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アマゾン、梱包の簡素化への取り組み 「大きな梱包で小さな商品」問題も対策

Amazonは23日、梱包最適化の取り組みについて紹介するブログを公開した。同社では梱包資材の簡素化などの取り組みを進めているが、時に商品よりもかなり大きな梱包で送られてくることや、非常に簡素な梱包で送られてくることがある。それら問題が発生する理由や対策、サステナビリティへの取り組みについて説明している。

Amazonの物流拠点(フルフィルメントセンター)

小さな商品が大きな梱包で送られてくる問題 その対策

Amazonで商品を注文すると、時として商品よりも大きな梱包材で送られてくることがある場合。主に以下の3つのケースが想定される。

・小さな商品
・複雑な形状の商品や特殊な商品
・安全上の注意が必要な商品

小さな商品は、ラベルを貼るのに十分なサイズや機械的な仕分けシステムによる処理に耐えられる強度と特性などが足りない場合。

複雑な形状の商品や特殊な商品は、効率的な梱包が難しいケース。例として、アイロン台、はしご、テニスラケット、園芸用品の熊手などが挙げられている。こうした商品では、商品サイズに対して大きめの箱にしか収められないも場合がある。また、一部の高額商品も中身が見えない梱包で出荷する。

安全上の注意が必要な商品は、可燃性ガスなど、保管や配送時に注意が必要な商品の場合。安全性に配慮した梱包で出荷するため、「商品に対して梱包が大きいと感じられるサイズでお届けせざるを得ない場合がある」としている。

そのほか、設備の制約上、最適な梱包材が利用できない、システムに登録された商品の寸法が誤っているなどの理由で、梱包が大きくなるケースもあるという。また、販売事業者が直接発送する場合も、Amazonは梱包できず、販売事業者に持続可能な梱包材の利用を推奨しているという。

Amazonでは、1つ1つの注文に対する梱包材を選ぶ際に、機械学習を活用している。物流拠点のフルフィルメントセンター(FC)の一部には、商品情報に含まれる商品の寸法(テキストデータ)に加え、実物の商品を複数の角度からカメラで捉え、視覚情報(ビジュアルデータ)を取得するシステムを導入。テキストとビジュアル、双方のデータを組み合わせることで、最適な梱包を選べるという。

また、日本のFCでは、特定のサイズの段ボール箱だけを使用する梱包設備を撤去し、さまざまなサイズの段ボール箱を使用できる梱包プロセスの導入を進めているこれにより、商品よりも格段に大きな段ボール箱で配送される機会は、減っていくという。

梱包の簡素化

一方で、梱包の「簡素化」も進める。安全上の問題が無く、商品の保護でも梱包材を変更しても問題ない商品は、段ボール製の箱や封筒に代わり、“紙袋”での配達を行なっている。この取り組みの加速のため、さまざまな大きさの商品に対応できる、紙袋の自動梱包機を開発し、順次FCへ導入している。

さらに、Amazonによる追加の梱包を省き、商品パッケージのままで配送できる商品を増やす取り組みも行なっている。メーカー各社の協力のもと、物流オペレーションの改善で実現するもの。梱包を省いた配送に適した商品にはこの方法を適用し、本などのメディア商材、ギフトやコレクター向け商品、プライバシーに関わる商品は、これからもAmazonによる梱包で配達する。

適切なサイズでの梱包は、配送面にもメリットがあり、配送車両に一度により多くの荷物を積めるようになり、配送の回数を減らせる。

また、梱包材から使い捨てプラスチックを削減しており、2021年には、Amazon全体で出荷あたりのプラスチック梱包材の平均重量を、7%以上削減した。日本においても、AmazonのFCから発送される商品は、冷凍や冷蔵を要する商品の配送など一部のサービスを除き、プラスチック製の袋を使用した梱包をなくし、紙製の梱包に置き換えている。緩衝材も、割れ物の梱包時以外は、すべて紙の緩衝材に変更している。