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2024年05月07日   [各種サービス、インタビューなど

ドスパラの配送はなぜ早い? 最新の物流センターは超キレイ&自動化が進む想像以上の場所だった
大手らしい大規模な倉庫、半自動梱包機が大活躍 text by 日沼 諭史

 購入したPCパーツや周辺機器は、製造工場から直接ユーザーの手元に届くことはまずない。いったんPCメーカーや販売店の拠点を経て、店頭に並んだりユーザーの手元に届いたりする。

 ECサイトや店舗を展開しているパソコン専門店「ドスパラ」で知られるサードウェーブの物流倉庫を訪問し、PCパーツやPC本体がどのように扱われているのか見学してきた。巨大かつ超キレイで、自動化も進むその内部をぜひご覧いただきたい!

実は難しくなりつつある注文を受けての当日出荷
内部作業の早さはもちろん、立地の選択がかなり重要

 神奈川県は平塚市にあるサードウェーブの物流倉庫「平塚物流センター」は、2023年4月に竣工し、7月から運用を開始した真新しい建物だ。正面にはアウトレットモール「THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA」があり、そちらから見ると建物の壁には「Dospara」ロゴが燦然と輝いている。「ここでドスパラが活動している!」というのがひと目でわかる外観だ。

  • 「平塚物流センター」
  • 大きな「Dospara」ロゴが掲げられている

 敷地面積は約4,500坪、延床面積はトラックヤードなども含めて約9,000坪と広大。PCパーツや関連商品を日々大量に入荷して保管するとともに、全国に46あるのドスパラ店舗(2024年4月現在)やECサイトで販売する商品、法人向け商品、BTO PCを製造している綾瀬本社工場で使用する大型 PCパーツの出荷などが主な役割となっている。また、物流センターの規模と立地を活かし、他社のECサイトの受注/発注代行も行われている。

 この物流倉庫が稼働する以前は、物流倉庫が神奈川県内の4カ所に分散して稼働していたが、立地が良い場所に広大な面積が確保できたことで1つに集約して効率化することができたそうだ。

  • 平塚物流センターの模型。完成前のイメージとして製作されたもので、ソーラーパネルの配置などが異なるそうだ
  • 内部は非常に綺麗で、倉庫部分はもちろん共用スペースなどもかなりクリーンな印象だ

 物流倉庫の立地は、新東名高速道路(第二東海自動車道)が間近にあり地の利がとても良い。ECサイトでユーザーから注文のあった商品については、PC本体は昼12時まで、PCパーツは15時40分までに注文が確定したものを当日出荷しているという。

 なお、平塚物流センターは物流倉庫ではあるものの、緊急時にはPC組み立て工場として稼働できるようにするためのバックアップ機能も備えている。仮に綾瀬本社工場で災害や停電などのトラブルが発生してPCの製造ができなくなった場合でも、生産機能を1日程度でこの平塚物流センターに移すことが可能とのこと。

 ちなみに、倉庫部分以外の事務所廊下やエレベーターなど共用部の電力は屋上の太陽光発電でまかなわれている。屋上は発電スペースとして利用されているだけではなく、緑地スペースも設けられている。

  • 屋上のソーラーパネル。倉庫部分以外の事務所廊下やエレベーターなど共用部の電力は太陽光発電でまかなっている
  • 屋上は緑地スペースもあり、環境への配慮も

「半自動梱包機」により出荷可能量が倍増、資源も節約 進化する最新の物流倉庫

 それでは倉庫の内部を見て行こう。セキュリティで守られた複数のドアを抜けると、広大な倉庫が広がる。商品を実際に保管する建物内の倉庫部分は一般的なオフィスの2フロア分の高さがある。PCケースや液晶ディスプレイなど、特に大型のPCパーツがパレットやラックに載った状態で積み上げられている。

  • 天井高約6.5メートルの1階フロア

 倉庫内は可能な限りペーパーレス化も進められており、専用端末やタブレットが積極的に活用されている。

 ここで面白いのが、大型の「半自動梱包機」によるオートメーション化が取り入れられていること。先ほどピッキングされた商品のうち一定のサイズ・重量以下のものは、この半自動梱包機のラインのスタート地点付近に集められる。その商品を人の手でダンボールの台紙に載せ、識別・検品用のQRコードをもとに納品書をプリントしたらベルトコンベアに載せる。

  • 半自動化で梱包が行われるベルトコンベアのライン

 そうすると自動で商品が流れていき、商品がビニールによって台紙ごとシュリンク包装され、振動で動いたりしない状態になる。シュリンクされたものは流れていく途中でサイズが自動検知され、そのサイズに合うダンボール箱がストックされた箇所のランプが光るので、それを人の手で取り出して箱に詰める。

 最後にダンボールを閉じた状態で次のローラーコンベアに送り出せば、機械が自動でテーピングによる封を施して、さらに適切な宛名ラベルが貼り付けられる。これで梱包は完了、出荷待ち状態になるわけだ。

 シュリンク包装は資材補充がいずれにしろ必要で、全自動であっても機械トラブルへの対処で人の手がかかることは避けられないことなどから、サードウェーブでは自社の業務に最も合うものとして「半自動」を選択したという。

  • 手作業で梱包が行われるライン
  • サイズ・重量の大きなものは今のところ人が対応しているが、これらも半自動梱包できるように計画が進んでいる

 この半自動梱包機の導入で、1件あたりの梱包時間は60秒から最短15秒に短縮した。また、大量に詰め込んでいた緩衝材が不要になったことで、環境保護やユーザーの手間削減といったメリットにもつながっている。

今後も進化が続く最新の物流倉庫

 巨大な倉庫で、今のところはまだ格納スペースにも余裕があるように見える。ただ、販売量の増加に加えて、他社ECサイトの商品を取り扱う受託案件も急速に拡大しており、早くも手狭になる可能性が出てきたそうだ。商品をより立体的にスタックする方法に変更したり、倉庫の増設を検討したりする必要がありそうだと、うれしい悲鳴を上げている。

  • まだ余裕がありそうだが、すぐに手狭になりそうだとか

 竣工からまだ1年にも満たない建物ということもあり、倉庫部分だけでなくオフィス部分もまだまだ新築のような雰囲気。駅からは少し離れているものの、目の前のアウトレットモールでは日用品が手に入り、フードコードなどもあるため、仕事環境としてはかなり整っているように感じられた。

 自分の注文した商品がキレイな倉庫から安心感のあるかたちで出荷されていると思うと、なかなか感慨深いものがあるのではないだろうか。

ドスパラ通販サイト
https://www.dospara.co.jp/

サードウェーブグループの公式サイト
https://info.twave.co.jp/

サードウェーブのフルフィルメント・発送代行サービス(平塚物流センター)
http://www.tw-ffs.com/

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