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LINEが目指す「時間の共有」。ニューノーマルはテキスト→ビデオ

LINEは10日、新サービスやビジネス戦略を発表する「LINE DAY 2020 ―Tomorrow’s New Normal―」を開催。LINEの新機能やデリバリー、ID戦略、医療サービスなど多くの新発表を行なった。キーワードとしてDXとニューノーマルを掲げ、テクノロジーを使ってコロナ禍における新たなLINEの展開を発表した。

出澤剛社長兼CEOは、「今回のコロナは社会の変化点で、真の意味でのパラダイムシフト。より良い『New Normal』を作り上げるには、デジタルの力が大きな武器となり、『DX(デジタルトランスフォーメーション)」が本当の意味で重要になる』と述べ、コミュニケーションや食、決済、広告などの様々な領域でのニューノーマルをLINEが作っていくことを宣言した。

LINE出澤社長。「『10万円ください』というコメントがありますが、“澤”違いです。前澤さんとは違う人です」というジョークでLINE DAY 2020がスタート

LINEプラットフォーム企画統括の稲垣あゆみ氏は、コロナ禍におけるLINEの取り組みを紹介。ダイヤモンドプリンセス号の船内に提供された、iPhone 2,000台に相談窓口のLINE公式アカウントを友だち追加し、乗客のサポートを行なったことや、休校要請時の「学校プラン」の提供、厚労省との「新型コロナ対策のための全国調査」など多くの取り組みが行なわれた。

新型コロナ対策のための全国調査
LINEプラットフォーム企画統括の稲垣上級執行役員

また、コロナ禍でLINEの使われ方は変化し、「特にグループビデオコミュニケーション」が急拡大した。友だちや家族とのプライベートのコミュニケーションだけでなく、オンライン飲み会や、オンライン帰省、リモートワークなどでもLINEの利用頻度が大幅に拡大。「ビデオ」がコミュニケーションにより重要になってきている。

中でも大きな変化が、「オンライン上で共に居るだけ」という使われ方。

「数年前、高校生がただただLINEでつながっているという使い方が注目された。当時はわからなかったが、いまでは、雑談用につないだり、誰かの作業の様子を共有したり、当時の高校生のような使い方が自然と行なわれていることに驚く。目的や要件を済ませるだけでなく、はっきりした目的がなくても『時間を一緒にシェア』することがコミュニケーション。ニューノーマルのコミュニケーションの形が生まれている」と語る。

そのため、今後はLINEのビデオ通話を強化・拡張していく。

現在はトークルームでテキストやスタンプのコミュニケーションが主流だが、「今後はビデオ通話をメインにしながら、気持ちを伝えるために補助的にテキストやスタンプが使われる」と予想。顔を出したくない場合は、アバターを使ってコミュニケーションするといった機能を準備。「リアルタイムで時間を共有する」というコミュニケーションの形にあわせ、「皆が心地よいと感じられるLINEを目指す」とした。

ゲストに台湾のデジタル大臣オードリー・タン氏も登壇。LINE代表取締役CWO/Founder慎 ジュンホ氏と、テクノロジーと社会、行政のあり方について対談した