ニュース

NEC、ソーシャルディスタンスを可視化。既設カメラでも解析可能

NECは、新型コロナウイルス感染拡大防止で求められる「ソーシャルディスタンシング」を、リアルタイムで可視化する技術を開発した。駅や空港など公共施設で、人と人が十分な距離(2m)を保てているかを判定できる。特別な設定が要らず、既設の監視カメラの画像から判定が可能。

解析結果をデジタルサイネージなどで表示することで、公共施設などでの密集回避を促すソリューションを実現できる。

従来技術では、カメラに映った映像から遠近を求めるにはカメラごとに事前の調整が必要だった。今回の技術では、画像解析により映像ごとに俯瞰図を自動作成することで距離を計算できるため、事前の調整が不要。映像内の人物の大きさがまちまちな既設カメラの映像や、撮影済みの映像でも、場所と大きさの関係を計算し、人と人の距離を高精度に算出できる。判定は個人を特定しない状態で行なう。

さまざまな位置、角度で撮影された映像に対応可能なほか、広範囲の解析が可能なため、施設内だけでなく、屋外のオープンスペースに設置された映像も利用できる。

解析された映像では、カメラ映像中の人物それぞれに対して、半径1mの範囲を示す青い円を描き、円が重なっている場合には赤色で表示。赤色の円の割合を計算することで、ソーシャルディスタンシング指数(密集度)をリアルタイムで表示できる。これにより、施設の管理者や利用者に対してタイムリーに、ソーシャルディスタンシングを確保する行動を促せる。