Mobile Central click Here
 

モバイルIndex
【2000/03/29】
ICカード公衆電話でモバイル
【2000/03/15】
Windows Media Playerを使ってみました(その2)
【2000/03/08】
Windows Media Playerを使ってみました(その1)
【2000/03/01】
指紋認証って、やっぱりカッコ良かった
【2000/02/23】
パームサイズPCを赤外線リモコンにしちゃおう
【2000/02/16】
やっぱりJornada690はポイント高いっす
【2000/02/09】
用途にあわせて最適なツールを選ぼう
【2000/02/02】
CEでプログラミング(その1 - PocketCをゲットしよう)
【2000/01/26】
赤外線通信のススメ
【2000/01/19】
電卓MANIAX
【2000/01/12】
CEからWindowsの共有フォルダにアクセス
【2000/01/06】
TCP/IPのトラブルを解消する
【1999/12/22】
オンラインソフトでWindows CEを武装しよう(ハンドヘルドPC編)
【1999/12/15】
やっぱりモバギはいいなあ
【1999/12/08】
SmallTweakでちょっとマニアックな設定に挑戦
【1999/12/01】
ポストペットの薦め―ペルソナ再び
【1999/11/24】
ペルソナ買っちゃった
【1999/11/17】
ActiveSync 最新バージョンをゲット
【1999/11/10】
オンラインソフトでWindows CEを武装しよう(パームサイズPC編)
【1999/11/04】
パームサイズPCで実現!どこでもMP3環境(その2)
【1999/10/27】
パームサイズPCで実現!どこでもMP3環境(その1)
【1999/10/20】
がんばれパームサイズPC
【1999/10/13】
ハンドヘルドPCを選ぼう
【1999/10/06】
Windows CEって何?



検索
5




週刊Windows CE通信

~ICカード公衆電話でモバイル~

 このところちょくちょく見かけるようになってきたICカード公衆電話。このICカード公衆電話には、赤外線通信インターフェイスが搭載され、赤外線ポートを利用して非接触でデジタル通信ができるようになっている。そこで、今回はICカード公衆電話を使った通信についてふれてみよう。


■ICカード公衆電話って何?

ICカード公衆電話
ICカード公衆電話

 ICカード公衆電話は、磁気カード公衆電話に代わる新しいタイプの公衆電話。1999年3月に東京近郊および大阪近郊で設置が開始され、1999年11月以降に政令指定都市、および県庁所在地都市を始め、全国に設置が開始された公衆電話だ。この公衆電話では、課金に従来の磁気カードを利用するのではなく、ICカードを利用する。

 さらに、公衆電話本体に、赤外線ポートを持ち、ISDNのTAとして利用することができる。ちなみに、従来のISDN公衆電話に赤外線ポートがついた公衆電話もある。赤外線ポート付きの公衆電話の方も、赤外線経由で公衆電話をISDNのTAとして使うことが可能だ。

 一般のISDN回線とTAを使った通信は、TAと通信端末の間はRS232Cなどのシリアルケーブルを使った通信が行なわれるが、ICカード公衆電話や赤外線ポート付きのISDN公衆電話では、公衆電話にTAが内蔵され、TAと通信端末の間は赤外線を使った通信を行なう。

 赤外線インターフェイスと公衆電話の間は112kbps、公衆電話からは同期64kbpsによる通信が可能だ。ちなみに、公衆電話自体は設定により2B通信。つまり、同期64kbpsによる通信をしながら通話もすることが可能だが、MPによる通信には対応していない。そもそも、赤外線によるシリアルの通信速度が112kbpsなので、たとえMPで通信できたとしてもムダになってしまうのだが…。なお、同期64kbps以外にもV.110非同期通信(9600bps、19.2kbps、38.4kbps)による通信も可能だ。


■CASSIOPEIA E-55で使ってみた

 そんなわけで、今回はCASIOPEIA E-55とICカード公衆電話を使ってインターネットに接続してみた。

 まずは、ダイヤルアップの設定。画面を見てもらえればわかると思うが、設定のポイントは、モデムの選択で「CASIO 赤外線通信(IrCOMM)」を選ぶこと、モデムの通信速度を「115200」にすること、追加設定に「S100=1」を入力すること、接続の設定で「市外通話としてダイヤル」をチェックすることの4つ。また、アクセスポイントの電話番号は、必ず同期64kbpsに対応した回線にして欲しい。追加設定の「S100=1」は必ず同期64kbpsで接続することを意味する。

設定画面1
設定画面1
設定画面2
設定画面2
設定画面3
設定画面3
設定画面4
設定画面4

 なお、ATコマンドの詳細については、「赤外線通信インタフェース付ISDN公衆電話機/ICカード公衆電話機 ATコマンド仕様書」(PDF)を参照して欲しい。

 ここまでで設定は完了だ。実際の接続の手順は、次のような感じだ。

 まず、公衆電話の「データ通信」ボタンを押し、ICカードを挿入する。ICカード公衆電話には上部と下部に2つの赤外線ポートがあるので、どちらかの赤外線ポートとCASIOPEIAの赤外線ポートとを対面に配置。公衆電話の赤外線ポートの通信可能範囲は上下左右15度以内、距離は約1mだ。あとは、通常のダイヤルアップと同じように接続を開始すればよい。正常に接続できれば、公衆電話の度数表示がカウントダウンされるハズだ。


■で、どうなの?

 さて、実際に使ってみると、ケーブルがないということだけで、かなり快適な感じがする。ただし、他人が見たら、かなり怪しい構図になるハズ。なぜならば、電話ボックスの中で受話器も上げず、そしてケーブルも接続せずに、ただぼーっとPDAを片手に立っているとしか見えないからだ。従来のISDN公衆電話を使ったネットワーク接続ならば、当然端末と公衆電話の間はモジュラーケーブルで接続しなければならないため、たとえ受話器を上げていなくても、「ああ、端末を使って通信しているんだな」と思ってくれるかもしれない。だが、赤外線通信の場合はモジュラーも何も接続されていないので、ハタから見ると「電話も使わずに公衆電話の前にたっているだけ」のように見えるのだ。

 携帯電話やPHSを使えば、どこでも通信ができるモバイル通信環境をカンタンに構築できる。「そんな時代なのに、なぜ今さら公衆電話」と思えるかもしれないが、真のモバイル野郎を自負するならば、通信手段は多ければ多いに越したことはないハズ。携帯電話やPHSのバッテリが切れてしまったときの保険として、IC公衆電話を使えるように設定しておくのもいいんじゃないだろうか?

 ちなみに、正式にIC公衆電話が利用できるとアナウンスされているWindows CE端末は、CASIOPEIA E-55以降のPs/PCとモバイルギアII。モバイルギアIIに関しては別途モバイルギアのホームページより、「IrComm設定ツール」を入手する必要がある。


◎関連URL
NTT東日本公衆電話インフォメーション
http://www.ntt-east.co.jp/ptd/
NTT西日本公衆電話インフォメーション
http://www.ntt-west.co.jp/ptd/

(広野 忠敏)
2000/03/29


お問い合わせ Mobile Central ホームページへ戻る