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金融庁、暗号資産巡るトラブルに注意喚起

金融庁と消費者庁、警察庁は、インターネットで電子的に取引される「暗号資産」をめぐるトラブル等について注意喚起を行なった。SNSやマッチングアプリなどを通じ、取引や暗号資産の交換と関連づけた投資をきっかけとしたトラブル等が相次いでいるという。

2022年4月からは成年年齢を18歳に引き下げる民法の一部を改正する法律が施行され、18歳及び19歳は「未成年者取消権(未成年者が親の同意を得ずに契約をした場合に原則として契約を取り消すことができる)」を行使できなくなり、悪質商法等の消費者被害に遭う懸念がある。こうした背景をうけ、同庁は、トラブルの典型事例や注意点などを公開した。

2020年度に寄せられた消費相談の典型例としては、「絶対に儲かる」と持ちかけられてセミナーやSNSを通じた勧誘に応じてアプリを入れ、投資をしたものの、返金・出金ができないケースや、知人に暗号資産を勧められ振り込んだが、出金するために追加費用が必要だと言われるケース、海外を含む無登録事業者により「海外業者へ投資すれば高利益が得られる」と勧められて投資をしたものの、その後出金などができなくなり連絡先も分からないケースなどがある。

金融庁らは、暗号資産を利用する際の注意点も紹介。暗号資産は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではなくインターネット上でやり取りされる電子データであることから、価格が暴落する可能性があることを改めて強調した。

また、暗号資産交換業者は、金融庁・財務局への登録が必要で、利用する際は登録を受けた事業者か確認すること。事業者が金融庁などから行政処分を受けていないかなどを含め、取引内容やリスク(価格変動リスク、サイバーセキュリティリスク等)について事業者から説明を受け十分に理解するよう呼びかけている。

その他、ウォレット等でパスワードを設定する際は、IDと同じものや名前、生年月日など予測が容易なものは避け、他のWebサイトとは同じものは使わないなど、パスワードを利用する際の基本的な注意事項についても改めて確認している。

トラブルに巻き込まれた場合は、暗号資産を含む金融サービスについては、「金融庁 金融サービス利用者相談室」。不審な電話等を受けた場合は「消費者ホットライン」または警察相談専用電話などに相談してほしいとしている。