ニュース

日清とサッポロが共同輸送。即席麺とビールを1つのトラックで運ぶ

日清食品とサッポログループ物流は、即席麺とビールを組み合わせた共同輸送を、3月2日より静岡~大阪間で開始する。

日清食品とサッポロはともに、静岡県焼津市に生産工場を持つ。このことから、静岡~大阪間の輸送において、往路は両社の製品を混載し、復路は空き容器や空きパレットを混載する「ラウンド輸送」のスキームを確立した。

サッポロのビール樽は重量貨物であることから、これまで往路においては最大積載重量まで積載しても、荷台上部にスペースができていた。一方、日清食品の即席麺は軽量貨物であることから、荷台の容積一杯まで積載しても積載可能重量に余裕があった。また復路では空き容器や空きパレットなどをそれぞれ輸送していたが、両社とも往路に比べて貨物量が少なく、満載にするのが難しいケースがあった。

実施前

こうした問題の解決に向けて両社で実証試験を重ね、往路では両社の製品の種類や数量の組み合わせを調整し、復路ではサッポロの空き容器と日清食品の空きパレットを混載することで、積載率を高めながら100%の実車率を実現するラウンド輸送のスキームを確立した。

実施後

なおラウンド輸送とはトラックに積み込んだ貨物を目的地で降ろした後、別の貨物を積み込んで出発地まで帰ってくることによって、空車回送区間をなくし、車両の配送効率を高める輸送形態のこと。実車率とは輸送効率の指標の1つで、トラックが走行した距離のうち、実際に貨物を積載して走行した距離の比率のこと。

積載方法について具体的には、往路では一部のビール樽を日清食品の即席麺に置き換えて満載にすることで、重量面と容積面の双方でほぼ100%の積載率を実現する。復路ではサッポロの空き容器などで満載にできない場合、空いたスペースに日清食品の空きパレットを積載することで、積載率を高めて運行する。

共同輸送により、両社が個別に輸送していた従来の方法との比較で、トラック使用台数約20%減少、CO2排出量年間約10t削減を見込む。