ニュース

“フルメタル耐衝撃” 黄金のG-SHOCK コンセプトモデル

G-D001

カシオ計算機は、外装設計に生成AIを活用し、人とAIが共創した独創的な耐衝撃構造を持つG-SHOCKのコンセプトモデル「G-D001」を発表した。世界限定1本の特別モデルとして、フィリップスのオークションにチャリティー出品される。

G-SHOCK40周年記念の企画で、35周年で発表した第1弾に続く「ドリームプロジェクト」第2弾。「BREAK THE BOUNDARY」(境界を壊す、超える)をテーマにした、新たな可能性に挑戦したコンセプトモデルとなる。

今までにない試みとして、外装設計にジェネレーティブデザインの手法を採用。人とAIが共創し、独創的で有機形状を持つ、緩衝材なしの「フルメタル耐衝撃構造」を実現した。ケース・ベゼル・バンドは18Kイエローゴールド製で、熟練職人が隅々まで磨き上げている。プロジェクトは若手中心でチームを結成し、生みの親である伊部菊雄氏をはじめベテランがバックアップするという体制で進められた。

外装は、デザイナーが作成したデザインの骨格を元に、40年間で培われた衝撃に対するデータをAIに入力、強度や素材、加工も考慮して最適化された3Dモデルを生成した上で、人の手で修正を加えるという手順を繰り返し、独創的な形状と機能性を持つ外装パーツに仕上げた。

ベゼル、バンド、フェイス部の有機形状は、G-SHOCKの既成概念を覆す「新たな造形美を生み出した」とするほか、軽量化や衝撃吸収にも貢献しており、樹脂などの緩衝材を使用しない、フルメタル耐衝撃構造を実現した。

外装パーツのうちベゼルとバンドは宝飾品に使われるロストワックス鋳造により、有機的な複雑形状を精密に成形する。研磨職人が細部まで丁寧に磨き上げ、タフネスとエレガンスを融合したとしている。

ダイヤルは内部のパーツが見えるスケルトン仕様。シリコン製歯車やルビー軸受が使われ、精度を高めている。ソーラーセルは、ガリウム化合物を使った人工衛星用に実用化されている技術を腕時計に応用して搭載。ソーラー発電の効率も向上しており、日付表示窓のわずかな隙間で受ける光で発電し、時計の各種機能を安定駆動させる。

専用ボックスもタワー型のデザインで用意される。歴代のG-SHOCKの型番が透かし彫りになっており、内部のLEDライトを点灯させると間接照明としても使用できる。

「G-D001」は2023年12月9日~10日にかけて米ニューヨークで開催されるPhillips(フィリップス)のオークションに出品される予定。チャリティー出品で、収益金は環境保護団体に寄付される。同オークションに出品されるほかの腕時計と一緒に、ロンドン、シンガポール、ロサンゼルス、ジュネーブ、台北、香港を巡る展示・紹介ツアーもフィリップスにより実施される。

40周年キックオフイベントに登壇した「G-SHOCK」の生みの親、伊部菊雄氏(2022年12月)
ドリームプロジェクト第1弾にあたる、35周年記念で発売された黄金のG-SHOCK「G-D5000」
40周年記念として、AIとの共創が予告されていた