レビュー
即買いした「+Style」のロボット掃除機&スマート家電。手頃な価格と十分な機能
2019年10月2日 08:15
+Styleは8月29日、自社オリジナルのスマート家電として新たに6製品を発表した。内訳はロボット掃除機が「G300」「B300」の2モデル、スマートLED電球がE26口金の調光・調色モデルと調光のみモデル、E17口金の調光・調色モデル、そしてスマートLEDシーリングライトだ。
このうちロボット掃除機の上位モデル「G300」は、落下防止センサーや衝突防止センサー、壁沿いセンサーなどさまざまなセンサーを搭載するほか、SLAMによるルームマッピング、Google アシスタント/Alexa対応など機能が充実。掃除方法も吸い込み掃除に加えて、付属のアタッチメントを装着することで水拭き掃除にも対応している。
これだけの機能を搭載しながら価格は34,800円と3万円台に抑えられている点が大きな魅力。また、発売当初は期間限定で26,800円と8,000円の値引きが行なわれていたこともあり(値引きはすでに終了)、発売のリリースを読み終わった時にはもう購入を決意していた。
同時に発表されたスマートLEDシーリングライトも、スマートスピーカー対応モデルで9,980円と1万円を切る価格帯、さらに前述の期間限定価格として3,000円引きで購入できたためこちらも購入を即決。一緒に買うと1,000円安くなるというセットが用意されていたので、スマートホームカメラ(フレキシブルアーム)セットもあわせて購入した。
- ロボット掃除機「G300」
- スマートLEDシーリングライト
- スマートホームカメラ(フレキシブルアーム)
【購入製品】
+Styleの専用アプリから設定。Google アシスタント/Alexa両対応
今回購入した製品はいずれも+Styleのスマートフォンアプリから初期設定および操作が可能。メールアドレスとパスワードでアカウントを設定したのち、登録したい機器をアカウントに追加していく。登録方法は機器によって異なるが、細かな手順はアプリに表示されるので初期設定はさほど難しくないだろう。
なお、今回購入したG300、シーリングライト、カメラはいずれも2.4GHzの無線LANのみ対応。自宅で5GHzの無線LANを利用している場合、スマートフォンの接続する無線LANを2.4GHz帯に切り替えてから設定を行なう必要がある。
Google Homeへの登録は、Google Homeアプリから「デバイスのセットアップ」で「Googleと連携させる」を選択、+Styleのアカウントと連携する。Echoへの登録はスキルから同様に+Styleのアカウントと連携すれば完了だ。このあたりは既存のスマート家電と同様で、アプリの画面指示に従って操作すれば難しくはないだろう。
シンプル操作で掃除機能は優秀。水拭きと掃除の同時利用も可
ロボット掃除機「G300」の操作は多機能ながらシンプル。本体上部にあるボタンを押すと部屋の中を自動で掃除してくれるほか、アプリから操作も可能。スマートホーム連携していれば「掃除機をかけて」の発声で掃除をスタートする。
アプリの「オート」をタップするとG300が自動で部屋の中を動き出しルームマップを作成。マッピングの精度はなかなか優秀で、設置したリビングをほぼ隅々まで掃除してくれた。少々大きめで吸い込むか心配だったゴミも問題なく片付けてくれており、掃除機としての基本である清掃度合いは十分に満足なレベルだ。
ルームマップの作成が完了すると、掃除するエリアの指定、逆に掃除を禁止するエリアの指定が可能になる。また、ラジコンのように手動でG300をコントロールすることも可能だ。選べる機能はそこまで多くないが必要最低限のものが揃っており不便はない。
なお、音に関してはかなりの大きさで、夜に動かすのは近所迷惑にならないかと心配になるレベル。吸引レベルを2段階で設定できるのだが、動作音はさほど違いがなかった。
集まったゴミは本体上部にあるゴミアイコン部分を押すとダストボックスが取り出せる。細かな髪の毛や固まった米粒などがしっかり吸い込まれており、ゴミの吸引力も十分だ。ゴミは捨てた後水洗いして戻すだけなのも手軽でいい。
水拭きのアタッチメントは水を入れるタンクと水拭きする布の部分が面ファスナーで着脱できるようになっており、使用時は布を水に濡らしてからしっかり絞り、タンクに水を入れてから面ファスナーで接着、そのままG300の底面に取り付ける。掃除機の吸引部分は塞がないので、水拭きしながら吸い込み掃除することも可能だ。
タンクが小さいのでどこまで水拭きできるかは気になったが、我が家で動作したところ、実質6畳分くらいの面積を掃除し終わった状態で布は濡れたまま、タンクの水も残っていたので、1部屋掃除するくらいであれば十分だろう。
なお、説明書には「水拭きの詳細はQRコードを読み取って」とあるのだが、QRコードを読み取っても製品ページが表示されてしまい、水拭きの設定は結局手探りで行なうことになった。+StyleによればPDFでダウンロードできる説明書を後日アップデートするとのことだ。
フレキシブルアームで設置しやすい暗視撮影対応のカメラ
スマートホームカメラ(フレキシブルアーム)は、ケーブル状の本体を曲げることで自立したり、ベッドに巻き付けて使ったりと設置場所の柔軟さが魅力。また、同梱の気温/湿度センサーで気温と湿度を計測することも可能なほか、アタッチメントを使って壁に固定することも可能だ。
こちらも操作は簡単で、アプリへの本体登録が終わればすぐにカメラ映像を見ることができる。カメラは明るいときは通常の映像が、室内が暗くなると赤外線暗視モード搭載カメラへ自動で切り替わるので、シーンに応じて最適な映像がすぐに確認できる。
夜中に部屋の電気をすべて消した状態で確認してみたが、部屋の隅々まで状況がはっきりわかる。画角は110度と広角のため、部屋の隅々まで撮影することが可能だ。ペットや子供などの見守りカメラとしても重宝する。湿度・温度センサーも同梱されているので、映像に合わせて部屋の状況を確認することも可能だ。
microSDカードを装着すれば録画も可能で、防犯カメラとしても利用できる。また、マイク・スピーカー内蔵のためテレビ電話としても利用が可能。ただし、マイクとスピーカーの音質はそこまで高くはない。両者が意図的に行なう双方向のテレビ電話なら、スマートフォンのアプリを使ったほうがいいだろう。
面白い機能として、Google Homeと連携を済ませた上で「【カメラ名】を見せて」と発声すると、カメラの映像をChromecastへ映し出せる。別室で寝ている子供やペットの映像をテレビの画面で確認する、といった使い方が可能だ。
一点気になったのがアプリからカメラ映像を確認していることが本体を見ただけではわからないこと。自宅内の映像とはいえ、遠隔からいつの間にかカメラの映像を見られている、というのはあまり気持ちのいいものではない。アプリを使ってカメラ映像を確認している時はLEDが点灯する、などのプライバシー対策も欲しいところだ。
電球より明るいシーリングライトはスマート対応製品が少ない
シーリングライトは、一般的なスマート電球と動作は変わらないが、この製品の特徴はそもそも「シーリングライトである」ということに尽きる。というのも、スマートスピーカーに対応したシーリングライトは数が少なく、国内において一般向けに販売されているのは、筆者の認識ではアイリスオーヤマのみだ。
電球とシーリングライトの違いは「明るさ」だ。例えばスマート電球の代表格とも言えるHueは820ルーメンだが、+Styleのスマートシーリングライトは3,200ルーメンと、まさに桁違いの明るさ。筆者宅は生活の中心となるエリアすべてでスマート電球を導入していたのだが、暗いとまではいわないものの明るさに物足りなさを若干感じていたところ、スマートシーリングライトに切り替えたおかげで物足りなさも払拭された。むしろ最大の明るさではまぶしすぎるため、80%程度に抑えている。
一般的なシーリングライトをスマートスピーカーと組み合わせるという手もあるが、その場合はスマートリモコンが別途必要になる。スマートリモコンをすでに持っていたとしても、取り付けられるのはスマートリモコンから発する赤外線を受けられる範囲内のため、異なる部屋に取り付ける場合には、スマートリモコンがもうひとつ必要になってしまう。運用の便利さで言うとやはりシーリングライトそのものがWi-Fi対応しているほうが上だ。
家族など複数ユーザーの利用に対応したアカウント管理が便利
今回紹介した3製品は、いずれも機能とコストのバランスが非常に良いのが魅力的だ。
機能だけを見ると競合と比較して圧倒的に上というわけではない。掃除ロボットは他社と比較しても競争力のある機能と価格だと思うが、前述したアイリスオーヤマのスマートシーリングライトは、実売価格では+Styleより安価ながらルーメン数は上。また、暗視撮影に対応したスマートカメラはさまざまな周辺機器メーカーから発売されている。
しかし、+Styleのスマート家電シリーズのメリットは、これらすべての機器を1つのアカウントで管理できること、そしてアカウントの管理が非常に充実しているという点こそが、他社の製品との大きな差別化要因だ。
スマート家電のアプリは、対応するサービスのアカウントを取得して機器と紐付ける、というのが一般的だが、多くのサービスでは1製品に対して1アカウントが基本となっており、家族など複数ユーザーでの利用はあまり想定されていない。
複数人で利用する場合にはアカウントそのものを共有するか、スマートスピーカーと連携し、スマートスピーカー経由で利用するという方法があるが、前者についてはアプリの権限が全員共通になってしまうという課題がある。後者についてもスマートスピーカーの話者認識機能を使えば権限は多少コントロールできるものの限界はあるし、そもそもスマートスピーカーから操作できない機能もある。
その点、+Styleは登録されている家電のグループに他のユーザーを招待することで複数ユーザーの利用にも対応。グループには部屋を登録でき、部屋にはそれぞれスマート家電を登録できるという構成になっている。
例えばリビングにロボット掃除機、寝室にスマートカメラを設置している場合、「父母」というグループに両親のみが登録、機器としてロボット掃除機とスマートカメラを登録すれば、親はすべての家電をコントロールできる。これとは別に「子」というグループを作成して親と子供が登録、機器はロボット掃除機だけを登録すれば、子供はロボット掃除機を操作できるがスマートカメラは操作できない、といった使い分けが可能になる。ユーザーごと管理者権限の割り当ても可能だ。
機器の設定も管理者が済ませておけば、他のユーザーは招待されたアカウントでログインするだけですべての機器設定が反映されている。機器の設定が苦手な家族のぶんまで個別に設定するという手間も不要で、こうしたスマート家電が不得意な家族にも勧めやすい。
今までスマート家電をいくつも購入しながらアカウントの管理面で課題を感じていた筆者に取って、+Styleの仕組みはまさに期待していたものだった。アプリを1つに集中できるメリットも含め、今後のスマート家電もつい+Styleで揃えたくなっているのが現状だ。
充実の機能と手に取りやすい価格、複数ユーザー対応が魅力
手に取りやすい価格帯で必要十分な機能、1つのアカウントでさまざまなジャンルのスマート家電を操作できる多様性に加え、複数ユーザー管理にもしっかりと対応した+Styleのスマート家電。アカウント周りはスペックからはなかなか見えづらい部分だが、そうした実用性もしっかりと配慮されている点で、+Styleのスマート家電は一歩先を行っていると感じた。
一方で残念なのは、機能を説明するマニュアルやWebサイト。マニュアルは必要最低限のことしか書いておらず、その先はアプリや本体を見ながら自分で判断するしかない。Webサイトは製品の概要やスペックはわかるが、具体的な使い方に対して説明はされていない。
製品やアプリは使いやすく、アカウント周りも配慮がされているだけに、マニュアル類の説明が少なくそこまでたどり着かないのはとても惜しい。今後はガイドの充実も期待しつつ、+Styleのアカウントで利用できるさらなるスマート家電の新製品を楽しみにしたい。