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週刊Windows CE通信

~やっぱりJornada690はポイント高いっす~

 まわりを見渡すと意外と多いJornada690ユーザー。人の持ち物と同じ物を持つのがキライだったりするアマノジャクな性格をしている筆者は、あえてJornada690を避けてきたのだが、ついにガマンしきれずに購入。やっぱりJornada690はなかなかイケてるマシンだったのだ。


■Jornada690ってどんなマシン?

Jornada690
Jornada 690

 日本HPから発売されているJornada690は、Windows CE Handheld PC Professional Edition 3.0が搭載されているH/PCだ。

 日本HPからリリースされている現行のH/PCは、HP620LX、Jornada680、Jornada690、Jornada820の4機種。それぞれ、HP620LXはWindows CE2.0搭載のモデル、Jornada680およびJornada690はハーフVGA液晶が搭載されたコンパクトなH/PC、最上位モデルのJornada820はVGA液晶を搭載したモデルだ。

 なお、Jornada680とJornada690の違いはバンドルソフトと搭載メモリの容量。Jornada680はPostPetがバンドルされたPostPetモデルと、PostPetがバンドルされていないモデルがあり、Jornada690ではPostPetはバンドルされていない。

 また、メモリ容量(内蔵RAM)については、Jornada680が16MBのメモリを搭載しているのに対して、Jornada690では32MBのメモリを搭載している。そのほかのスペックに関してはJornada680、Jornada690共にほとんど同じだ。

 ちなみに、CFカードやPCカードのフラッシュメモリをデータ記憶用として使うのはWindows CEの基本だが、My DocumentsフォルダやPocket Outlookの受信フォルダ、住所録やその他のデータベース記憶用など、内蔵RAMが利用されるケースは多い。また、プログラム実行用のRAMも内蔵RAMを利用するため当然のことながら内蔵RAMが多ければそれだけ快適にWindows CEを利用できるわけだ。

 Jornada690が出て悔しい思いをしたJornada680ユーザーのために、メモリアップグレードサービスも用意されているので、Jornada680ユーザーはチェックして欲しい。詳しい案内は「日本HPのカストマケアのページ」から入手できる。このサービスを利用すれば2万円でJornada680のメモリを16MBから、32MBにアップグレードすることができる。つまり、Jornada680ユーザーもJornada690と同じ環境を手に入れることができるわけだ。


■Jornada690の性能

ペルソナと比較
ペルソナと比較
 Jornada690の方が二回りほど小さい。
ペルソナと比較
 液晶部分を開くと大きさがかなり違うことがわかる。。

 ところで、現在発売されているH/PCを分類すると、キーボードが小さくコンパクトでハーフVGA液晶が搭載されたモデル、フルピッチキーボードとハーフVGA液晶が搭載されたモデル、VGA以上の液晶が搭載されたモデルの3つに分けることができる。

 Windows CE市場で最も元気があるのが、フルピッチキーボードとハーフVGA液晶搭載のモデルで、日立のペルソナ(HPW-50PA)やNECのモバイルギアII(MC/R430、MC/R530)などがそれにあたる。

 Jornada690はこの3つの分類のうち、最もコンパクトなモデル。サイズは写真を見てもらえればわかるように、ペルソナなどのフルピッチキーボード搭載のモデルよりは、二回りほど小さくキーボードの大きさもかなり小さいのが特徴だ。

 とはいえ、たとえばペルソナやモバイルギアなどのフルピッチキーボード搭載のH/PCと性能を比較しても遜色はない。IrDA、シリアル、アナログ56kbpsモデムなどのインターフェイスを持ち、このサイズのボディにCFカードスロットとTYPE IIのPCカードスロットを持つ。

 ただし、デジタル携帯電話(PDC)やPHSなどと直接接続するためのインターフェイスは用意されていないため、本体のみで携帯電話やPHSを利用した通信はできない。そのため、携帯電話やPHSを利用して手軽にモバイルしてみたい人にはあまり向いてるとは言い難い。

 Jornada690で最も面白いギミックは、CFカードスロットとPCカードスロットだ。これも写真を見てもらった方がわかりやすいとは思うが、PCカードを利用するときはCFカードの装着部が本体から浮き上がるような形状になっている。そのため本体の裏左サイドには足があるのも面白い構造だ。

 ちなみに、Jornada690に搭載されているCPUは133MHzのSH3。体感速度ではモバイルギアII MC/R530、MC/R430(VR4121 168MHz)やカシオペアE-500、E-503(VR4121 131MHz)よりはやや動作が遅く感じられるが、ペルソナHPW50-PA(SH3 100MHz)と比較するとかなり高速な印象だ。

CFカードスロットおよびPCカードスロット
カードスロット
 CFカードは跳ね上げたCFカードスロットに装着する。なかなか凝ったギミックだ。
カードスロット
 PCカードを本体に装着した所。CFカードスロットの部分の厚さだけ本体の裏から浮き上がっている。ちなみに、写真奥に見えるのは折りたたみ式の足だ。

■バンドルされているソフトは?

 Jornada690のROMには、あらかじめWindows CE標準のツールに加えてHP独自のアプリケーションが搭載されている。

 独自アプリケーションは「HPクイックパッド」(メモ帳)、「HPマクロ」(マクロで操作を自動化するツール)、「HPビューア」(独自のスケジュール表示ツール、Pocket Outlookと連動)、「HPダイヤルアップ」(ダイヤルアップ設定ツール)、「HPバックアップ」(内蔵RAMのバックアップツール)、「HPセッティング」(ディスプレイの輝度/コントラスト調整、メモリ/ストレージカード残量確認ユーティリティ)の7つ。

 さらに付属のCD-ROMには、「HPモバイル辞書」(英和、和英)、「JRトラベルナビゲーター」(乗り換え案内)などのいくつかのツールが含まれている。ただし、これらのソフトを利用するには、Windowsが動作するパソコンが必要となる。

 日本におけるここのところのWindows CE事情は、あらかじめROMにサードパーティー製のアプリケーションやツールがバンドルされ、PCコンパニオンとしてではなく、PCを所有せずに1台目のツールとしてWindows CEが利用できるようなスタイルが主流になりつつある。しかし、Jornada690はバンドルソフトなどを見ても、あくまでもPCコンパニオンとして利用したほうが良いだろう。

 たとえば、デジタル携帯電話を手軽につないでPostPetでメールをしたい、なんていうユーザーには向いてはいないマシンだといえる。


■で、Jornada690は買い?

 じゃあ、実際に使ってみた使用感はどうだろう。

 サイズがコンパクトなのは非常にイイ。フルピッチキーボード搭載のH/PCはやっぱり持ち歩くときに「さあ、これから持っていくぞ」という心構えが必要だったりするが、Jornada690程度の大きさだと気軽にバックの中やポケットの中に入れて持ち歩くことができる。ただ、サイズの割に重さがやや重い(510g)のは気になるところだ。

 通信のためのインターフェイスが内蔵モデムだけなのも気にする人は多いとは思うが、筆者は基本的にH/PCでは通信をしないためさほど気にならない。もし、どうしても無線通信をしたいということならば、PCカードタイプのPHS(NTTドコモの「Mobile Card P-in」やセイコーインスツルメンツの「MC-P200」など)を利用するのも1つの方法だ。PCカードタイプのPHSを利用すれば、非常にコンパクトな通信環境を簡単に実現することが可能だ。

 気になるキーボードの打ち易さだが、キーピッチは13.2mmと非常にコンパクトなのだが、意外と入力はしやすい。実は、この原稿もJornada690で書いていたりするのだが…。たしかに、フルピッチキーボードを搭載したH/PCと比較すると入力のしやすさでは負けてしまうが、慣れてしまえばJornada690のコンパクトなキーボードでもブラインドタッチは可能だ。

 このあたりは、ユーザーがどのように利用するのかで選ぶH/PCも変わってくるのではないかと思う。たとえば、大きさは多少大きくても快適に入力できるマシンが欲しいならば、フルピッチキーボードを搭載したH/PCを選択すればいい。入力のし易さは多少犠牲になっても、とにかくコンパクトで気軽に持ち運べるH/PCが欲しいというならJornada690は最適な選択なハズ。

 実際に利用してみるとこのサイズは非常にキモチイイのだ。これよりも小さくなってしまうと、たしかに持ち運びはもっと気軽にできるが、キーボード入力はしずらくなる。また、このサイズよりも大きくなってしまうと、ポケットに入れて気軽に持ち運ぶということはできなくなってしまうだろう。つまり、極めてバランスの取れたサイズなのだ。この点が筆者にとって最も気に入っている部分だったりする。

 たしかに、バンドルソフトの貧弱さは他のH/PCと比較してもマイナス要素ではあるが、「ソフトなんて後で追加すればいいさ」と考えても良いわけだ。Windows CE環境を自力で快適に構築できるパワーユーザーにとっては、Jornada690は非常にキモチイイH/PCではないだろうか。

◎関連URL
日本HP(ハンドヘルドPC製品情報)
http://ext8.jpn.hp.com/grp1/handheld/index.htmljp/
「Jornada 690」の製品情報
http://ext8.jpn.hp.com/grp1/handheld/jornada690/index.html
「Jornada 680」メモリアップグレード
http://www.jpn.hp.com/CPO_TC/service/j680mup.htm

(広野 忠敏)
2000/02/16


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