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空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」3人乗りに大型化 スズキと共同で24年製造開始

SkyDriveは、現在、設計開発中の「空飛ぶクルマ」の商用機「SkyDrive式SD-05型」について、正式名称を「SKYDRIVE(スカイドライブ)」とし、新たな機体仕様、デザインを発表。従来よりも機体が大型化し、搭乗人数が最大3人へ増加した。

同社は「空を、走ろう。」というビジョンを掲げており、社名でもあり、そのビジョンを表しているSKYDRIVEを製品名として決定した。

機体仕様の変更については、運航会社、エンドユーザーらの要望を受け、従来から最大搭乗人数2名から3名へ設計変更し、試験や検証を重ねていた。今回、独自ローターフレームの特許申請が完了したことを受けて、発表することになった。

独自開発したドーム型ローターフレームとローターの曲面配置により、機体をコンパクトに保ちつつ、3人乗りを実現。12基のモーターの働きを最適化し、電力効率を高めている。

機体サイズは、従来の9.4×9.4×2.7m(全長×全幅×全高)から、約13×13×3m(同)へ大型化。最大離陸重量は、1,100kgから1,400kgに増加、航続距離は従来の5~10kmから約15kmに伸びている。搭乗人数は操縦士1名と乗客2名の合計3名。

また、機体製造に向け、6月20日付けでスズキと協力体制の基本合意を締結。これにより、SkyDriveは、「空飛ぶクルマ」の製造を目的とした100%出資の子会社を設立。両社はスズキグループが静岡県内に保有する工場を活用し、2024年春ごろ、「空飛ぶクルマ」の製造開始を目指す。スズキは、製造子会社の人材確保など製造開始に向けた準備についても協力。より具体的な条件については協議を継続して決定する。

機体製造を予定しているスズキグループの静岡県内の工場

空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」は、大阪・関西万博での運航に向けて、2025年に耐空証明を取得し、2026年に型式証明を取得し量産およびデリバリーの開始を目指している。米国での事業開始に向け、アメリカ連邦航空局(FAA)での型式証明の取得も目指す。