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空中ディスプレイが続々登場 CEATEC 2022
2022年10月17日 21:16
10月18日~21日にかけて、千葉県の幕張メッセで最新技術・サービスの展示会「CEATEC 2022」が開催される。これに先立ち、報道関係者向けのプレビューが実施されたほか、優れた展示製品・サービスを表彰する「CEATEC AWARD 2022」も結果が発表されている。
このCEATEC AWARD 2022の各部門賞では、エッジAIモジュールなどと並んで京セラの「空中ディスプレイ」、アルプスアルパインの「ステルス空中インターフェース」という非接触の表示デバイスが2つも賞に登場している。これはコロナ禍を経て“非接触”へのニーズが高まり、研究開発中だった技術に追い風となって、各社が次々と実用化にこぎつけたという背景がある。いずれも使われ方などを想定した展示がされており、近い将来に街中で見かけるようになるのでは? と期待を抱かせてくれる内容になっているのが印象的だ。
京セラ 高精細 空中ディスプレイ
京セラの「高精細 空中ディスプレイ」は、独自のミラー配置と光学設計で、クッキリと高精細な像を空中に浮かび上がらせるのが特徴。開発中で初出展となる。利用者はディスプレイの正面に立つ必要はあるが、視差を利用しているわけではないため、頭が左右に少し動いたぐらいでは影響を受けずに、しっかりと像を見られる。
飛び出し距離が長いのも特徴で、デモではディスプレイから30cm手前に表示する展示もあった。手の動きを捕捉するモジュールを取り付ければ、浮かび上がった映像を指先で回転させたり、ピンチイン・アウトで拡大・縮小する表示も可能。
デモにもあるように、指輪を隅々まで立体的に見られるといった店頭向けの用途のほかにも、車載やアミューズメント施設、教育、医療など応用分野は幅広い。机に埋め込んで、レストランの案内を表示させるといったことも可能という。空中に浮いて見える映像は単純に面白く、実用性だけではない魅力もありそうだ。
アルプスアルパイン ステルス空中インターフェース
アルプスアルパインは、2025年に量産開始を予定するという「ステルス空中インターフェース」を展示している。ボタンなどが斜めにやや浮かんだような表示で、浮いて見えるボタンに空中で触れるとボタン操作が行なえる。
店頭のレジや案内板といった、多数の人が使用する場面で、衛生的に使えると謳うもの。視認性が良く、視野角も広げたほか、ディスプレイ表示面は加飾印刷などでデザインの自由度を高めている。
シャープ 非接触バイタルセンシング
シャープはバイタルセンシングについていくつか展示する中で、「非接触バイタルセンシングソリューション」を展示している。これは空中ディスプレイではないが、非接触のニーズが高まったことを受けて、従来から進めていた技術開発をさらに進めているという。カメラや赤外線センサーを活用し、顔を撮影するだけで、脈拍や血圧などのバイタル指標を最短5秒で測定できるという技術になっている。肌の表面を高精度に読み取ることで推定するほか、血圧など従来は肌に触れて測定していたところを、触れずに測定できるようになるのが特徴。
デモでは、小さな穴を開けてカメラを内蔵した鏡を用意、透過表示で計測結果も表示できるようにして、日常生活の中で気軽にバイタル指標を取得できるようにするといった利用シーンが紹介されている。