2001年12月
『スナッチ』

『ターミネーター』

『グリンチ』

2001年11月
『キャスト・アウェイ』

『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』

『ショコラ』

『ゴッドファーザー』

スタンド・バイ・ミー』
2001年10月
『明日に向かって撃て!』

『羊たちの沈黙』

『バトル・ロワイアル』

アンブレイカブル』
2001年9月
『アラビアのロレンス』

『初恋のきた道』

『ペイ・フォワード』

クリムゾン・リバー』
2001年8月
『コヨーテ・アグリー』

『リトル・ダンサー 』

『ザ・セル 特別プレミアム版』

『火垂るの墓 -ほたるのはか-』

『17歳のカルテ コレクターズ・エディション』

2001年7月
『ダイナソー』

『宮廷料理人ヴァテール』

『グリーン・デスティニー』

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


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原題:
『CAST AWAY』

Cast&Staff:
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ウィリアム・ブロイルス,Jr.
製作:スティーヴ・スターキー/トム・ハンクス/ロバート・ゼメキス/ジャック・ラプケ
製作総指揮:ジョアン・ブラッドショー
撮影:ドン・バージェス
プロダクション・デザイナー:リック・カーター
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:トム・ハンクス/ヘレン・ハント/クリストファー・ノース/ニック・サーシー

販売メーカー名:
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
定価:3,980円(税別)
■ゴールデン・コンビの役者魂、監督魂


 作品賞、主演男優賞、監督賞、脚色賞など、アカデミー賞主要部門を総ナメにした『フォレスト・ガンプ/一期一会』から6年。ハリウッドのゴールデン・コンビ、ロバート・ゼメキス監督とトム・ハンクスが再び手を組み話題となったのが今回ご紹介する『キャスト・アウェイ』だ。

 世界宅配便のフェデックスに勤務するチャック・ノーランド。システム・エンジニアとして活躍する彼は、世界を飛びまわる忙しい日々を送っている。ある日、急な出張要請により彼が飛び乗った飛行機が墜落。なんとか一命を取り留めたものの、漂着した先は無人島であった。

 この作品が凄いのは、2時間を超える本編の大半をトム・ハンクスの一人芝居が支えているというところだ。その部分はまるで舞台のようである。ここまで見せ場が多いとなると、さぞ俳優冥利につきることだろう。ここはひとつ思いっきりオスカー級演技を堪能していただきたい。無人島でイライラするトム。気を取り直してココナッツを割ろうとするけれど、割れないトム。ふとしたことから道具を使うことを思いつくトム。黙々と火をおこすトム。魚を獲るトム。例のミスター・ウィルソンと話をするトムなどなど、とにかくいろんなトムが堪能できる。その様子はまるで人間の進化の歴史をひとりで辿っているかのようでもあり、人間の順応性の高さや逞しさ、そして知性を感じずにはいられない。それと同時に孤独との闘いの中で、生還への望みを持ち続けようとする男の姿が痛いほど切ないのであるが。

 『スプラッシュ』や『ビッグ』で見せたコミカルな一面もキュートだが、今やシリアス路線がすっかり板についたご様子のトムだ。オスカーに計5回もノミネートされ、うち2度は受賞しているという男版メリル・ストリープのような彼であるから、名優ぶりは世界が知っている事実。だが、それを生かすも殺すも監督次第というところに、このゴールデン・コンビ再結成の意味がある。トムの才能を完璧なまでに引き出したゼメキスは『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』シリーズ、『コンタクト』『ホワット・ライズ・ビニース』などを手がけたヒットメーカー。しかしその地位に安住することなく次々と映画の新しいスタイルを作ってゆくチャレンジングな姿勢は、若手のインディーズ監督なみである。今回見せた映画史上稀に見る長時間一人芝居の演出には思わず唸らざるを得ないだろう。豪華キャストを揃える傾向にあるハリウッドの映画制作に渇を入れているのだろうか。ここまで来ると作品の好き嫌いはもはや問題ではない。役者魂、監督魂に触れる1本として抑えておきたい映画である。

■裏話満載! メイキング映像で映画の神秘が見えてくる



 およそ25キロ。これは4年間の無人島生活の果てにすっかり痩せた主人公を演じるためにトムが落とした体重である。この数字には『ブリジット・ジョーンズの日記』で約6キロ太ったレニー・ゼルヴィガーも真っ青だろう。本作にとって“減量”が、成功の鍵を握る重要な要素であったことは、メイキングを見れば明らかだ。

 文明社会の中で生きていた人間が、ある日突然、文明のない無人島に流される。4年という歳月の中で、それまで大切にしてきた価値観が崩れ去り精神的に変化してゆく人間の姿を、説得力を持って描くために、主演俳優、脚本家、監督らがこだわったのが主人公の外見の変化であった。そのため撮影は14ヶ月にわたり一時休止され、この時トムは減量に入ったのだという。その他にもこの作品には特に興味深い裏話が多いので、特典映像は要チェックである。

 映画にはエピソードはつきものだが、ハードなスケジュールで行われたロケ撮影、自然条件との闘いもあって、とことん困難続きだったという。物語のテーマについてゼメキス監督は「どんな困難にぶつかろうとも乗り越える方法はある。たやすく克服できるとは限らないが、人生の神秘が見えてくるものだ」と語っている。ここにある“人生”という言葉を“映画”に置き換える変えてみると、監督のこの言葉こそが本作を語るに相応しいように思えてくる。撮影秘話を知れば知るほどなおさらだ。多くの人の力が集結し、数々の難題を克服し、バラバラだったアイディアがひとつの形になる。それも立派に神秘的な出来事なのだから。

 ところで、トム・ハンクスの愛妻の名前がリタ・ウィルソンであることをご存知であろうか。トムは本作の撮影を「サバイバルさながら」のハードさだったと語っているが、そんな辛い日々を乗り切ることができたのも、二人のウィルソンあってこそだったのかもしれない。



■片面2層
■画面サイズ:ビスタサイズ(16:9)
■収録時間:約144分
■音声仕様:
1,英語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンド
2,日本語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンド

 
■メイキング・ドキュメンタリー
■インタビューと撮影秘話
 トム・ハンクス インタビュー
 撮影秘話1:S.T.O.Pサバイバル術
 撮影秘話2:ウィルソンの誕生と最期
 撮影秘話3:ロケ地にて(島)
■特殊効果について
■ギャラリー
 ギャラリー1:撮影の舞台裏/ ストーリーボードと映像の比較
 ギャラリー2:ストーリーボード1&2
■予告編集
■音声解説(監督&製作スタッフ)


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