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ソニー、小型製品のプラスチック包装材を全廃

ソニー吉田憲一郎 会長CEO

ソニーグループは14日、サステナビリティ説明会を開催した。新規設計するエレクトロニクス関連の小型製品では、プラスチック包装材を2023年度中に全廃する。

エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)とゲームなどのG&NS分野では、'22年度に36の新機種でプラスチック包装材を廃止した。ET&S分野では、独自開発の再生素材「オリジナルブレンドマテリアル」を活用するなどで、新規設計する小型製品におけるプラスチック包装材の全廃を、2023年度中に達成する見込み。

アクセシビリティ対応については、多様なユーザーのニーズを理解し生かすため、当事者と一緒に商品・サービスを検討し、その声を反映するインクルーシブデザインを、2025年度までに製品の商品化プロセスに取り入れる。開発段階の商品やサービスにフィードバックを提供する社員モニター制度により、社員がインクルーシブデザインの取り組みに参画できるようにする。

また、8月に発表しカメラ「α7C II」などに搭載した、視覚障がいがある人の操作をアシストする音声読み上げ機能や、液晶モニター画面が見づらいユーザーのためのメニュー画面の拡大表示機能などを紹介。また、サイバーショット「DSC-HX99」とQDレーザのビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」の組み合わせによる、世界初の網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」も展示した。

DSC-HX99 RNV kit

ゲーム関連でのアクセシビリティ対応にも力を入れており、Sony Interactive Entertainment(SIE)では、PlayStation 5用アクセシビリティコントローラーキット「Accessコントローラー」を開発。また、PS5の設定では、ズーム、色補正、文字の大きさ、音声読み上げ、クローズトキャプション、ボイストランスクリプションなどの幅広いアクセシビリティ機能を導入している。

環境に関する取り組みでは、製品市場時の消費電力削減を推進。また、2022年度の再生可能エネルギー電力率は、前年度比で倍増の29.7%となった。イメージング&センシング・ソリューション事業の製造事業所における太陽光パネルの設置拡大や、国内における新たなバーチャル PPA(電力購入契約)の締結などで、「2030年再エネ電力100%」という目標達成を目指す。また、前述のように梱包材の脱プラスチックを進める。

投資を通じた環境貢献にも取り組み、コーポレートベンチャーキャピタル「Sony Innovation Fund: Environment」は、2020年に10億円規模でスタート。現時点でスタートアップ企業6社に約3億円を出資。出資先の一つのCruz Foamは、甲殻類の廃棄物から抽出した高分子を用いたバイオマス梱包材を開発。米国でソニー製品への活用を検証している。