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“これから赤ちゃんを預けて眠りたい”を叶える産後ケア施設。助産師常駐

通所型産後ケア施設「zeroplace supported by NESCAFE」

zeroplaceは、助産師が常駐するラウンジ併設の通所型産後ケア施設「zeroplace supported by NESCAFE」第1号を、ネスレ日本のサポートのもと沖縄県浦添市にオープン。10月14日より本格営業を始める。今後については、全国展開も視野に入れている。

子育て家庭をサポートする産後ケア施設。ベビー預かりや仮眠、育児相談などができる「ミッドワイフエリア」と、子供と一緒に過ごせる「ラウンジエリア」を用意する。1歳未満の赤ちゃんとその両親が利用可能。同時に預かれる赤ちゃんの数は4人まで。ベビー預かりは助産師のほか、助産師から指導を受けた看護師・保育士が担当する。

ベビールーム
親用の仮眠室

ミッドワイフエリアでは、ベビー預かりのほか全身オイルマッサージ、育児相談、乳房ケア、授乳介助、沐浴指導、骨盤ケアなどを利用可能。乳房ケアは、授乳中の母親に多い「母乳が乳腺で詰まって痛い」、「母乳の分泌を増やしたい」という要望に応えるケアサービス。授乳介助は、赤ちゃんが飲んだ母乳量の測定や授乳姿勢の確認などができる。

予約方法は、スマホアプリから当日予約ができるベビママサポートと、自治体の行政委託産後ケア事業として利用する場合の2パターンを用意。

ベビママサポートとして利用する場合の料金は、ベビー預かり&仮眠室利用が3,000円/2時間、全身オイルマッサージが9,000円/50分、育児相談が2,000円/30分。予約は専用アプリ「Trange(トランジ)」からでき、利用の3時間前まで受け付けている。

ベビママサポートとして利用する際の料金体系
予約画面

行政委託産後ケア事業として利用する際の料金は、3時間コースが1,000円、6時間コースが2,000円。コースの時間内で、ベビママサポートと同じサービスを受けられる。

なお行政委託産後ケアとしての利用は、現在浦添市民のみ可能。申込方法はまず浦添市保険相談センターに電話し、浦添市こども家庭課に相談、審査後に日程調節が行なえる。このほかの自治体との連携は今後検討していく。

行政委託産後ケアとしての利用は、現在浦添市民のみ可能

ラウンジエリアはフルフラットで、赤ちゃんと一緒にパートナーや家族、友人と過ごせる。座席はすべてヨギボーのビーズソファで、ゆったりとくつろげる。ドリンクコーナーもあり、ネスレのカフェインレスコーヒーをはじめとしたコーヒーメニューを自由に楽しめる。

専用アプリ「Trange」では、ラウンジエリアの残席確認もでき、施設内の混雑状況を把握した上で来店可能。QRコードを使用したキャッシュレス決済による、利用料の支払いにも対応。決済には別途クレジットカードの設定が必要となる。

ラウンジエリア

気軽に使える産後ケア施設を

施設オープンの背景として、核家族化やライフスタイルの変化により1人で子育てをする人が増えたことを挙げている。また2020年からは、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、「育児関連の催しが中止・縮小された」、「ほかの子育て中のママ・パパと交流できない」など、より孤独や育児への不安を抱える人が増えたと言われており、zeroplaceではその課題解決を急務と捉えた。

zeroplace代表 島袋 綾香氏は、沖縄県浦添市出身の助産師。沖縄県内の大学病院で周産母子センター産科・NICUに勤務後、大阪府の市立病院で出産後の母親と父親のケアに従事していた。島袋氏は通所型の産後ケア施設を立ち上げたことについて、以下のように語った。

「産後ケアでは、赤ちゃんを預かってお母さんが休む時間を作ったり、初めての授乳で不安を抱える人に授乳のやり方を教えたりします。日本の産後ケア事業は現在、行政から委託を受けた病院や助産院で行なわれています。私も大阪の市立病院で産後ケアに携わっていましたが、コロナ禍で通常の病院業務と産後ケア事業を同時に行なうことに限界を感じ、助産師常駐の産後ケア専用の施設を開設することを決意しました。民間の産後ケア施設もありますが、助産師が常駐する点もzeroplaceの特徴です」

産後ケア事業は主に3パターンあり、「宿泊/訪問/通所」に分かれる。しかし、産後ケアを利用したい層からは「とにかく気分転換をしたいから外に出たい」「もっと気軽に利用したい」という声が多くあった。

zeroplace代表 島袋 綾香氏

また自治体を通した予約が必須となるため、利用方法がわからない、そもそも産後ケアサービスを知らないという意見もあった。

島袋氏は「気軽に利用したいという声に寄り添いたかったので、通所型にしてラウンジも併設しました。沖縄県の実情として、合計特殊出生率が都道府県別で47年連続1位ながらも、離婚率が高くシングルマザーが多くいます。また離島県であるという特色から、移住者は家族からの支援が受けづらいという背景もあります」と話す。

ネスレ日本はカフェマシンの設置や空間づくりのアドバイスなどを行なった

施設オープンのサポートをしたネスレ日本には、島袋氏から相談を持ちかけた。

「カフェラウンジを併設するために、実店舗の運用実績があるネスレさんに相談し賛同してもらいました。カフェマシンの設置から空間作りのアドバイス、ヨギボー設置のアドバイスなどをいただきました」

所在地は、沖縄県浦添市牧港1339 田中ビル2階。営業時間は9~18時。定休日は木・日曜。駐車場料金は無料で、乗用車4台分を用意。