いつモノコト

3万円のゲーミングキーボード「G913」。キーの軽さと静音性が最高

筆者がひと目惚れした「G913 LIGHTSPEED」

筆者は、つい3カ月前に「ゲーミングキーボード」を買った。通常市販されているキーボードより頑丈なキーを採用し、打鍵感が軽く、静音性が高いものもあり、多機能で……なにより、光って、高価だ。

筆者が購入したロジクール製「G913 LIGHTSPEED」の価格は30,200円で、ゲーミングキーボードの中でもハイエンドタイプ。家電量販店でなら安価なキーボードが10台は買えるだろう。

高価なキーボードに手を出した理由は、「これまでのキーボードの打鍵感が重く、うるさかった」こと。どうしても打鍵したときに起きる「ドカドカドカ!」という賑やかな音と、へこんだまま戻らないような重たいキーが気に入らなかった。これは一般的なキーボードはもちろん、ノートPCにみられるフラットなキートップを持つキーボードも同じだった。

ライティング設定を変更して筆者好みにカスタマイズ

筆者はこれまで、デスクトップPCの付属キーボードや、ノートPC、大手メーカーのキーボードなどに触れてきたが、ゲーミングキーボードと分類されるものには触れてこなかった。もちろん憧れはあったが、なにより高価だったからだ。

だが、「コスト」という問題は「仕事上のストレス」という壁の前に粉砕された。いざ仕事としてキーボードを打ち始めたとき、打鍵感の重さは手首に、打鍵時の騒音は耳にダイレクトにストレスを伝えてきた。これに耐えきれなくなって、3カ月前に手に入れた。

G913はゲーミングキーボードなのでまず、「光る」。キーひとつひとつにLEDが仕込まれていて、専用のソフトウェアでLEDをアニメーションさせたり、ただ光らせるだけにしたり、CtrlキーやAltキー、Windowsキーを押すと別の色のライトが点くように設定できる。だた、いちばん重要なのはキーを打つ感触とストレスの無さだ。

「G913 LIGHTSPEED」に搭載された無線機能「LIGHTSPEED」のマーク

ゲーミングキーボードに限った話ではないが、高価格帯のキーボードにはキーの性質に種類があり、その中から選んで購入することになる。G913では「ジャキッ、ジャキッ」と強いクリック音が鳴る「クリッキー」、それよりクリック音が弱い「タクタイル」、非常に静音性が高い「リニア」の3パターン。筆者は静音性を重視して「リニア」を購入した。

キーはキャップを取り外せる。この軸の色によって感触が異なる。これは「リニア」のもの

筆者は文字を扱う仕事をしていて、キーボードの打鍵回数もかなり多い。ゲーミングキーボードであれば競技に耐えうる耐久性を持ち、壊れにくいために買い換えの回数が減り、新しいキーボードに慣れる頻度も減る。静かなタッチとわずかに感じる反発感がストレスを抑え、文章を打つときの障害をなくしてくれる。厚さ22mmという薄型のデザインや、0度、4度、8度と3段階に調節できるスタンドも気分に合わせて変えられるのでいい。

多機能で高価なものが多いゲーミングキーボードの中でも、筆者が愛用するG913 LIGHTSPEEDはさらに高価なハイエンドタイプ。打ちやすさだけではない多くの魅力がある。

まず、アルミニウム合金の本体ににマットな質感のキートップ。見た目がいいし、触り心地も最高だ。つや消しが施された表面が鈍く光を反射する様子は美しいと思う。

次に、本体右上に備え付けられた音量調整ホイール。こちらもアルミニウム合金製で、なめらかな手触りと転がした感触が心地よい。

またG913には「LIGHTSPEED」という遅延が非常に少ない無線方式が採用されていて、手にした直後はそれもいいと思った。なのだが、しばらく使ううちに「備え付けなのだから有線でも変わらないのでは?」と感じ、現在は有線接続で使用している。

マクロキーとライティングの鮮やかさも魅力だ。本体左に5つのマクロキーが配置されていて、筆者はよく使う「Ctrl+Z」と「Ctrl+Y」「Ctrl+S」を設定。ライティングは叩いたキーの色が変わり、だんだんと元の色に戻っていく「エコーブレス」を採用している。これが落ち着いたアニメーションで気に入っているのだ。

マクロキーは様々なアクションを設定できる
通常はブルー、打鍵するとレッドからグラデーションして元に戻っていく

そしてなにより、「私はいいものを使っている!」と見た目の――アルミニウム合金の鈍い輝きが、LEDライトが教えてくれる。そういった印象のよさは大事だ。

マクロキーの設定は3パターン作成でき、Bluetoothでの接続やWindowsキーの誤爆を防ぐ「ゲームモード」も使用可能
ショートカットキーをわかりやすくライティングする機能もある

「ゲーミング」と銘打たれ、ピカピカに光ってゲーマーが使う高価なもの……というのが、ゲーミングキーボードを知る大多数の見方であると思う。だがしかし、筆者はこれをデスクワーカーにも触って欲しい。

理由はもちろん「ストレスが格段に軽減される」から。高価ではあるが、最近はロジクール製でいえばテンキーをなくした「PRO X」であったり、フルキーで有線のみ、キーボードという機能のみに絞られた「G512 CARBON」など、1万円程度で購入できる製品も多い。是非店頭で一度触れて、違いを体感して欲しい。

G913は、筆者のキーボードを叩く楽しみをこれまでよりずっと大きくしてくれた。キーの軽さ、静音性、ライティング、マットな金属光沢、どれをとっても魅力がある。

チモシームッシュ

フリーライター。2017年ごろよりゲームとホビーのレビュアーとしてGAME Watchなどで活動。新しいものと遠征が好き。最近はバーチャルYouTuber「冴原あさぎ」として20~30代男性向けニュースキャスター活動も行なっている。