ニュース

YouTube、ガイドライン違反者が受講で警告解除できる教育プログラム

YouTubeは29日(米国時間)、「コミュニティガイドライン」の事前警告を受けた投稿者を対象にしたトレーニングコースの導入を発表した。

YouTubeでは、コミュニティガイドラインによって有害なコンテンツから保護しているが、中には意図せずポリシーに違反する投稿者もいる。ガイドラインの違反警告を受けるとコンテンツを投稿できなくなり、90日以内に3回目の違反警告を受けると、チャンネルは YouTubeから永久に削除される。

事前にポリシーを学ぶ機会を作るため、2019年には、初回の違反行為に対して発行する 1回限りの「事前警告」を導入し、クリエイターが違反警告を受ける前に、何が問題だったのかを確認する機会を設けている。事前警告を受けたクリエイターの80%以上は、その後警告を受けることはないという。

事前警告のあとで違反警告を受けると、機能制限により投稿スケジュールに支障をきたすほか、クリエイターにとっては、収益に影響が出る場合もある。

そのためガイドラインの遵守が重要となる。今回、新たにコミュニティガイドラインの事前警告を受けたクリエイターが、ポリシーに関する「トレーニングコース」を受講できるようにした。このトレーニングコースにより、クリエイターがポリシーに違反するコンテンツなどについて学べるようになる。コースを修了すると、90日間同じポリシーに違反しない限り、事前警告は失効する。

トレーニングの内容は、どのようなコンテンツがYouTubeのポリシーに違反するのかをより明確に理解できるように作られている。

あるクリエイターが性の健全性について教育する目的で動画を投稿したケースの例では、YouTubeのヌードと性的なコンテンツに関するポリシーにおいて、この動画が十分なコンテキスト(追加情報や視聴者への説明)が欠けている場合、コミュニティガイドラインに違反していると判断される。

これまでは、対象となる動画を削除したうえで、そのチャンネルに対して失効することのない事前警告を発行していた。今後も、違反コンテンツはYouTubeから削除するが、トレーニングコースを受講したクリエイターは、ヌードと性的なコンテンツのポリシーに関する論点を確認し、ポリシーで許容される範囲について理解を深められるようになるという。

コース修了後の流れ

・90日間同じポリシーに違反しなかった場合、チャンネルの事前警告は失効
・90日が経過する前に同じポリシーに違反した場合、違反動画が削除され、チャンネルに1回目の違反警告が発行
・90日を過ぎた後に同じポリシーに違反した場合、違反動画が削除され、事前警告が再度発行される。クリエイターには、新たにトレーニングコースを受講する選択肢が与えられる

従来は、事前警告は1回限りチャンネルに発行されていたが、今後は、「違反した特定のポリシーごと」に、個別の事前警告が発行される。これにより、ポリシー違反となった理由を学ぶ機会が増え、クリエイターはポリシーに関する複数のトレーニングコースを同時に受講できるようになるとしている。

今回の変更は、“誠実な”クリエイターがポリシーをより深く理解できるようにするためのもの。コミュニティガイドラインの基準を変更したり、3回の違反警告のルールを緩和するものではない。YouTubeでは引き続き、ポリシーに違反するコンテンツは削除し、90日以内に3回目の違反警告を受けたクリエイターは、YouTubeを永久に利用できなくなる。