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富士山の入山料をキャッシュレス化。クレカ、Suica、QR

富士山の吉田口登山道で、登山者が任意で支払う「富士山保全協力金」の支払い窓口にて、7月1日よりAirレジ・Airペイを導入。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済サービスでの支払いに対応した。富士山の山開きとなる7月1日には、メディア向けに、山梨県担当者、Airレジ・Airペイ担当者による説明を、富士山5合目にて行なった。

山梨県富士山総合管理センターに導入された端末

外国人はクレカ、日本人はSuicaが多い

富士山保全協力金とは、富士山の道、トイレの整備や安全対策、保全などを目的として登山者に協力を求めているもので、2014年より始められた。原則1人1,000円。厳密には入山料ではないため強制力はない。

富士山5合目からの風景。あいにくの天気だったが遠くに青空が見えた

Airレジはレジ業務がiPadまたはiPhoneで行なえるPOSレジアプリ、Airペイはカード、電子マネー、QRコード決済などに、専用カードリーダーで対応可能となる決済サービス。いずれもリクルートライフスタイルが提供している。

山梨県富士山総合管理センターにて決済をしている様子

Airレジ・Airペイは富士吉田市におけるキャッシュレス推進において採用されており、その実績、および使用できる決済方法の多様性から、山梨県が協力金での活用を検討し、採用に至ったとの説明があった。

キャッシュレス化の目的は、協力率の向上。2017年の協力率は56.9%にとどまっていることを受け、2018年に8月1日から16日の期間、5合目にてAirレジ・Airペイをテスト導入。安定的に使えることを確認し、2019年の7月1日から本格導入されたという。

協力金受付のためAirレジ・Airペイが設置されているのは、5合目の山梨県富士山総合管理センター インフォメーションセンター内と、6合目の富士山安全指導センター東側および西側。5合目取材時は、来訪者のほとんどが外国人だったが、聞けば日本人は6合目で支払う人が多いとのこと。なお昨年の入山者は7月から9月中旬の72日間で約15万人。

山梨県富士山総合管理センター

日本人と外国人の割合は、平日が7:3、休日が8:2がおおよその数字ではあるが、外国人観光客は増えてきていると説明。そして外国人にとって、両替が必要になる日本円のキャッシュで支払うことが、ハードルになるそうだ。

取材中も外国人を多く見かけた

協力金の受付で対応している支払方法は、現在は各種クレジットカード、Suicaなど交通系電子マネー、Apple Pay、QUICPay、iD、Alipay、WeChatPay。近日中にd払いに対応予定。

Suicaでの決済イメージ

テスト導入においては、外国人ではクレジットカードの利用が多く、日本人は交通系ICの利用が多かったと説明した。

リクルートライフスタイル Airシリーズ統括プロデューサーの林裕大氏(左)と山梨県 県民生活部 世界遺産富士山課 課長 土屋隆氏(右)

山小屋もキャッシュレス

吉田口登山道の山小屋8カ所のうち、6カ所がAirペイを導入。5合目から8合目に至るまで、キャッシュレス決済に対応しているという。

キャッシュレス対応している山小屋は、トモエ館、里見平 星観荘、日の出館、佐藤小屋、鳥居荘、鎌岩館、東洋館。今回の取材では、このうち佐藤小屋で話を聞くことができた。

佐藤小屋

佐藤小屋では、宿泊も食事もキャッシュレス決済に対応。ただし一部ドリンクなど現金のみで対応している物もある。導入したのは昨年からで、外国人は7割方クレジットカード決済、日本人は外国人に比べると多くはないものの、やはりクレジットカードで支払う人も増えていると教えてくれた。

佐藤小屋に設置された端末

【訂正】近日中対応予定の支払方法を「d払い、LINE Pay、PayPay」としておりましたが、LINE PayとPayPayが中止となったため、記事内容を修正いたしました。(7月3日17時40分)