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ビックカメラが「宅配水」に参入。リアル接点でくらし応援

ビックカメラグループのビックライフソリューションは、自社ブランドによる宅配水サービス「puhha(プッハ)」を9月1日より開始する。

山梨県の富士吉田市に総工費26億円をかけた採水工場を建設。自社開発のウォーターサーバーにより宅配水サービスに新規参入する。

puhhaウォーターサーバー

利用料金は、宅配される水の代金のみで、入会金や月額利用料等は不要。料金は9.5L×2本で3,350円。飲みきれない場合は60日未満までなら無料でスキップが可能。ただし、申込み3年未満で解約する場合は14,300円の手数料がかかる。購入金額にはビックポイントも付与される。

自社開発のpuhhaウォーターサーバーは、マットホワイト、マットブラックの2色展開。本体サイズは290×300×1,220mm(幅×奥行き×高さ)、重量約17kgとスリムなデザインとした。操作パネルはあえて高い位置に設置し、幼児などの視界に入らないよう配慮。水のボトルは1つ9.5Lで、設置時に誰でも持ち運びやすい重量としている。

操作パネル
ウォータータンク
カバーを外したところ。タンクは持ち運びがしやすいサイズとした

水温は90℃、80℃、70℃、弱冷、冷水の5段階を選択可能。吸水ボタンを押すと出水口のLEDランプが光り、夜間でも水を注ぎやすい。

吸水ボタンを押すとLEDが点灯し、夜間でも利用しやすい

配送エリアは関東を中心とした26都府県。ビックカメラ37店舗、コジマ123店舗や公式ホームページから申込みが可能。配送エリアは順次拡大予定。

水は、富士山の麓である富士吉田市に建設した採水工場により、地下200mからくみ上げられる富士山の天然水(軟水)。70年以上の年月をかけて天然の玄武岩地層を通り抜けてつくられたミネラルウォーターとしている。工場は延べ床面積8,361m2で、9.5Lの宅配水用ボトルを月間80万本生産可能。また、富士吉田市とは、地下水活用事業における積極的な地域市民の雇用などの協定も結んでいる。

サービス開始を記念して、9月1日~11月30日までビックカメラ・コジマ店頭で契約すると最大5,000円相当をプレゼントするキャンペーン等も行なう。

リカーリング事業で収益構造を変革

9月1日に新社長に就任したばかりのビックカメラ代表取締役社長 秋保徹氏は、ビックカメラの成長戦略について「既存事業の進化と深掘り」「新規事業の展開」の2軸であると説明。宅配水サービスはリカーリングサービスの新事業として展開する。

ビックカメラ代表取締役社長 秋保徹氏

リカーリングとは、商品を販売して終わりではなく、販売後も顧客と継続的に繋がり参入するビジネスモデル。リカーリングサービス開発の背景としては、家電小売市場が10年近く横ばいであることや人口減少、消費ニーズの変化、新型コロナの影響などの影響により、収益構造の変革が急務だったことをあげる。

同社は元々、リカーリングサービスとしてソフマップのデジタル製品のサービスサポートや修理・買取などを展開しているが、水を新たな事業として選択した理由については「水は暮らしに不可欠。リーズナブルな価格でおいしい水を提供することで、より豊かなくらしを応援したい」とし、さらに「宅配水市場規模は年々拡大し続け、2021年の市場規模は1,816億円、成長率は約105%になる」と、期待をよせている。また、ビックカメラには販売員がいることが強みとし、客とリアルでの接点を持てるのは最大のメリットとした。同社は今後、宅配水事業において5年以内での黒字化を目指す。

記者会見にはお笑いコンビのティモンディと、俳優の松本若菜さんらが応援団として登場
お笑いコンビ「ティモンディ」
俳優の松本若菜さん