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進化したメタル造形がカッコイイ! G-SHOCKの新型マッドマスターを買ってみた

カシオ G-SHOCK マッドマスター GWG-B1000

カシオから発売されたG-SHOCKの新型マッドマスター「GWG-B1000」がカッコイイと思い、思い切って買ってみました。カシオの公式オンラインストアにて121,000円でした。家電量販店やAmazon.co.jpなどでは10万円前後で販売されています。

G-SHOCKには、「カジュアル」「ガチ」「世界観追求の高級モデル」という3つのラインがあると勝手に思っているのですが、本製品はガチな製品群で、陸・海・空で分かれた「MASTER OF G」の中でも“陸の覇者”と謳う「マッドマスター」シリーズの最新モデルです。その名が示すように、歴史のある「防泥」機能を継承しているほか、「方位」「気圧・高度」「温度」のトリプルセンサーを搭載しているのが基本的な特徴です。

ほかにもマッドマスターシリーズの特徴として、大きく見やすいアナログの時分針、要所の大きなアラビア数字インデックス、ダイヤル下部の大きめの液晶ディスプレイ、大きく頑丈なボタンといった要素も継承しています。

すでに従来製品から電波ソーラー対応で、時刻の精度や電池の問題はクリアになっていますが、今回の新型はBluetoothによるスマートフォン連携に対応したことで、時計のさまざまな設定をスマートフォンから操作・変更できるようになりました。登録した地点の方向を時計の針で指し示すロケーションインジケーターなど本製品ならではの機能も、スマートフォンアプリで簡単に設定できるようになっています。

Bluetoothに全面的に対応、スマートフォンからさまざまな設定変更ができます
地点を記録するロケーションメモリーをスマートフォンでも可能に
ロケーションインジケーター機能。登録した地点の方向は3時位置の小針で、距離は液晶に表示されます。秒針は常に北を指します。3分で元に戻るので、たまに立ち止まって確認するという機能です

メタルの造形が進化 なんかカッコイイ!

さて、過酷な任務に使うわけではないカジュアルユーザーの私が「GWG-B1000」を選んだ理由は、初めて見た時に、直感的に「カッコイイ!」と思ったからです。

もう少し詳しくみていきましょう。まずはサイズ感から。本製品は、発売順では前モデルにあたる「GWG-2000」と比較して、時計本体の縦の長さ、横幅ともに一回り小さくなったほか、ダイヤル外周にあった都市コードのリングを省くことでダイヤル部分(風防の面積)が少し小さくなりました。

大きさは58.7×52.1×16.2mm、重さは114gです。時計の裏側、裏蓋とバンドの間には隙間を埋めるようなパーツもついているので、腕が細くてもスカスカになることはなく、フィット感は上々です。

このように、数値とデザインの両方で、腕に着けた時の“大柄な腕時計”という印象が少し緩和されています。腕が細めで、こうしたゴツくて大柄なデザインの腕時計に気後れしがちな私にはプラスの要素でした。

厚くて大きいことに変わりはありませんが、装着感は軽く、フィット感も良好です

もうひとつは、メタルパーツの仕上げが大きく進化している点です。前モデルの「GWG-2000」も円形のベゼルパーツはステンレススチール製ですが、本作はこのベゼルや風防をガードするパーツも樹脂系素材からメタルに変わり、なんとも言えない剛性感が醸し出されています。この部分は、「樹脂系の素材だと削れてしまう」という、レスキュー隊など本当に過酷な現場で使う人からの意見を取り入れた結果、素材を見直し金属を採用したということです。

そのメタルパーツは、高い精度で複雑な形状が実現されています。時計全体としてタフなアドベンチャーマシンがテーマということですが、アウトドアやミリタリー、あるいは工業用の何かの機械に通じるような雰囲気の、よくわからないけどワクワクするカッコよさが感じられます。過度に直線的ではないですが、“面”や“境界線”がビシッと決まっていて、見ていて気持ちがいいです。「G-SHOCK」の刻印が入っている円形のベゼルパーツは外側と内側に高い精度のポリッシュ仕上げが施されていて、キラキラと光って目を引くアクセントになっているのも、実物を手にして驚いた部分です。

入手してからしげしげと眺めて、意外だなと気がついたのは、私が購入したカラーの「GWG-B1000-1AJF」は、アラビア数字インデックスの「12」「6」や、時分針の色、「DISP」「MODE」といった樹脂パーツの文字の刻印の色、バンド表面のプリント文字に、ホワイトではなく、ビンテージ調を意図したと思われるベージュが使われていることでしょうか。

液晶部分については、Webサイトの製品画像では黒白に見えますが、実際には濃い緑です。9時位置の気圧差・高度差インジケーターの金色の仕上げと合わせて、レトロ/ビンテージな電子機器の液晶や電子基板の金属端子をイメージしたのかな? と想像しています。

夜光塗料が塗布されたアラビア数字はビンテージ調のカラーです。夜光塗料はミニッツトラックの上にあるインデックスにも塗布されています
9時位置の気圧差・高度差インジケーター。通常時は真上を指しています。右側のH・M・Lは電池残量です
液晶の気圧計表示。変化量は9時位置の気圧差・高度差インジケーターに表れます

腕時計全体がダークグレー系でまとめられていることと合わせて、使い込まれたタフなギアといった雰囲気が出ていると感じますし、ブラックやカーキ、デニムといったカラー・ファッションにもよく馴染みます。

ちなみに、時計に厚みがあるので袖の中でゴワゴワと存在感を発揮しがちですが、バンドが長めなので、アウトドアウェアなら袖の上から装着してしまうのもアリだと思いました。

機能美と冒険心を掻き立てるディテールが高度に同居しているのが、新型マッドマスター「GWG-B1000」の魅力です。特にメタルパーツの造形や仕上げの質の高さは特筆すべきものだと思いました。アウトドアに持ち出したらもちろん本領を発揮しますが、街中で着けていても、なんとも頼もしい感じがして、出かける時につい手にとってしまう1本になっています。

太田 亮三