ニュース

壁に掛けるアレクサ。アマゾン「Echo Show 15」と日本の壁掛け

壁掛けできるAmazon Echo Show 15

アマゾンは、15.6型のフルHDディスプレイを“壁掛け”できる新しいスマートディスプレイ「Echo Show 15」を4月7日より発売した。価格は29,980円。

5型/8型/10型と展開してきたEcho Showシリーズの最新・最大サイズで、大画面を活用し、多くの情報やコンテンツを表示できる新しいウィジェットを搭載。音楽や動画など、Echo Showシリーズの“エンタメ”機能に加え、家族間での情報共有など“コミュニケーション”の役割を強化した点が特徴となる。

Echo Showシリーズは5~15型の4モデル展開に

ディスプレイは、15.6型/1,920×1,080ドットのフルHD。15型の画面サイズは、ノートPC用でも見慣れているはずだが、Echo Show 15は“枠”もそれなりにあるため少し大きく感じられる。Alexaによる音声操作のほか、ホーム画面は、共有カレンダーや買い物・ToDoリストの管理、食事のアイデア探しなど、家庭内の情報を整理して表示できるAlexaウィジェットを表示可能で、ウィジェットは“タッチ“でも操作できる。

スマートホーム機器の操作や荷物の追跡、家族へのメモ、ビデオ通話なども可能。また、Prime VideoやNetflixなどの動画再生やAmazon MusicやSpotify、Apple Musicなどの音楽サービスにも対応するなど、Echo Showシリーズの基本機能はほぼ継承している。なお、HDMIなどの外部入力端子は備えておらず、パソコンのディスプレイとしては利用できない。

また、「縦位置」での表示にも対応し、画面を回転させると自動でホーム画面が縦/横で切り替わる。そのため、設置したい場所にあわせた表示が行なえる。

どうする日本の壁掛け事情

Echo Show 15の国内展開で気になるのは、日本で「壁掛け」という文化があまり定着していないこと。Echo Show 15は標準で壁掛け金具が付属し、壁掛けを前提とした商品となっている。

一方、日本においては「賃貸住宅で壁掛け用の穴を開けにくい」といった声が多く、薄型テレビの例でも、欧米よりも壁掛けの比率は低い。“壁掛け”が定着していない日本においては、商品性が「響きにくい」という懸念は残る。

Echo Show 15の付属壁掛け金具
ネジで壁に固定する

そうした点はアマゾンでも認識しており、別売の「Echo Show 15専用スタンド」(3,980円)を用意しているほか、日本独自でEcho Show 15専用の「壁美人壁掛け金具」(3,480円)を設定した。

壁美人壁掛け金具は、ホッチキスを使って石膏ボード壁にEcho Showを取り付け可能にするもの。本製品付属の専用針を32本打ち込んで、金具を固定できる。取り外しはホッチキスの針を抜くだけで、壁の穴あとも目立ちにくいという。硬い壁には設置できないが、一般的な石膏ボードであれば問題なく使えるとする。

アマゾンでは日本市場のニーズも調査しながら、準備を進めてきたという。なお、標準の金具も、壁美人壁掛け金具のいずれも、Echo Show 15の縦/横設置に対応する。

また。「Echo Show 15専用スタンド」(3,980円)も用意。こちらを使うと、従来のEcho Showシリーズに近いイメージでのテーブル設置などに対応できる。横向きだけでなく縦向きでの表示ができるほか、上下/左右のチルト機構も備えており、好きな向きに固定できる。価格のわりにしっかりとした作りで、設置の柔軟性も高い。

なお、壁掛けできない場合、スタンドが無いとEcho Show 15の設置は不安定で使いづらくなってしまう。購入前に事前に設置シミュレーションを確実にしておきたい。

また、Echo Show 15はバッテリーを搭載しておらず、ACアダプタを接続する。ACアダプターのケーブル長は1.5mで、これで足りない場合に備えて、1.8mの延長コードも販売されている(1,780円)。

ビジュアルIDで家族ごとに情報が変化

画面サイズを活かして「フォトフレーム」としても利用可能で、Amazon Photoの画像をフルスクリーンで表示できる。

Echo Show 15には、5メガピクセルのカメラも搭載。カメラを使ったビデオ通話も可能となっている。また、「ピクチャー・イン・ピクチャー」にも対応し、画面上でレシピを確認しながら、子ども部屋に設置されたカメラを通じて子どもの様子を見守れる。

ユニークなのは、カメラをユーザーの「認識」にも活用すること。アマゾンではこの機能を「ビジュアルID」と命名している。

カメラを通じてAlexaがユーザーを認識すると、ユーザーに合わせてウィジェットに表示される情報をパーソナライズ。その人向けのカレンダーや家族からのメモなどを表示できる。

ビジュアルIDが真価を発揮するのが「音楽」。認識した人の再生履歴やプレイリストを表示するため、父と娘、叔母など家族それぞれの再生履歴をウィジェット上に表示できるようになる。ビジュアルID対応の音楽サービスは、現時点ではAmazon MusicとSpotifyとなる。

なお、ビジュアルIDは事前に設定が必要で、「アレクサ、私の顔を覚えて」と話しかけ、画面の指示に従って設定を進める。[あなたのプロフィールと家族]を選択から、設置したい人を選び、[ビジュアルID]を選択すると、カメラで顔登録が行なわれる。マスクをしていても顔の登録や認証は可能という。

Echo Show 15では、クアッドコアプロセッサーの「Amazon AZ2」を搭載。従来、Alexaの処理はクラウド上で行なわれていたが、多くの処理をデバイス上で完結できるようにしており、ビジュアルIDもデバイス上で完結する。

ビジュアルIDは、Echo Show 10/8でも近日導入予定。また、プライバシーに配慮し、利用の有無はユーザーが選択できる。カメラを使いたくない場合は、カメラカバーで物理的にカメラを塞ぐこともできる。

大きな画面でPrime Video

Echo Show 15に最適化したウィジェットとして「クックパッド」が対応。今後も対応ウィジェットを増やしていく予定だが、発売時点では12種類となる。

Prime VideoやNetflix、Paraviなどの映像配信サービスにも対応。YouTubeは専用アプリではないもののブラウザ経由で利用でき、Alexaによる検索にも対応。タッチパットを使った操作も可能となる。なお、Echo Show 15ではステレオスピーカーを搭載しているが、縦位置で設置した場合は、上下のスピーカーからのモノラル再生となる。

壁掛け大画面、Amazon「Echo Show 15」触ってみた

エンタメ機能を発展させながら、家族との情報共有という新たな提案を盛り込んだEcho Show 15。機能や活用シーンは豊富なだけに、よく使うシーンの見極めや最適な設置場所選びが重要になりそうだ。