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Microsoft Vivaに「Copilot」 OKR支援や社員エンゲージメント向上

日本マイクロソフトは、4月20日に米国で開催された「Microsoft Viva Summit」に関するオンラインイベントを開催。従業員エクスペリエンス プラットフォーム「Microsoft Viva」の新機能として7月に実装される新機能「Glint」や、Copilotによる業務効率化について紹介した。

冒頭では、今年の働き方のトレンドを紹介。同社が全社員に行なった、AIに関するアンケートによると、49%の人が、AIに自分の仕事が奪われることを心配している一方、70%の人が自分の仕事量を減らすために、できるだけ多くの仕事をAIに任せたいとも回答している。また、2023年3月時点で、LinkedInにける米国の求人情報のうち、GPTに言及したものの割合は、前年比79%増とし、AIに対する関心の高さが覗える。

マイクロソフトは、全ての組織にとって従業員の活性化と支援こそが長期的な競争優位性の鍵であるとしており、2022年に226社300万人を対象とした調査を実施。その結果、従業員エンゲージメントが高い組織ほど、財務面で2倍の実績を記録しているという。その他、エンゲージメントの高い従業員は、そうでない従業員に比べて職場への定着率が12倍、生産性も23%高くなり、結果として顧客満足度も10%高くなる傾向がある。

Microsoft Vivaは、従業員の活性化や支援、投資を行なうことでエンゲージメントを高め、生産性の向上を支援するためのプラットフォームとして提供されているもの。生産性の向上だけでは成果はあがらず、従業員とのコミュニケーションも両立させてこそ、高いパフォーマンスを発揮させることに繋がるという。

7月に実装される新機能「Glint」は、全従業員へのアンケートを行ないその結果を収集・分析することで、エンゲージメントを把握して業務効率向上に繋げるもの。マイクロソフトの調査によると、従業員の43%は、「会社から意見を求められていない」、管理職の80%は「十分な頻度で従業員からフィードバックを収集していない」といい、経営層からは「収集したフィードバックの活かし方がわからない」と、各階層で意識の隔たりがあるという。Glintはこの隔たりを解消する機能とされている。

Glintでは、組織全体を対象としたアンケートによりエンゲージメントを可視化。社内のフィードバック文化を構築し、リアルタイムで従業員の感情を把握しながら、ビジネスのKPIに及ぼす影響も可視化できる。これにより、うまくいっているポイントや改善可能なポイントが洗い出し可能になる。将来的にはOutlookやTeams、Microsoft 365等とも統合し、社内へのリーチ率を高めていく。

Microsoft Vivaは、AI機能「Copilot」による支援も利用可能。目標設定とOKR管理を行なう「Viva Goals」では、プランニングや戦略に関する文書を読み込むことでOKR作成のレコメンドを自動生成したり、会話AIによって既存のOKRの改善が可能。Glintでは、アンケート結果から、従業員の言動に隠された重要な課題や潜在的な解決策を提示できる。

従業員コミュニケーションプラットフォーム「Viva Engage」では、AIが会話の切っ掛けやプロンプト、画像による従業員の投稿のヒントを提供。リーダー向けには従業員コメントへの返信案も提供できる。学習及びナレッジ管理を行なう「Viva Topics」では、トピックに関連するドキュメントに基づき、要約を生成して回答を提示できる。