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セイコー、視覚障害者向け音声デジタルウオッチを11年ぶり刷新

SBJS015

セイコーウオッチは、視覚障害者に向けた音声デジタルウオッチを、インクルーシブデザインの考え方に基づき11年ぶりに刷新。12月11日に発売する。価格は17,000円。

インクルーシブデザインとは、年齢や能力に関係なく幅広いのニーズを反映し、製品やサービスを考案していくデザイン手法のこと。国際的に高齢者や障害者の社会参加が進んでいる近年において、重要性がさらに高まっているという。

今回は、視覚障害者団体へのヒアリングを実施し、アクティブなスポーツシーンにも使いやすいモデルをラインアップに加えた、「SBJS013」、「SBJS015」、「SBJS016」の3モデルを展開する。

(左から)SBJS013、SBJS015、SBJS016

音声デジタルウオッチは、ボタンを押すことで音声が流れ時刻がわかるほか、アラーム時刻、ストップウオッチの経過時間なども音声で通知。時刻修正を行なう際にも音声で案内する機能が備わっている。

ヒアリングから、ブラインドマラソンやウォーキング等のスポーツを楽しむ人が多いことがわかり、SBJS015/SBJS016では腕なじみの良いシリコンバンドを採用。シリコンバンドの内側と剣先をスリット形状にすることにより、運動中のバンドのズレを防止する機能を持たせている。SBJS013のバンドはステンレススチール。

デザインは、「おしゃれで使いやすい時計を着けたい」というリクエストに応えるため、シンプルな円錐型のケースを採用。4時位置に溝を設けてスピークボタンを判別しやすく、それ以外のボタンにはガードを設けて誤作動を防止する仕様に改良している。

全モデル共通で、ケースサイズは41×14.1mm(外径×厚さ)。ケース素材はプラスチック。非防水。電池寿命は約2年。なお、あらかじめセットされている電池は、機能・性能をチェックするためのモニター電池。

セイコーの視覚障害者向け時計は、1939年から開発を開始しており、戦時中に負傷した軍人将校のために、開閉する蓋を設けた提時計タイプの触読時計を提供した。その後、1966年に初の腕時計タイプの触読時計、1979年に世界初のクオーツ式腕時計タイプの触読時計、1998年に初の音声デジタルウオッチを発売した。

1939年 提時計タイプの触読時計
1966年 初の腕時計タイプの触読時計
1979年 世界初のクオーツ式腕時計タイプの触読時計
1998年 初の音声デジタルウオッチ

またセイコーではバリアフリーウオッチとして、触読時計「SQWK033」等をラインアップしている。

SQWK033