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Apple、サプライヤーに2030年までの脱炭素化を要請

Appleは26日、グローバルサプライチェーンに対し、温室効果ガスの排出に対処するための新たな措置などを求めると発表した。100%再生可能電力で事業を行なうなど、主要な製造パートナーのApple関連事業を脱炭素化する取り組みを評価し、年ごとの進捗状況を追跡。2030年までに脱炭素化することを要請する。

Appleは2020年以降、企業運営においてカーボンニュートラルを達成しているが、新たな目標では、販売されるすべてのAppleのデバイスについて、2030年までに気候への影響をネットゼロにすることを目指す。

そのため、世界中のサプライチェーンと協力し、Apple関連の事業活動でカーボンニュートラルを実現するための行動を加速するよう求める。Appleはサプライヤーに対し、Apple製品の製造に関連する排出削減に向けた進捗状況の報告を求め、毎年の進捗状況を追跡・監査。脱炭素化に対して緊急性を持って取り組み、一定の進展を遂げているサプライヤーと協力していく。

また、クリーンエネルギーを優先し、温室効果ガス排出に対処することをサプライヤーに促す。コーニングや日東電工、SKハイニックス、TSMCなどの主な製造パートナーは、全てのApple製品の製造に100%再生可能エネルギーを使うことを確約している。

アップルのティム・クックCEOは、「気候変動との闘いは、Appleにとって引き続き最も緊急性の高い優先事項で、その言葉を実行に移したもの。サプライヤーと協力して2030年までにAppleのサプライチェーンをカーボンニュートラルにすることを待ち望んでいる。気候変動に対するAppleの取り組みをAppleだけで終わらせず、より大きな変化を起こすための波及効果を生む決意をしている」とコメントしている。

再生可能エネルギーの調達も強化する。Appleは2018年以降、44カ国にあるオフィス、直営店、データセンターの電力をすべて再生可能エネルギーでまかなっており、Appleのサプライヤーは世界中で10ギガワット以上のクリーン電力を調達している。この進捗状況にもとづき、30メガワットから300メガワットの範囲のプロジェクトで、ヨーロッパにおいて大規模な太陽光および風力プロジェクトの建設を進める。計画されている投資を合わせると、電力網で新しい再生可能エネルギーが年間3,000ギガワット時増えることになる。

ヨーロッパでの投資は、カーボンフットプリントの約22%に相当する、ユーザーがデバイスを充電するために使う電力に対処するための、Appleの戦略の一環としている。

またAppleは、ユーザーがApple製デバイスを充電するために使う電力に対応するため、テキサス州ブラウン郡にある大規模なソーラープロジェクトを含め、米国とオーストラリアで再生可能エネルギーに投資してく。

テキサス州ブラウン郡にある大規模なソーラーパネルプロジェクト

さらに、米国のユーザーは、「クリーンエネルギー充電」を使ってiPhoneのカーボンフットプリント削減に関与できるようになる。米国でiOS 16を通じて10月から利用可能になった新機能は、充電が予想される時間帯の電力源を調べ、太陽光や風力など、よりクリーンなエネルギーが電力網で使用されている時に充電するよう最適化する。