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サイバーエージェント、生成AIの活用推進する「AIオペレーション室」

サイバーエージェントは、社員のオペレーション業務を2026年までに6割削減し、生成AIを活用したサービスのさらなる価値創出を目的とした生成AI活用推進組織「AIオペレーション室」を10月に新設した。

サイバーエージェントでは、2016年にAI研究組織「AI Lab」を設立、2023年5月には独自の日本語LLM(大規模言語モデル)を開発・一般公開している。これにより同社のサービスに生成AIを実装することで広告効果の改善・業務生産性向上を実現するなど、生成AI技術の研究開発に取り組んできた。

また、広告オペレーションにおける作業時間短縮を目的とした「ChatGPTオペレーション変革室」、アニメーション業界やゲーム業界における生成AI研究開発組織「アニメーションAI Lab」「ゲームAI Lab」を2023年10月に新設するなど、生成AIを活用した業務効率化や、新しい開発・制作ワークフローの構築にも取り組んでいる。

「AIオペレーション室」は、今後もより一層の発展・需要拡大が見込まれる生成AI技術分野において、ビジネス職を含む全社員の生成AIに関するリテラシー向上に向けた取り組み強化とあわせ、誰もが生成AIを業務で活用できるための環境整備を推進するもの。

生成AI活用ノウハウの蓄積、プロダクト開発や業務プロセスの整備と標準化、AI人材育成を強化することでAI活用を加速させ、さらなる業務効率化・新規事業の創出・サービスの価値創造を目指していく。

同社は生成AI活用に向けた取り組みとして、全従業員を応募対象とした「賞金総額1,000万円!生成AI徹底活用コンテスト」を開催。業務効率化やコスト削減、既存サービス改善や新規事業案などのアイデアが約2,200件あったという。グランプリには、強化学習を用いたスケジュール調整により、月間6万時間の時間削減を見込む「AIを活用したスケジュール自動調整ツール」、準グランプリには、顧客やユーザーの発言を加味して、人間同様に深掘った質問や共感が可能な「顧客・ユーザーインタビューの価値・最大化を実現する、AIインタビューツール」が選ばれている。

コンテストでは、AI研究者やエンジニアからの事業案も多く決議されており、20以上の施策をAIオペレーション室で実現まで推進していく予定。

生成AIの基礎知識を身につけられるeラーニング形式のプログラム「生成AI徹底理解リスキリング for Everyone」も11月から開始。ChatGPTや同社独自日本語LLMの活用、生成AI活用における法務・セキュリティ知識を含め、全社員の基本リテラシーの向上に務める。

今後も生成AIに関する取り組みを加速し、「AI Lab」による研究開発、「AIオペレーション室」による業務効率推進や人材育成、コーポレート部門を含む各事業における生成AIの徹底活用に努めることで新たな価値創出を目指していくという。