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マネーフォワード クラウド、デジタルインボイス対応を開始

マネーフォワードは、「マネーフォワード クラウド」において、デジタルインボイス対応を開始した。

デジタルインボイスは、請求業務をデータの送受信で完結させる方法。請求書をデータでやりとりすることで、仕訳作成、請求書保管などの経理担当者の作業の手間を省き、将来的には支払処理や入金消込などの後続業務まで、バックオフィス業務の効率化を図る。

デジタルインボイスで請求データを送受信するには、利用サービスが、電子文書を相互運用するための国際規格「Peppol(ぺポル)」に対応する必要がある。送り手が、送り手側のアクセスポイントを通じてPeppolネットワークに接続し、受け手のアクセスポイントにデータを送信することで、受け手に請求データが届くため、Peppolに対応したサービスであれば、導入している請求書ソフトや会計ソフトのベンダーが送り手と受け手で異なっていても、デジタルインボイスを用いたやりとりが行なえるようになる。

Peppolの日本における運用はデジタル庁が管理しており、Peppolをベースに日本の商習慣に合わせた標準仕様、「JP PINT」を策定している。

今回、「マネーフォワード クラウド請求書」、「マネーフォワード クラウドBox」、「マネーフォワード クラウド会計」、「マネーフォワードクラウド 確定申告」がデジタルインボイスに対応。また、送信側と受信側をつなぐアクセスポイントとして、「マネーフォワード クラウドPeppolコネクト」も稼働を開始する。

郵送・メールなどの他に「デジタルインボイス」を選択可能
デジタルインボイスの送信画面
「マネーフォワード クラウドBox」画面
「マネーフォワード クラウド会計」画面。受け取ったデジタルインボイスから仕訳候補を表示

10月1日にインボイス制度が開始し、適格請求書発行事業者の判定や仕入控除税額の計算などの新たな業務が発生し、バックオフィス業務は複雑化した。請求書の「電子化」による、業務負荷軽減や効率化に向けた取り組みが進められているが、さらなる効率化のためには、従来の「請求書」の形式をとらず、データの送受信によって請求業務を完結させる「デジタルインボイス」が必要となる。マネーフォワードではデジタルインボイス対応とともに、同社の「SaaS×Fintech」構想を推進。請求データが届くと同時にワンクリックで取引先への入金が完了したり、蓄積した請求データから事業者に与信を付与し、オンラインファクタリングサービスの提供に活かすといった、SaaSと金融サービスがシームレスに繋がる世界を目指すという。

なお、デジタルインボイスの利用開始には、Peppol IDの追加が必要。IDを新規作成する場合は、法人番号、またはGLN(企業・事業所識別コード)を使用し、「マネーフォワード クラウド」の管理コンソール画面から作成する。

管理コンソール画面