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無印の「手打ちパスタ」を打つ。手軽じゃないけど楽しいランチ

無印のレトルト食品といえば、「無印はもはやカレー屋」と称されるほどレトルトカレーが有名ですが、パスタソースもバリエーション豊富で本格パスタを味わえると人気です。とくに化学調味料不使用なのがいいんですよね。レトルトパスタソースはスーパーでさまざまなメーカーから買えますが、独特の添加物味が気になるものが多いのです。

ということで涼みついでにパスタソースを物色していると、同じ棚に「生地からつくる 手打ちパスタ」なる商品を発見しました。手にしてみると、ただ単にパスタ用の粉が入っているよう。お値段は190円(200g/2人前)と、市販の生パスタより若干お安い感じ(ちなみに調べてみると無印の生パスタは200gで390円)。原料(デュラム小麦)そのまんまの価格だから、ともいえますが、200円でお釣りがくる程度なので試しに購入&手打ちパスタにトライすることにしました。

必要なのは卵、オリーブオイル、塩ぐらい

そして、実際に手打ちパスタをつくろうと思いたったのは休日の昼下がり、次女だけが自宅にいて、昼ごはんを要求してきます。そこですかさず「手打ちパスタ」のパッケージを見せつけるわたくし。きれいなパッケージ写真を目にして「はやくつくるべし!」と期待の眼差しを向けてきます。

パッケージ裏面のレシピを見ると、粉以外に必要なのは卵とオリーブオイル、食塩、打ち粉用の小麦粉と、たいていはどのご家庭にもあるもの。ではさっそくつくってみましょう。

読むのがいやになる文字文字しさですが、難しいことは書いてません

まず「ボウルをはかりにのせて卵を割り入れ、水を加えて、卵+水の重さの合計が110gになるようにします」と書いているのでそのとおりにします。で、生地用の食塩(小さじ1/3)も加えて箸で混ぜます。

材料はどの家庭にもある、と書きましたが、以外と「はかり」がない場合もあるのかしら、と思ったり

次に「生地からつくる 手打ちパスタ」を全量投入、オリーブオイル(小さじ1)も加えます。そして、シリコーンスパチュラで「生地がまとまる」まで混ぜます。

「生地からつくる 手打ちパスタ」を投入。もう後戻りはできません

シリコーンスパチュラを使うべし、と指定されていますが、結果として手で混ぜても同じだと思います(どのみち手でこねる)。それが次の写真。なんだかボソボソした感じで「生地がまとまる」という表現とはほど遠いビジュアルです。

「もっと水を足したほうが……」と思うも、レシピに従う方向で……

若干の不安がありつつも、書いてあるとおりにやってみる

このボソボソ粉を「ひとまとめ」にして「生地を外側から中央に折り返し。両手で体重をかけて生地の表面がなめらかになるまでこねます(目安5分)」と書いてるのでやってみますが、強引にひとまとめにしたのが次の写真。なにやら間違っている感がただよってます。ちなみに生地を打つ台など持っていないのでテーブルにラップを敷いて代用。

まとまりきらないけれど、これはこれでよしとします

生地をこねる工程では、まとまりきらない端切れ(?)みたいな細かい粉のかたまりを回収していくイメージでやってみました。たぶん、この「こね」が今までの不安を払拭するポイントとなることを直感します。なお、娘に撮らせているので娘の指が写り込んでます。すいません。

体重をかけてギュウギュウこねること5分

そして、こちらがこねた結果。なんということでしょう。それなりになめらかになってます。やはり「こね工程」がキモなのです。ボソボソ状態のときに水を足したりしないでよかったです。この生地をさらに「2等分にして丸め、ラップで包み、室温で約15分寝かせます」とのこと。そして、この間に茹でる準備、ソースの準備をすべし、とわざわざ書いてあります。

あんなにボソボソだったのがひとまとまりになりました

麺の幅は約8mm。細めの方が仕上がりがいいかも

15分ほど経ったら、いよいよ生地をのばして切る工程。「打ち粉をふって約30cm×30cm、厚さ1mmになるまで」のばし、三つ折りにし、まな板の上にのせ包丁で「約8mm幅に切ります」とのことですが、イラスト見本では四角になるようにのばすのが正解のよう。しかしながら、そんなにうまくはいきません。ちょっといびつですが、味には関係なかろうと思い込みます。

めん棒は100均ショップで買えます

切るのはめんどくさいのでまな板でなくテーブルで。8mmという微妙な幅を意識しますが、なんとなく1cmぐらいありそうな。まぁ大差ないだろう、と思いましたが、おそらく正解は「5mm狙いの結果8mm」のイメージな気がします。そのへんの話はのちほど、茹でるときに。

やわらかいので押し切るようになり、麺がくっついてしまうのが悩ましい
くっついた麺をほぐすのが意外に手間
どうにか2人前のパスタができました

麺の出来を超えて、確実においしくする無印のソース

混ぜたりこねたり伸ばして切ってで、ようやくパスタができました。ここまでボウルやはかりの捜索時間含めて1時間弱。あとは茹でてソースをからめれば完成です。ソースは無印の定番「粗挽き肉のボロネーゼ」と「3種チーズのカルボナーラ」をチョイス。仮に麺打ちに失敗して切れ切れパスタになったとしてもそれをリカバリーしてくれそうな信頼できるラインアップです。

「粗挽き肉のボロネーゼ」「3種チーズのカルボナーラ」ともに130g(1人前)290円

では、たっぷりのお湯を用意して茹でてみましょう。こちらが茹でている状態ですが、なんだかパスタが水分を吸って太くなってるように見えます。うどん感がハンパないといいますか、もはや黄色いうどんです。せめてもう少し細く切ればよかったです(5mm幅狙いの結果8mm)。さらに茹で時間は約3分と書いてありますが、とても3分で茹で上がるとは思えません。讃岐うどん並みとはいかないまでも、とりあえず倍の6分茹でてみます。

パスタというよりは讃岐うどんの風情

6分茹でて試食。すごいコシともちもち感! あまりのコシもち食感なので、もう2分ぐらい追加で茹でます。で、こちらが茹で上がり。

どうなのでしょう。パスタっぽくなりましたでしょうか。つくり手からすると、最後まで見た目はうどんのようですが……。とにかく、さっそくいただいてみましょう。レトルトパスタソースはあえるだけの簡単調理がうれしいですね。パスタを生地からつくるのはそれなりに時間がかかりましたが、茹で上がったらほぼ完成です。

ということでソースをあえたのがこちら。粉チーズや黒コショウは自宅にあるものを振ってます。とても洗練された見た目ではありませんが、それなりに「パスタ」な仕上がりになりました。うどんっぽくても最後はパスタ。きっとおいしいに違いありません!

手前が「粗挽き肉のボロネーゼ」、奥が「3種チーズのカルボナーラ」

手打ち工程の写真を撮ったりして完成を待ち望んでいた娘がさっそく実食です。「コシがあっておいしいよ! ぼるんぼるんしてて食べづらいけれど」とのお言葉をいただきました。口のまわりを汚しながらパクパク食しています。

実際食べてみると、たしかにしっかりしたコシがあります。5分程度こねただけで十分な歯ごたえが生まれるんですね。また、娘が「ぼるんぼるん」と表現しましたが三つ折りにして麺切りすると、折れた部分のR形状が残ってソースのからみがよくなるといった結果に。市販の生パスタみたいにスマートな仕上がりではありませんでしたが、おいしければつくった甲斐があるというもの。手軽につくれるとはいえませんが、誰かといっしょに食べるなら、いつものランチがちょっと楽しくなるかもしれません。