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郵便料金値上げへ 定形郵便物は84円から110円に

総務省は18日、定形郵便物の上限料金を84円から110円に値上げする案を、情報通信行政・郵政行政審議会に諮問した。郵便料金の値上げは、消費税の引き上げ以外では1994年(平成6年)以来約30年ぶりとなる。

郵便の安定的な提供を継続するため、第一種郵便物のうち25g以下の定形郵便物の上限料金の額を「84円」から「110円」に改正する。また、日本郵便と一般信書便事業者の競争条件確保のため、民間事業者における定形郵便物と同じ大きさや形状の信書便物の料金の上限額も84円から110円に改正する。日本郵便は、ハガキについても、63円から85円への値上げを、定形郵便物(50g)も94円から110円の値上げを想定している。

郵便料金の見直しの検討

総務省では12月19日から2024年1月22日まで、改正省令案についてのパブリックコメントを募集。諮問に対する審議会の答申を踏まえ、省令の改正を行なう予定。法改正は早ければ2024年6月頃で、その後日本郵便の申請や準備を進め、値上げの実施は来秋ごろの実施が見込まれる。

郵便事業の2022年度の営業損益はマイナス211億円で、民営化以降初めて赤字となった。郵便物数は、2001年度をピークに毎年減少しており、今後も大きな減少が予想されることから、営業収益の減少も継続すると見込まれる。一方、賃金引上げの実施や、燃料価格などの物価の高騰を反映することも、社会的な要請になっていることから、直近で大幅な営業費用の削減は難しいとする。郵便事業の安定的な継続のためには、「早期の郵便料金の見直しが必要」としている。