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メタバースから認知症対策の脳画像まで ドコモの生成AI活用
2024年1月17日 12:20
NTTドコモは、東京国際フォーラムにて、共創プロジェクトを含む最新技術の展示イベント「docomo Open House’24」を開催する。開催期間は1月17日~18日。参加申込はすでに締め切られているが、オンラインでは2月29日まで展示内容を掲載する。
展示内容は、5G・6G、コミュニケーションのほか、生成AI、メタバース・XR、都市デザイン、交通の6つのエリアに分かれており、さまざまな取り組みが紹介されている。
メタバースの“NPC”を簡単に生成
生成AIの展示エリアでは、メタバース空間内のノンプレイヤーキャラクター(NPC)をテキスト入力だけで自動生成する生成AIの開発について、世界初として紹介されている。
メタバースでワールドなどと呼ばれる空間は、常設のものからイベントごとに設置されるもの、ユーザーごとに設置されるものまで、規模や形態はさまざま。常に人が集まり賑わっているという状況にするのは実際には難しいため、雰囲気づくりの面は課題とされている。また、賑わいの創出のほか、コンテンツの案内などの面でも、メタバース空間へのNPCの配置は需要が高まっているという。
ドコモが開発した生成AIは、NPCについての「行動ロジック生成AI」「アニメーション生成AI」「外見生成AI」の3つのAIで構成される。さらに3つのAIを自動連携する仕組みも用意している。「行動ロジック生成AI」の開発と3つの生成AIを自動連携する技術はドコモ独自で世界初としている。
「行動ロジック生成AI」は、テキスト入力だけでNPCの行動を規定する「ビヘイビアツリー」を作成可能。従来はプログラム開発者の相応の技術が必要だった部分だが、行動ロジック生成AIによりテキスト入力だけで自動生成できるようにした。さらに、アニメーション生成AIで生成したNPCの骨格データ、外見生成AIで生成したNPCの3Dモデルを連携させることで、テキスト入力だけでNPCを自動生成することが可能。いずれも時間や外注コストを大きく削減可能になる。
メタバース空間に10体のNPCを配置する場合、従来の手法であれば約42時間が必要とされているところを、今回の技術では、約1時間にまで削減できるとしている。メタバースのワールドを提供する事業者は、空間内の賑わいの創出をスピーディに実現できるようになる。
ドコモでは、開発中のこの技術をさらに高度化し、2024年度中にNTTコノキューが提供する「DOOR」への実装を目指す。また個人ユーザーであっても、メタバースの自作のワールドにNPCを配置したいという需要はあるとし、さまざまな展開を検討する。
MRI画像だけで将来の脳画像を予測する生成AI
MRIで撮影した脳画像から将来の脳画像を予測し自動生成するAIも開発されている。
この脳画像の生成は、MRI画像のデータや、画像生成技術の「GAN」(敵対的生成ネットワーク)を活用、MRIで撮影した脳画像だけから、将来の脳画像を予測する生成AIになっている。認知症に関連するとされる海馬の萎縮などの変化を予測し画像を生成することで、現在の生活習慣の改善や定期的な脳ドック受診につながることを期待する。
今後は、スマートフォンやアンケート調査から得られる生活習慣情報も加味した将来の脳画像の生成にも対応していくなど、生活習慣の見直しや行動変容を促すAIの開発に取り組んでいく方針。