ニュース

EU、AI法を承認 リスクに応じて規制

欧州連合(EU)は21日(現地時間)、AIに関する包括的な規制を盛り込んだ「Artificial Intelligence Act(AI法)」を承認した。「リスクベース」のアプローチに従い、社会に害を及ぼすリスクが高くなれば、厳しい規則を行なう。この種の法律は世界初で、「AI規制のグローバル・スタンダードとなる可能性がある」としている。

AI法は、EU市場において、民間と公的機関による安全で信頼できるAIシステムの開発と導入を促進することを目的としている。同時に、EU市民の基本的権利の尊重を確保し、欧州における人工知能への投資と技術革新を促進することも目的とする。

AI法では、AIの種類をリスクに応じて分類。リスクが限定的であれば軽い透明性義務のみに留める。リスクの高いAIシステムには認可は与えるが、EU市場にアクセスするための要件と義務が課される。

また、認知行動操作やソーシャルスコアリングなどのAIシステムは、EU参入が禁止されるほか、プロファイリングに基づく予測的な取り締まりや、人種、宗教、性的指向などの特定のカテゴリーに従って人々を分類するために生体データを使用するシステムでのAI使用も禁止されている。

適切な執行のため、欧州委員会内にAI事務局などを設置。AI法違反に対する罰金は、違反企業の前会計年度における全世界の年間売上高に対する割合、もしくは事前に定められた金額の高い方に設定される。規制は発行から2年後に適用される予定。