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JR東日本の駅構内で傘シェアリング実験。脱ビニール傘の新素材
2018年11月6日 15:52
TBMは、プラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」でプロトタイプの傘を製造し、JR東日本の駅構内においてLIMEXの傘を用いたシェアリングサービスのテストマーケティングを行なう。実施時期は2019年1月、実施場所は大宮駅が予定されている。
TBMは、LIMEXおよびLIMEX製品の開発・製造・販売を行なう企業。
LIMEXとは、炭酸カルシウムを50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料で、日本発の新素材。紙の代替としても、プラスチックの代替としても活用できる素材だという。
プラスチックの代替としては、従来のプラスチックの原料が石油由来樹脂100%であるのに対し、LIMEXは主原料が石灰石で、石油由来樹脂の使用量の削減が期待される。同時に、高効率でリサイクルできる再生可能な素材でもあり、シェアリングの際に傘の布地部分が破損した場合でも、回収し、マテリアルリサイクルが可能。リサイクルにより、プラスチックの廃棄問題にも貢献できるとしている。
シェアリングサービスの実施方法は、ユーザーが傘置き場を検索できる専用のアプリをインストールして、本サービスを利用することを想定。ユーザーは特定の傘置き場(ストック機)で、QRコード読み取りによりLIMEXの傘をレンタル、使用後には再度ストック機に戻すという流れになる。
テストマーケティングの結果を踏まえ、本格的な実施に向けて具体的な展開方法を検討。LIMEXの傘のシェアリングサービスを通じて、捨て傘の廃棄処理コスト低減に寄与、石油由来素材削減に貢献し、不法投棄等の社会課題の解決を目指すとしている。
JR東日本が運営する「JR東日本スタートアッププログラム2018」において、「アクセラレーションコース」に採択されたことを契機にスタート。ビニール傘は使用期間が短く、また電車内や駅構内においても大量の傘の忘れ物があり、廃棄に伴う膨大な費用と環境負荷が問題になっていることが背景にある。使い捨てされるビニール傘の既存サイクルからの脱却をJR東日本のエキナカから図っていくという。