ニュース

「ツイートから生活者が見える」。Twitterに見るユーザーの消費行動

Twitter JapanはTwitterにおける消費行動パターンについて、商品カテゴリごとのツイートの内容の傾向や、商品を知ってから買うまでの期間などの調査結果を説明した。

Twitterの性質は、他のSNSで見られる「自分を見てほしい」という「Look at me」ではなく、「コレを見てほしい」「コレが面白い」といった「Look at this」を中心にユーザー同士の会話が広がっていくことだという。

また、交わされる情報は、旬な話題・ニュースから地震速報、交通機関の遅延情報などリアルタイムな情報。他のSNSと比較した調査でも「リアルタイムな情報を知る場所」といった立ち位置にあるとしている。

Twitter Japan上級執行役員の味澤将宏氏は「カメラを止めるな!」に関するツイートを例に挙げ、「すごい」「面白い」といった好意的なツイートが多く、ネタバレをしていないという特徴から、視聴済みのユーザーの「是非観てほしい」という「Look at this」の特徴が出ていると述べた。

カメラを止めるな!に関連したツイート
Twitter Japan上級執行役員 味澤氏

このような性質を踏まえ、Twitterにおけるユーザーの消費行動パターンを調査。「発売」「欲しい」「買った」という3つのキーワードだけでも年間2.3億ツイート以上。さらにそこから会話が広がっており、Twitterは生活者の消費に関するリアルな行動や声がわかる場所としている。

アンケート調査などより、「Twitterで見かけた飲み物を買ってみようと思ったことがある」ユーザーは55%のほか、「Twitterにある情報は車を買う上で参考になる」と答えたユーザーが46%と、日用品だけでなく高級なものに関しても影響を与えている。また、検索も月間ユーザーの67%と全年齢層でよく利用されており、商品の情報収集にも活用されているという。

これらのデータから、他のSNSと比較しても、4,500万人(日本における月間アクティブユーザー数)の消費の実録があるTwitterは、消費行動において参考にされているプラットフォームとしている。

商材カテゴリ別のツイート数では、食品や衣類、日用品のツイートが多くみられ、家具家電、車、音楽フェスなどのイベントでは少なくなっていくことから、実際の消費頻度に近い傾向があると考察。

それらのツイートを「こんな商品が発売されていた」などの“認知”に関わるもの、「欲しい」「買いたい」といった“欲求”に関わるもの、「買った」「使った」などの“購買”に関わるもので分類。

冷蔵庫、洗濯機、電子レンジといった生活必需品は購買ツイートの比率が高く、スマートスピーカーやドローンなどの新しいカテゴリの製品は認知、欲求の比率が高い結果になったという。

さらにTwitterでは、認知、欲求、購買で分類したツイートから、認知から欲求、欲求から購買までの平均日数を出すことで購買に至るまでのプロセスを調査。

単価の低い無形商材は認知から購買までが短く、趣味趣向の表れやすい商材は欲求から購買が短くなる一方、高価格帯でサイズの大きい家具家電などは認知、欲求から購買までの平均日数が長めになるなど、購買頻度の高い物、低い物、検討に時間がかかるもの、価格差による間違えて買った時のリスクが高い物、低い物などの要素が表れているとしている。

なお、購入から感想までの平均日数は商材の種類に関わらず5日程度。

カテゴリごとの認知、欲求、購買のタイミングがわかることにより、商材によって、どのタイミングでどのようなメッセージを消費者に届ければ良いのか、戦略が立てられるとしている。とくに、従来の購買後のアンケート調査などでは消費者自身が覚えていないことが多い認知、欲求のタイミングを、Twitterでは記録されていることが、Twitterの情報の価値であるという。

また、プロセスごとに購買の意思決定に関わるポイントが変わることもわかったという。スマホ・タブレットの例では、認知のタイミングで価格や使用感が重視される傾向にあるが、欲求のタイミングでは、見た目や音質・画質が上位に。最終的に検討や購買のタイミングになると、音質・画質のほかにバッテリーの持ちや、再度価格が重視されるとしている。

これら意思決定に関わるポイントについても、情報を発信する企業側には有効な情報であるという。

Twitter Japanマーケット・リサーチディレクターの岡野雅一氏は、消費者自身が覚えていない情報を記録しているほか、それが本音、事実であることや、発言している人の属性もわかり、さらに調査から、段階に応じて必要な情報が違うこともわかったと述べた。従来のマーケティングデータにツイートデータを活用することで、消費の実態が明らかになり、これらをTwitter広告に活かすことで、ユーザーにとって必要な情報を必要なタイミングで届けることができるとしている。

また14日に発表した、Twitterカメラについても触れられた。写真や動画などのトピックをきっかけに会話をしてほしいという考えから会話欄の視認性を向上したという。PCでの表示では、大きく表示された写真が左にスライドし、右側にその写真についての会話が一覧で表示される。また、ツイートが表記されている部分のバックカラー(写真ではオレンジ)は自由に選べるという。

写真の右側に会話の一覧が表示。ツイートが表記されているオレンジの部分は、色を自由に設定できるという。