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グーグルBard、「Gemini」に生まれ変わる 最上位AIモデルは月2900円

Googleは8日、開発中の生成AI「Gemini」について、機能追加と新たな施策を発表した。最上位モデルのGemini Advancedの公開とともに、チャットAIサービス「Bard」の名称が、AIモデルと同じ名称の「Gemini」に刷新される。

Geminiは'23年12月に発表されたGoogleの生成AI。今回、最上位版モデルとなる「Ultra」を使ったサービスの公開に伴い、各種名称やサービスモデルの変更が行なわれる。

Geminiは発表時よりスマートフォンなどへの組み込みを想定した小規模な「Nano」、幅広い利用を想定した中規模な「Pro」、そしてより高い性能を狙う「Ultra」という、3つのパラメータサイズが異なるモデルの存在が明かされていたが、これまではNanoとProのみが公開されていた。Ultraの公開は「年明け以降」とのことだったが、今回ようやく一般利用可能となる。ただし現状は英語版のみが公開され、他の言語へは順次拡大されていくという。

同時に、これまで「Bard」と呼ばれてきたGoogleのチャットAIサービスは、名称が「Gemini」となる。技術コアとサービス名称を統一することが目的だ。

BardはGeminiへ名称変更

Gemini Advancedは「Google One」有料契約が必要

Ultraの公開モデルとなる「Ultra 1.0」は、数学・物理・歴史・法律・薬学・倫理など、57の領域に関する広範な知識でのテストで、人間のエキスパートよりも優れた回答を出す、とGoogleは主張している。

サービスとしてのGeminiでは、Ultra 1.0モデルを使ったGemini Advancedが利用可能。前述の通り、まずは英語版からの提供で、150以上の国と地域で順次利用可能となる(Gemini Proは40以上の言語、230以上の国と地域に対応)。Geminiから利用モデルを切り替えると、対話の相手がGemini Advancedになる。

モデルをGemini Advancedへ切り替え可能に
GeminiからGeminni Advancedに切り替え

ただし、Gemini Advancedの利用には費用負担が必要。Googleのサービスモデルである「Google One」に、Gemini Advancedの利用を含めた「AI Premium」というプランが追加される。

Google Oneに「AI Premium」を追加。Gemini Advancedの利用にはこちらへの契約が必要

月額19.99ドル(日本では2,900円)で、ストレージは2TB。従来の最上位である「Premium」(月額9.99ドル、日本では1,300円)に、Gemini Advancedの利用権と、GmailやGoogleドキュメントなどでGeminiを活用する機能が付与される。GmailなどでGeminiを使う機能については、近日中に提供が開始されるという。

なお、AI Premiumには2カ月間の無料トライアルも用意される。

近日中に、Gmail内からもGeminiを直接利用可能に。ただし、AI Premiumプランの契約者のみが対象

スマホ向けも提供 GoogleアシスタントがGeminiベースへ

同時に、モバイルアプリ版でも利用が可能になる。

Androidでは「Gemini」アプリが提供される。電源ボタンの長押しや画面端からのスワイプによってGeminiを起動することも可能で、画面内の表示を把握してそれについて答えたりといった機能が追加される。

Gemini アプリは、米国で英語で、一部のデバイスでリリース。近日中に、日本語、韓国語、および英語(英国、スイス、欧州経済領域)もサポートされる予定。

それに伴い、OSに組み込まれたGoogleアシスタントも、Geminiへの切り替えにオプトインを行なった場合、Geminiベースへ変わる。結果として、従来Googleアシスタントで行なっていた、通話やタイマー設定、スマートホームデバイスのコントロールも、Geminiを介して行なわれることになる。

AndroidではGoogleアシスタントとGeminiの統合が進む

iOSについてはGoogleアプリ内で提供され、ワンタップでGeminiとのチャットへと切り替えて対話することになる。

iOS版Googleアプリにはタップ1つでGeminiへ切り替えて対話する機能が追加に

ただし日本語と韓国語については来週より対応が始まる。その他の言語への対応も追って行なわれる予定だ。