トピック

機種変&アプリ引越しの注意点。iPhone 12 miniへの引継で実践

前回は、iPhone 8 Plus → 12 miniにSuicaを引っ越した話でした。12 miniを使い始めて2週間、何か忘れているかも知れないと思って、古い端末をフォーマットできないまま。バックアップから復元しているので、何の問題もない“はず”なのですけど……。

しかし、古い端末の処分先が決まったこともあって、本腰を入れてアプリの引っ越しを完了しなければいけなくなりました。お金が絡むApple Payよりは気楽に作業できましたが、引っかかった点がいくつかあり、今回紹介するのはそのあたりの話です。

特にネットバンキングのアプリは、送金などに利用する「ワンタイムパスワード」の機能も兼ねており、設定を忘れるところでした。

銀行アプリのワンタイムパスワードは、口座情報とは別に再設定が必要

そのほか、IDどころか、アカウント情報を何もかも忘れていて困ったり、“引き継ぎコード”が必要なアプリがあったりと、機種変更したからといって、古い端末を即フォーマットというのは危険だなと思った次第です。

なお、LINEとSuicaの引っ越しについては、こちらの記事を参考にしてください。

LINE引っ越しの注意点。スマホ機種変前に準備しよう

iPhone 12 miniを買った。Suicaを引っ越した

利用中のWebサービスはアカウント情報を確認しておく

古い端末でバックアップを作成し、新しい端末で復元、もしくは、新しい端末で「クイックスタート」を使って古い端末のクローンを作成した場合、インストール済みのアプリや設定はそのまま引き継がれています。

Webサービスと連動するアプリがほとんどなので、そこまで神経質にならなくてもいいだろうと高をくくって、どんどん“ログイン”していきます。

普通にログインする

さっそく引っかかりました。Apple IDやGoogleアカウント、Facebookアカウントなどを利用してログインできるWebサービスは多く、「ソーシャルログイン」とも呼ばれます。何のアドレスでログインしていたんだろう? 薄い記憶を頼りに試したら通りましたが、その後にSMS認証。受信できる電話番号を登録しておいてよかった。

「ソーシャルログイン」に対応するWebサービスは多い。自分のアカウント情報を確認しておこう
現在使用できる電話番号やメールアドレスを登録しておくことも大切

決済のあるWebサービスの場合、メールや電話番号で再度認証が必要になることがほとんどです。ECサイトやポイントサービス、ストリーミングサービスなど、冷静に考えると結構な数のアプリがあるのではないでしょうか。ログイン済みの古い端末やパソコンから、自分のアカウント情報を見直しておくことをおすすめします。

なお、アプリによっては、古い端末で“引継コード”を生成し、新しい端末で入力する手順が必要なこともあります。ゲームアプリにありがちですね。思い当たる方は、古い端末で引っ越し方法を確認しておきましょう。

古い端末で“引継コード”を生成してから引っ越す手順が必要なアプリもある

パスワードを忘れたらここを確認

アカウント情報をすべて忘れているような状況なら、まずはiPhoneのみで解決できるかどうかを試してみてください。筆者もずいぶん忘れていました。

Safariを使っている方は[設定]アプリの[パスワード]を確認。Chromeの方は、お使いのGoogleアカウントでログインして、[設定]メニューから、パスワードを表示します。

Safariの場合は[設定]アプリの[パスワード]をタップしてパスワードを確認する。キーワード検索も可能
Chromeの場合は、自分のGoogleアカウントでログインしておく。[設定]メニューから[パスワード]をタップして確認する。キーワード検索も可能

キーワード検索も可能なので、URLの一部を入力して検索するのも手です。ここでヒットしなければ、iPhoneにパスワードが保存されていません。各Webサービスの用意する「パスワードを忘れた方はこちら」の手順に従ってください。

ネットバンキングのアプリはワンタイムパスワードも忘れずに

ネットバンキングのアプリの場合、ログインできても設定完了ではありません。送金などの際に確認される「ワンタイムパスワード」を筆者も忘れるところでした。

昔は通帳、カードと一緒に専用端末を渡されたものですが、最近では多くの銀行で、アプリを使ったワンタイムパスワードの発行が主流になりつつあります。自動音声でかかってくる電話に“確認番号”を入力するなど、ひと手間かかります。

送金したい時になってからこの処理を行なうのは面倒なので、新しい端末に引っ越したら必ずチェックしておきたいところです。以下は、三井住友銀行アプリを例に操作しています。

三井住友銀行アプリの例。[パスワードカード]をタップ(※右方向への操作で次の手順が表示されます)
不正送金への注意喚起メッセージが表示される。[進む]をタップ
[パスワードカードを有効化する]をタップ
店番号、口座番号、第一暗証を入力して[次へ]をタップ
古いワンタイムパスワードカードは無効になるとのメッセージ。[はい]をタップ
自分の電話番号を入力して[電話番号を確認する]をタップ
表示された電話番号が自分のものであることを確認する。この電話番号に自動音声で電話がかかってくる。“確認番号”はかかってきた電話にて入力する
再度の確認メッセージ。[電話を受ける]をタップする
自動音声で電話がかかってくるので、音声ガイダンスに従って処理する。ガイダンスに従って[次へ]をタップ
設定内容を確認して[登録実行]をタップ
[ワンタイムパスワードを表示]をタップすると、ワンタイムパスワードが表示される

アプリはいくつ入っている?

いい機会なのでアプリを整理することにしました。いくつのアプリが入っているのか確かめてみたところ108個もインストールされていました。“数”は[設定]アプリの[情報]の項目、一覧は[一般]-[iPhoneストレージ]の項目でチェックします。

アプリの要不要は、前回使⽤した⽇付とサイズを⽬安にしてもいいですね。なお、再インストールの可能性があるなら[Appを取り除く]の利用がおすすめ。アプリ自体は削除されますが、関連のデータは保持され、アプリを再インストールした時に復元可能です。

[設定]アプリの[情報]で“数”を確認可能(※右方向への操作で次の手順が表示されます)
[設定]アプリの[一般]-[iPhoneストレージ]をタップ。項目をタップするとアプリの詳細情報を確認できる
[Appを削除]でアプリを削除できる。[Appを取り除く]を選択すれば、データを保持できる

なお、容量の節約が目的ではなく、ホーム画面をすっきりさせたいのであれば、ホーム画面の何もないところを長押しして、アプリアイコンに表示された[-]をタップ。その後のメッセージで[ホーム画面から取り除く]を選択します。

ホーム画面からアプリアイコンは消去されますが、アプリは削除されません。アプリアイコンは、iOS 14の新機能「Appライブラリ」で確認可能です。ウィジェットで確認することの多いアプリなどは整理しておいてもいいかも知れません。

アプリアイコンのみ消去したいなら[ホーム画面から取り除く]を選択

その他ちょっとした設定

最後にその他のちょっとした設定を見直しておきましょう。現状を把握して、気になる場合は変更してください。

まず、iPhoneの名前。バックアップやクローンで新しいiPhoneを設定した場合、“iPhoneの名前”もそのまま引き継がれます。

この名前は、例えばテザリングしたいときなどに表示される名前です。パソコンからテザリングしようとして、あれ、古い端末がまだ生きてる? なんて焦ったりもします。

また、Googleの2段階認証やAmazonのKindleの配信先など、端末名が重要なWebサービスもあります。新しい端末の名前は再設定しておくことをおすすめします。

[設定]アプリの[情報]をタップ、[名前]をタップして変更できる

あわせてテザリングに利用するパスワード(“Wi-Fi”のパスワード)は自動的に割り当てられているため、必要に応じて更新しておきます。

[設定]アプリの[モバイル通信]-[インターネット共有]をタップ。テザリング用のパスワードが自動的に設定されている。必要に応じてパスワードを変更しておく

続いて、ユーザー辞書。古い端末からそのまま引き継がれます。変更不要な方はそのままで。引っ越しの機会に見直してもいいと思います。サンプルの「きららざか」は自動的に追加されます。要らないので消しました。

[設定]アプリの[一般]-[ユーザー辞書]をタップ。この機会に見直しておこう

Face IDとパスコードの設定は、初回起動時に完了しているはずですが、メガネの人におすすめしたいのが、“もう一つの容姿をセットアップ”です。また、自動ロックのタイミングも見直しておいてはいかがでしょうか。

[設定]アプリの[Face IDとパスコード]をタップ後、パスコードを入力する。[もう一つの容姿をセットアップ]をタップして設定する
[設定]アプリの[画面表示と明るさ]をタップ。[自動ロック]の長さを設定可能

びっくりした設定がもう1つ。バックアップやクローンでは、アラームも引き継がれます。新旧両方の端末で“鳴る”ので注意です。

ということで、iPhone 12 miniへのアプリ引っ越しは無事完了しました。新しい端末への完全移行に踏ん切りがつかない時の参考になればと思います。