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EV無料充電やひっ迫時の”放電”でPayPayポイント 日産ら8社が充電シフト事業

日産自動車など8社は、「ダイナミックプライシングの実用化に向けたEV・PHEV向け充電調整実証事業」を、6月9日から2023年2月17日まで実施する。経済産業省が公募し、環境共創イニシアチブから「令和4年度ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」として採択されたもの。EVなどの充電時、電力単価が安い時間帯に充電してもらうことで電力を無料にしたり、充電した電力は、電力需要が高い時間には放電してもらうことでPayPayポイントを付与するなどの取り組みを行なう。

将来のEV・PHEVの電動車普及にともない、充電時間帯の集中による電力系統への負荷増大を軽減するため、電力負荷の低減や平準化を目的とし、電力需給状況等に応じて電気料金が変動するダイナミックプライシングによる効率的な充電時間のシフトを検証する。

ダイナミックプライシングを導入することで、電動車を活用した効率的な電力システムの構築や再生可能エネルギーの拡大、調整力の確保、系統増強を回避することによる社会的コストの低減などにつなげることを目指す。

実証では、充電対象日の前日に、日本卸電力取引所(JEPX)の電力量単価で最も安い時間帯の4時間をEV・PHEVへの充電無料時間として、実証に参加するユーザーにメールまたは「EV充電シフト実証」LINE公式アカウントから通知。ユーザーは通知された対象時間帯にEV・PHEVに充電することで、充電電力量料金が無料になる。

また、一部の車両を対象に、アプリによる遠隔制御サービス提供の仕組み作り検討や、新たに需給調整市場に連動し、「放電」してもらうことでユーザーにPayPayポイントの付与を実施。将来的にEVを活用した調整力の仮想取引の実現性を検証する。

実証の対象エリアは東京電力・東北電力・中部電力・関西電力・四国電力・九州電力の管轄エリア。参加企業は、MCリテールエナジー、五島市民電力、SBエナジー、シェルジャパン、REXEV、三菱自動車工業、日産自動車、三菱オートリースの8社。