスでした。

どのデバイスも指定のボタンを長押しすると加熱を開始。私はガマンできなかったり、加熱していることを忘れたりして加熱終了を待たずにフライングすることもよくある

さらに、くわえタバコもできません(行儀悪いですが)。先ほども言った通り、私はキッチンで吸うため、タバコを吸いながら洗い物をしたり、お皿をふいたり、お茶を淹れたりと、普段から「ながらタバコ」が多いんです。一度灰皿に置いて、作業をして、また吸う、というパターンも多いので、途中で加熱式タバコをキッチンの作業台に置いたりもしましたが、アイコスはコロコロ転がるし、プルームは平らで大きく取り上げづらい。そんな時に活躍したのがグローです。立てて置ける。これは私にとって、思いのほかメリットとなりました。

置くときはこんな感じ。見た目だけでグローが一番置いたり取ったりしやすいのがわかりますよね。吸っている間は常に持っている、という人には関係ない話ですが

また、どの機種も終了間近になると「もう少しで終わるよ」と振動やサインがあるのですが、これも「早く吸えよ。終わるぞ」と急かされているようでイヤでしたね。このサインがないと不便ですが、最初はちょっとイラッとしました。

好きな時に吸い始めて、自分のペースで吸い、自分のタイミングで吸い終わる。この慣れた流れが乱されてしまうことは、私にとって大きな苦痛でしたね。でも正直、2週間もすれば慣れます。紙巻から加熱式に移行したい人にとっては、加熱式ならではのストレスをガマンして、慣れに変わるまで続けられるか、が肝になってきそうです。

意外と苦痛じゃなかったのは充電です。私は1日10本程度しか吸わないので、どのデバイスも丸2日くらいは持ちました。充電時間も速いので、このあたりはストレスなく使えましたよ。

吸い応えのあるIQOSはデザイン性も好印象

ここからは、それぞれのデバイスの感想をお伝えしたいと思います。まずは、「IQOS 3 DUO」から。個人的な感想になりますが、私が一番吸い応えを感じたのはアイコスです。

加熱プレートを葉の部分に差し込む感じになっているので、アイコスだけは吸い殻の葉の部分が黒くなります。そういったことも吸い応えに繋がっているのかもしれません。ただその構造のせいで、タバコを取り出す時に「カチッ」とスティックをスライドさせなければならないのが少し面倒。

加熱プレートを破損しないようにと、このひと手間。ほかのデバイスと併用していたため、時々この作業を忘れて引っこ抜いてしまうことも。そのせいか取り出す時に葉の部分が抜け落ちるというトラブルにも見舞われた

アイコスはお手入れもきちんと簡単にできる印象です。少し手間ですが、専用のブラシと湿り気のある専用の綿棒でクリーニングできるので、しっかり手入れしていれば常に雑味のない、おいしいタバコを吸うことができます。

付属のブラシでクルクルと掃除した後は、専用の綿棒でホルダー内部の汚れを取り除きます。2回ほど掃除しましたが、驚くほど汚れが!

あと、スタイリッシュなデザインもいいですね。紙巻タバコのようなフォルムは手軽な感じがしますし、専用のアクセサリーも充実しているので、オシャレに持ち歩きたい人にもウケが良さそうです。

Ploom Sはほかのデバイスにはないサインも

「Ploom S 2.0」は最初、吸い応えはイマイチ、と思っていました。でも、クイックユーザーガイドをよく読むと「吸い方のコツ」が書かれていて、その通りに吸うと吸い応えがアップ。「ものは試し」でやってみるものです。それでもアイコスには及ばない感じですが。

本体に同梱されているクイックユーザーガイド。これを発見する前は浅くくわえてさっさと吸っていたので、違いを感じられたのかも

また、加熱の待ち時間を4つのランプでわかりやすく知らせてくれるのもいいところ。吸い始めまでの待ち時間がわかるだけでなく、吸い終わりの振動があるのもこのデバイスだけ。アイコスもグローも終わるとランプが消えるだけで、終わった後に吸ってしまったことが何度かありましたから、振動で知らせてくれるのはありがたい!

4つの白いLEDが点滅・点灯しながら加熱が進行し、すべてのLEDが点灯したら準備完了。吸い始めてからは残り時間もこの4つのLEDでわかるようになっている

ひとつ、気になるのはクリーニングです。綿棒を使って掃除するので、「別でクリーニング用品を買わずに済む」と思ったのですが、クリーニングするために綿棒を挿入する穴が小さく、通常の綿棒はほとんど使えません。ネットで調べてみるとベビー用の綿棒でないと入らないようなので、「ちょっと不親切だな」と思ってしまいました。

側面のフタを空けると小さな穴が。プルームSはタバコの入口とこの穴に市販の綿棒を入れてクリーニングする

立てて置けるgloは私の喫煙スタイルにぴったり

「glo hyper+」は先ほども言った通り、「立てて置ける」のがいいところ。「ちょっと灰皿に置く」のと同じ行為ができるのは本当に便利でした。プルームと同じく、加熱時間の経過を4段階で知らせてくれるところもいいですね。最近は吸い応えを重視したタバコも発売されたので、使い勝手とタバコのクオリティのバランスを考えると、グローが私に一番向いているような気がします。

底の面が平らなので、ひょいっと置いて、ひょいっと取れる

ただ、付属のクリーニングキットはブラシのみで、内部を掃除するだけなので「これでちゃんときれいになるのだろうか」と不安な部分もありました。さらに、他の2つのデバイスと比べて吸い殻が大きいので、携帯灰皿もすぐにいっぱいになってしまいそうです。私はほとんど携帯灰皿を使わないので、とくに問題ありませんが。

加熱式を試した結果、紙巻からの卒業を決意

思ったことをいろいろと書いてしまいましたが、総体的に加熱式タバコは悪くなかったです。吸い応えやニオイも事前に仕入れた情報ほど悪くはなかったですし。正直、最初は「途中で紙巻きタバコを挟んでもいいかな」と思ったのですが、それもせずに続けることができたので、意外にも加熱式タバコに満足していたのでしょう。

実際、1カ月後に久しぶりに紙巻タバコを吸ってみたら、とても雑味を感じて身体に悪そうで「これはダメだ」と2吸いで消してしまいました。結果的に加熱式タバコを試して、紙巻から加熱式に乗り換えることになりそうです。今回、3メーカーを試してみましたが、それぞれにメリット、デメリットがあるのでもう少し併用、検討してから決めるつもりです。

マイペースに14箱のタバコを消費。今後、試してみたいのはアイコスのニコチンレスタバコ。でもタバコをやめる気はまったくありません!

今回の記事はかなり私の個人的な意見になるので、みなさんはどこで、いつ吸うことが多いのか、吸い応えやデザインは重視するのか、などを考えてデバイスを選ぶといいと思います。また、タバコの種類も多いので、自分好みのテイストを見つけることも加熱式タバコを常用するために大切な要素になりそうです。

今後はもっと紙巻タバコが吸いづらい環境になっていくはず。かつての私のように加熱式タバコを毛嫌いしている方もまだまだ多いと思いますが、価格改定でデバイスもどんどん手頃になっていますし、レンタルなども積極的に行なっているので、試してみてはいかがでしょうか。