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ついに完成 新宿“明治通りバイパス”を歩いてみた

新しく開通した道路の新宿側。左は新宿御苑、右は新宿高校。写真手前を左右に通るのが甲州街道

新宿駅周辺の混雑緩和を目的に、都立新宿高校の近くから代々木駅近くまでバイパスする新たな道路「環状第5の1号線(千駄ヶ谷)」が完成し、12月3日から通れるようになりました。明治通りで新宿を通過しようとする際に、混雑エリアをバイパスしてスムーズに移動できるようになることが期待されています。

道路構造の概要。東京都 環状第5の1号線のパンフレットより

バイパス道路の計画自体は昔からあったものの、新宿御苑の端を“削って”通過する計画が問題になり、協議が続けられた結果、片方を地下トンネルにして道路の幅を減らすことで解決した、ということのようです。地下トンネル工事もすんなりとはいかなかったようで、ようやくの完成となりました。

地下トンネルは池袋方面に北上する外回りで使われ、名称は「千駄ヶ谷ぎょえんトンネル」です。千駄ヶ谷から新宿御苑の入り口近くを結んでいるので、分かりやすい名称ですね。新宿から渋谷方面に向かう内回りは、トンネルの上の地上を通ります。

新宿側の交差点は映画館などが入るマルイアネックスの近くです
新宿から代々木方面に向かう内回りは地上を走ります。路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装になっています。写真は新宿向きです
新宿側からきたバイパス内回り(写真右)と明治通りの合流地点、渋谷区千駄ヶ谷5丁目29のあたりです。外回りはもう少し南で地下トンネルに入っています
明治通り、新宿向き。外回りは左に車線変更しない場合、そのまま地下トンネル「千駄ヶ谷ぎょえんトンネル」に入ります
明治通り外回りにあるトンネルの入り口。写真の歩道橋も新設です(12月3日時点では完成していませんでした)

開放されたはの12月3日14時からで、同日の15時頃に行ってみてもまだ交通量は多くはありませんでした。とくに新宿から代々木方面に向かう内回りは交差点から始まることもあり、進入する車は少ないという印象でした。代々木から新宿方面に向かう明治通りの外回りは、自然に地下トンネルのバイパスに入っていくので、比較的利用されている印象でした。(トンネルを利用しない場合は左に車線変更する必要があります)。

散歩コースとして歩いてみる

歩道は新しくできた車道(内回り)の両脇に設けられています。結論からいうと、新しい歩道はシンプルに歩道のみ。沿道に新たな店舗や商業エリアが出来上がっているわけではありません(そもそも幅には余裕がない計画です)。地下に潜っていくトンネルの上に乗り上げるような構造になっているため、一部は勾配もあります。

ただの歩道なので、歩行者のメリットは限定的といえそうですが、もともと周辺は交差点や横断歩道の多い煩雑なエリアですから、新宿三丁目エリアから千駄ヶ谷・代々木方面にスムーズに移動するのには便利そうです。

新宿から代々木方面に向かって、新しい歩道を歩いてみましたが、時間にして10分かからない程度の長さでした。おそらく500~600mぐらいではないでしょうか。信号や交差点といった歩行を妨げるものがなく、歩きやすいです。新宿高校と新宿御苑の間を通るので比較的静かで、新宿御苑の木々がすぐ隣にあって鳥の鳴き声を聞きながら歩けます。混雑エリアを回避するバイパス道路なので当然なのですが、新宿にできた新しい道としては異例なほどの“何もなさ”が特徴といえば特徴でしょうか。

新宿御苑のそばから代々木方面に向かいます。しばらくはゆるやかな上りです
やがて下り始めます。車道は片側2車線、外回りの2車線は地下トンネルのため見えていません
新宿から南下すると左側には新宿御苑の森が。鳥の鳴き声もよく聞こえます
バイパスの歩道の終わり付近で新宿方面を向いたところ。左が新宿高校、右が新宿御苑です

車道の混雑緩和を目指して計画されていた道路ですから、恩恵の多くは自動車向けということになりますが、新宿御苑や周辺をよく散策するという人は、新しい歩道を散歩のルートに加えてみてはいかがでしょうか。