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寺とホテルが一体化。三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺

三井不動産および三井不動産ホテルマネジメントは、「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」を9月28日に開業する。

「多聞山鐙籠堂浄教寺」との「寺院とホテルの一体開発」を実現した寺院共存型ホテル。白と黒を基調に古木をあしらった柱や、500年の歴史を誇る浄教寺由来の装飾品などを随所に配し、お寺の風情をまとうデザインと、美術館を思わせる優雅で静穏な空間を演出した。「朝のお勤め体験」等、浄教寺と連携した独自の企画も展開する。

建物の老朽化や後継者の不在、檀家離れなどの理由で、閉じざるを得ない寺院が少なくない中、ホテルと連携することで寺院再生の新たなモデルケースとする。

再建前の浄教寺

立地は、阪急京都本線「京都河原町」駅から徒歩約1分。史跡や老舗の連なる「寺町通」沿いに位置し、徒歩圏には四条河原町や先斗町、祇園がある。

コンセプトは「次世代に向けた寺のホテル」。寺を継承する使命や、京都の心でもある寺を身近に感じてほしいという“住職の願い”を形にした。インテリアデザイナーには、日建スペースデザインを起用。ホテル全体のインテリアのデザインコンセプトを「余白を大切にした、詰め込まない世界」とし、装飾華美とせず、空間全体に敢えて「余白」をつくることで、本来の美しさを際立たせる空間演出にこだわった。

次世代をコンセプトとしたデザイン

浄教寺の歴史を継承する伝統的な設えを、モダンに昇華した外構・外観デザインとし、エントランス前には浄教寺の象徴である高さ3mの燈籠を設置。ホテルに面した「寺町通」からは約40mの参道で接続される。外観の基壇部は、京都の伝統的な建築の意匠を継承した二段の屋根庇と、簾をモチーフとした格子、寺院ならではの庇の裏の垂木等により構成している。

外観デザイン
基壇部
エントランス
燈籠

ロビーには浄教寺由来の装飾品を随所に配置。ロビーと浄教寺の間には小窓を設け、法要や行事中以外は、ホテルから本堂内を観ることができる。

ロビー
ロビーと浄教寺の間の小窓
御本尊

そのほか、1階レセプションや2階エレベーターホールなど随所に浄教寺の収蔵品や装飾、歴史ある美術品を保存・展示している。

再建前の浄教寺において、本堂の柱を貫通する虹梁に装飾されていた「木鼻」(1階ロビー)
再建前の浄教寺で使用されていた装飾を陶器のレリーフ(制作:陶額堂)と組み合わせ、壁画アートとして構成したもの(1階レセプション)
本堂の南北両端に使用されていた獅子付き留蓋瓦(1階レセプションおよび2階エレベーターホール)

ホテルには、ミシュランガイドにも掲載された、福岡の和食の名店「僧伽小野」の県外初出店となる「僧伽小野 京都浄教寺」もオープンする。

所在地は京都府京都市下京区寺町通四条下る貞安前之町620番。鉄骨造一部鉄筋コンクリート造。地下1階、地上9階。客室は167室。

客室
男性浴場
女性浴場