ミニレビュー

テストステロン値は戦闘力? 髪の毛で検査する男性向け「更年期チェックサービス」を利用した

男性ホルモンの量を測定する「MENOPO CHECK FOR MEN」を使ってみました

今に始まったことじゃないですが、いつもダルいです。50代ということもあり加齢のせいなんでしょうか、同年代の誰と話しても、皆そう言います。最近は、男性にも更年期症状があると知られてきました。男性ホルモンの減少による男性更年期の経済損失は離職など年間2,100億円とも試算されており(日本女子大学 周燕飛教授の分析)、女性の更年期と同じようにホルモン補充療法もあるそうです。

ただ、自分も更年期の可能性は大だなと思いつつも、病院で受診するほどの症状でもなく放置しておりました。ご同輩には、そんな方は多いのではないでしょうか。いきなり病院に行くのもハードルが高いですからね。そんな中、髪の毛を送るだけで男性更年期がチェックできるサービスがあると聞き使ってみました。

サービスの名前は、「MENOPO CHECK FOR MEN」。元々、女性の更年期、フェムテックのサービスを提供している株式会社TRULYが2023年8月にリリースしたサービスです。価格は7,980円。

一般的には採血検査でテストステロン(男性ホルモン)を測りますが、MENOPO CHECK FOR MENでは髪の毛を検体に使用します。髪の毛を利用するメリットは、自宅で採取できることだけでなく、血液のような日内変動がなく、3カ月分の平均の数値が測れることもあります。

キットには、説明書と毛髪を貼り付ける台紙、返信用封筒、チャック付き袋が入っています。年齢やカラーリングの有無などを記入。

あえてデメリットを書くとすれば、髪の毛のない男性は利用できません。「髪が薄いってことは、テストステロンが多いんじゃない?」と思うかもしれませんが、テストステロンは薄毛の原因ではなく、別の男性ホルモン、ジヒドロテストステロン(DHT)が原因とされています。

何にせよ、治療に進むには病院の検査が必要となるのですが、病院に行くことなく手軽に男性更年期をチェックできるとあれば、やってみたい人も多いのではないでしょうか。

ポスト投函、結果はLINEで

同封されていた説明書を読み、後頭部の毛髪を根本付近から切り取り、台紙に貼り付けます。長さが3cmに満たない場合は、15本以上と指定されているので、多めに貼り付けました。

あとは台紙をビニールの袋に入れ、返信用封筒でポストに投函するだけ!

結果が出るのは約1カ月後。結果はLINEで送られてくるので、スマホは必須。「MENOPO CHECK」を“友だち”に追加し、説明書に記載されている「ID/NO」を登録しておきます。

切り取った毛髪を貼り付けます
返信用封筒でポストに投函
結果はLINEで送られてくるので、説明書に記載されている「ID/NO」を登録しておきます

テストステロンは自信と安心につながる?

ポストに投函してから約1カ月後(正確には34日後。お正月を挟んだ影響もあるかも)、LINEに結果が送られてきました。

テストステロン値は11.5pg/mgと、基準値の4.6pg/mgの2倍以上ありました。男性力レベルは、最も高い「レベル4」とあります。さらに詳しい解説、アドバイス付きのレポートPDFもダウンロードできます。

34日後に結果がきました
テストステロン値は11.5pg/mgという結果に。男性力レベルは「レベル4」

PDFでは自分のテストステロン値がどのレベルにあるかグラフで確認できます。このレポートを見たときは、正直テンションが上がりましたね。普段は非モテのおっさんでも、「男性力が高い」、自分的に解釈すれば「男の中の男」であると科学的に証明されたのですから(笑)。この自己肯定感が、またテストステロン値をアップさせた気もします。

この歳になると、SNSにやたらED関連の広告が表示されるんですが、もう50を過ぎたらあちら方面の「男の元気」よりもテストステロン値の方が重要です。テストステロン値と言えば、ドラゴンボールで言うところの「戦闘力」も同様。普段の生活でマウントを取ってくるヤツがいたとしても、「で、お前のテストステロン値はいくつなの? オレは11.5pg/mgだぜ」と(心の中で)言い返せますからね。

仮に自分のテストステロン値が低かったらと想像してみましたが、普通に受け入れていた気がします。粛々と亜鉛などのサプリを取ったり、筋トレに励んだりして、症状が辛くなったら病院での受診を検討したでしょう。

どちらにせよ、ひとつの“安心”が得られるサービスではないでしょうか。しかし、男性ホルモンが十分だとしたら、自分のこのダルさは何なんでしょうか? 別の疑問を抱えつつ老いを生き抜いていきましょうかね。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>