2001年12月
『スナッチ』

『ターミネーター』

『グリンチ』

2001年11月
『キャスト・アウェイ』

『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』

『ショコラ』

『ゴッドファーザー』

スタンド・バイ・ミー』
2001年10月
『明日に向かって撃て!』

『羊たちの沈黙』

『バトル・ロワイアル』

アンブレイカブル』
2001年9月
『アラビアのロレンス』

『初恋のきた道』

『ペイ・フォワード』

クリムゾン・リバー』
2001年8月
『コヨーテ・アグリー』

『リトル・ダンサー 』

『ザ・セル 特別プレミアム版』

『火垂るの墓 -ほたるのはか-』

『17歳のカルテ コレクターズ・エディション』

2001年7月
『ダイナソー』

『宮廷料理人ヴァテール』

『グリーン・デスティニー』

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


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原題:『DINOSAUR』
監督:ラルフ・ゾンダッグ/エリック・レイトン
製作:バム・マースデン
脚本:ジョン・ハリソン/ロバート・ネルソン・ジェイコブス
原案:ウォロン・グリーン
声の出演:D・B・スウィーニー/ジュリアナ・マルグリース/アルフル・ウッダード ほか

発売メーカ名:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
定価:4,700円(税別)
最新テクノロジーの粋がここに!

 公開当時、驚異のハイパー・リアル映像と騒がれ、世界中をあっと言わせた『ダイナソー』がいよいよDVD発売された。子供から大人まで、映像の素人から専門家まで、あらゆる人々が手元に置いて繰り返し観賞したいと思っていた作品ではないだろうか。
 
 この作品の魅力は何と言っても最新技術が駆使されたCG映像である。ストーリーは単純明快で明らかに子供向けではあるものの、最先端のデジタルアニメーションを堪能するという意味においては大人向け映像作品と言えるだろう。特に、オープニングシーンで初めて目にする恐竜たちのリアルな動き、生き生きとした表情には驚かされる。また、恐竜たちの視点で映し出される雄大な自然も息を呑むような美しさだ。この作品のユニークなところは、フルデジタル・アニメーションではなく、カメラで撮影された実在の風景とCGキャラクターを融合させたところにある。『ジュラシック・パーク』で、スクリーンに蘇った恐竜たちを見たときの感動を覚えているだろうか。まさにあの感動が全編を通して味わえるのである。だが、こう言ってしまうと別にめずらしくも無いように聞こえるだろう。正直なところ、実際に観るまでは「『ジュラシック・パーク』の人間が登場しないバージョンか」ぐらいにしか思っていなかったのだが、予想は遥かに裏切られた。細部にまでこだわって作られたキャラクターたちは、これまで観たどんな恐竜より生身の質感を持っていたのである。
 
 特筆すべきは恐竜たちの肌の質感、筋肉の動き、動作にあわせて揺れる脂肪などだ。この作品に登場する恐竜たちは、まず紙の上で描かれ、次に粘土で3D化される。その後やっとCG化されるのだが、ここからの工程がかなり複雑で、コンピューター上で骨が組まれ、筋肉、皮膚が貼り付けられるという新手法が採用されている。こうしてやっと恐竜たちが誕生するのだが、くわしい製作工程はメイキング映像でお楽しみいただきたい。“映像革命”の名に相応しい作品を作り上げた技術の数々に出会えることだろう。

デジタル技術とアナログ技術の融合

 今から6500万年前。白亜紀は地上最大の生物、恐竜たちの時代である。孵化する前に母親から遠く引き離されてしまった恐竜のアラダーは、キツネザルの家族に育てられ幸せに暮していた。ところが幸せな日々も突然終わりを迎える。巨大隕石の衝突により、平和な世界は焼き尽くされてしまったのだ。アラダーとキツネザル、そして生き残った恐竜たちは緑溢れる命の大地を目指し、移動を開始する!

 映画が始まるとすぐ、雄大な自然を背景にしたダイナミックなシーンが展開し、繁栄の頂点にある恐竜たちの様子が映し出される。ここで多くの観客は心を惹きつけられるはずだ。本作にはいくつかのハイライトシーンがあるが、冒頭の映像も最大の見所のひとつである。もうひとつのハイライトを挙げるなら、巨大隕石が襲ってくるシーンだ。炎に包まれた隕石が、海に、地上に衝突し、衝撃を引き起こすシーンである。実際、この2シーンは相当なこだわりを持って作られている。

 CGと実写を融合させた高度な技術が披露されるオープニングシーンには、世界5ヶ所で撮影された風景が登場している。ベネズエラ、オーストラリア、ハワイ、カリフォルニア、フロリダと、恐竜が最も住んでいそうな場所でロケが敢行された。その他のシーンでも、ヨルダン、西サモア諸島など1年半以上にもわたってロケをしていたというから、背景といえども真剣勝負。さらに、撮影された映像はそのまま使われるのではなく、繋げられ、そして時には組み合わされたというから驚くべき執着である。だからこそ恐竜が生きた世界が見事に創造されたと言えるのだが。

 また、隕石衝突のシーンには、本物の爆発映像が使われている。爆発によって生じた火の粉や煙を撮影し、コンピューターに取り込んで隕石落下のシーンに加えてゆくのである。ライブ・アクションの専門家も参加して、このような大掛かりな撮影が行われていたとは意外だ。『ダイナソー』のような作品では、つい最新技術ばかりが注目を集めてしまうが、実は、アナログな作業も多い。メイキング映像にはそんな意外な作業の数々が紹介されている。中でも個人的に気に入ったのは効果音収録の様子だ。恐竜の鳴き声は、意外にもあの動物の声をもとに作られていたり、足音にはこんな物音が使われていたりと、スタッフたちの創意工夫が伝わってきて楽しめる。

 このように、DVDに収録されたメイキング映像では、製作者たちのこだわりや、スタッフたちの見えない苦労が紹介されていて発見が多い。何でもデジタルで作り出せる時代であるにも関わらず、最新技術を駆使した作品においてもまだまだ人間の素手を使って生み出されるアナログ技術が活躍していることを知るのは、とても嬉しいことである。

これであなたも恐竜通?

 かつて地上に生息していた最大の動物、恐竜。人類が誕生するはるか昔に繁栄し、滅びていったこの生物を愛してやまない人は多い。その神秘性、悲劇性に惹きつけられるのだろうか。きっと映画『ダイナソー』を作りあげたのもそんな人々に違いない。その証拠に、恐竜のことをもっと知って! とばかりに、DVD特典として恐竜大事典なるものが収録されている。

 ところで、あなたは恐竜の名前をどのくらい知っているだろうか。この作品を観るに当たって、恐竜の名前を知らなくても困ることはない。だが、子供の頃にスーパーカーの名前を片っ端から覚えなければ気がすまなかったり、TV番組「ウルトラマン」に登場する怪獣の名前を全部知っていることで友達から尊敬されていた方々は、血が騒いでいるのではないだろうか。次々に登場する恐竜の名前はいったい何だろう、と。残念ながらここに登場するキャラクターたちは、アラダーだの、ニーラだの、プリオだのと名乗っており、映画を観るだけでは彼らの種類を知ることはできない。そこで、恐竜大事典に力を借りるわけである。主人公、アラダーのモデルはイグアノドンだとか、凶暴な小恐竜はヴェロキラプトルだとか解説をしてくれるのだ。子供向けに作られているので、かなり初歩的なことしか伝えられていないが、興味があるならこれをきっかけに本腰を入れて調べてみるのもいいだろう。夏休みの自由課題を手伝うという名目で、親子で恐竜にはまってみるのも楽しそうだ。作品に登場する恐竜は30種類。全部覚えられたら、子供たちから一目置かれる存在になるかもしれない。あの頃のように・・・。



■片面2層
■画面サイズ:ビスタサイズ(16:9)
       TVサイズ(4:3)
■収録時間:本編約82分
■音声仕様:
1,英語 5.1chサラウンド
2,日本語 5.1chサラウンド
 
■ メイキング・オブ・『ダイナソー』
■ゲーム「アラダーの冒険」
■ゲーム「恐竜をさがせ」
■恐竜大事典
■オリジナル版劇場予告編
■日本版劇場予告編


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