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Fire HD 10 キッズプロ “好きを伸ばせる”使い放題サブスク

Amazonが9月21日に発表したタブレット「Fire HD 10」と、それをベースにした「キッズプロ」「キッズモデル」の合計3製品が、10月18日に発売される。出荷開始に先立ち日本国内でも記者向けに紹介され、キッズ向け製品を中心に解説が行なわれた。

新型Fire HD 10

10月18日から出荷される10型のタブレット「Fire HD 10」は、それまで好評だった動画視聴や、ギフト需要に応える価格帯はそのままに、処理性能の向上や軽量化を図り刷新した新世代の製品。上位モデル「Fire Max 11」でも好評なスタイラスペンにも対応しており、手頃なクリエイティブツールとして、対応アプリの拡充も進めている最中。

「Fire HD 10」

Fire HD 10 キッズプロ

「Fire HD 10 キッズプロ」は対象年齢が6歳以上で、小学生の使用を想定する。「Fire HD 10」に専用ケースが装着され、画面もキッズプロ向けプロフィールで利用する製品となる。

子供向けデジタルコンテンツのサブスクリプションサービス「Amazon Kids+」を1年間利用できる権利が付属する。

ハードウェアは共通のため、大人向けのプロフィールに切り替えて、通常の「Fire HD 10」として利用することもできる。保護者が内容を管理できるペアレントダッシュボードが用意され、定額サービスへのアクセス、アプリの追加やWebサイトのフィルタリング設定などを行なえる。

Fire HD 10 キッズプロ

アマゾンはすでに未就学児童向けのタブレットを展開しているが、それより上の年齢層の小学生をターゲットにした製品を投入する背景には、子供の教育に楽しみながら学ぶエデュテイメントを取り入れたいというニーズや、得意なことを伸ばしたいといった、保護者の意向がある。

また子供はタブレットを使った学習に前向きということもあり、「キッズプロ」は、興味のあることについて積極的に探し知識を伸ばしていくという、小学生に特化したコンセプトになっている。

一方で、小学生にも人気の鬼滅の刃のアクセサリーを用意したり、マインクラフトのアプリをプレゼントしたりするなど、小学生にフォーカスした内容を幅広く用意している。

Fire HD 10 キッズモデル

「Fire HD 10 キッズモデル」は対象年齢が3歳以上で、未就学児童の使用を想定する。Fire HD 10に専用ケースが装着され、未就学児童向けのプロフィールで利用する。専用ケースは持ちやすさを考慮して厚くなっているほか、保護性能を強化するためひとまわり大きいデザイン。

子供向けデジタルコンテンツのサブスクリプションサービス「Amazon Kids+」を1年間利用できる権利が付属する。

アマゾンのキッズ向けタブレットは、2019年の投入から2022年までの期間、国内で販売台数が約3倍になったという。未就学児童でタブレットを使う家庭の約40%が、Fireタブレット・Fireキッズモデルを使用しているという調査結果も明らかにされている。

コンセプトも海外とは少し異なり、例えば米国では動画などエンタメが中心であるのに対し、日本では自発的な学びや遊びをサポートする知育要素を打ち出して独自の展開を行なっている。結果として、利用時間も他国と比較して日本は長い傾向にあるという。

サブスク「Amazon Kids+」の強み

2つのキッズ向けモデルは、サブスクリプションサービスの「Amazon Kids+」を1年間利用できる点も大きな特徴。1年目以降は月額980円で、プライム会員の場合は月額480円になる。

ほかの端末でも利用できるため、例えばキッズモデルで視聴していた動画の続きをFire TVで視聴するといった連携も可能になっている。

Amazon Kids+では新たに、毎日届く「朝日小学生新聞」のアプリが提供されるほか、講談社からも将来の夢や職業について知識を深められる電子書籍が追加される。DeNAはプログラミングゼミのアプリを、全国で学習塾を展開するワオ・コーポレーションは知育アプリ36個を提供する。

コンテンツのカタログも、プログラミングや英語関連などが見つけやすくなるよう、新たなカテゴリーが追加されて表示される。

Amazon Kids+で読める電子書籍は、2019年のサービス開始時に750冊からスタート、現在は約2,000冊にまで拡大しており、スパイファミリーやちいかわをはじめ、人気キャラクターが登場するタイトルがさらに拡充される予定になっている。

年内にはペアレンタルコントロール機能が拡充され、カタログ外のアプリを追加できる機能や、カタログ外アプリの課金の許可ができる機能が追加される予定。

Amazon Kids+にコンテンツを提供する各社は、サブスクリプションにより、子供が追加の課金をすることなくコンテンツを利用できる点を評価している。例えば電子書籍は、通常はクレジットカードによる決済が必要なことが多いほか、個別に提供されている知育アプリなども一定以上の利用は課金が必要になるケースがある。

Amazon Kids+では、子供はカタログをながめて、なりたい職業についての電子書籍を読んだり、プログラミングアプリを試してみたりと、興味のあるコンテンツを自由に探して、自ら学び、「好きになったことを伸ばせる」環境になっているという。

説明会にはコンテンツパートナーも登壇した。左から、アマゾンジャパン Amazon Kids Japan事業部 コンテンツ部兼事業開発部 部長の小林丈展氏、朝日学生新聞社 代表取締役社長の高田圭子氏、講談社 第三事業本部 局長の太田美千子氏、ディー・エヌ・エー プログラミングゼミ開発者の末広章介氏、ワオ・コーポレーション ワオっち!事業部 事業部長の小林大陸氏、アマゾンジャパン Amazonデバイス事業本部 Fire Tablet事業部 部長の丸山 舞氏