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送迎バスの置き去り防止に安全装置 国交省がガイドライン策定

国土交通省は、送迎バスの置き去り防止を支援する安全装置の装備が義務付けされることを受け、装置の開発促進・普及拡大を目指し、「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン」を策定した。「降車時確認式」と「自動検知式」の2種類の方式の装置について要件を定めた。

静岡県で9月に、送迎用のバスに置き去りにされた女児が死亡するという事案が起きたことを受け、10月12日に開かれた対策を検討する関係府省会議において、「送迎用バスの安全装置の設置の義務化」および、「安全装置の仕様に関するガイドラインの作成」等を含む緊急対策が決定。

国土交通省では学識経験者等を委員とするワーキンググループを設置し、送迎バスの運用実態や装置の開発状況等を踏まえ、ヒューマンエラーを補完する装置として、「降車時確認式」と「自動検知式」の2種類の装置について、最低限満たすべき要件を取りまとめた。

定められた要件の概要は以下の通り。

1.降車時確認式の装置の作動(押しボタン式など)

・エンジン停止後、運転者等に車内の確認を促す車内向けの警報を発する
・運転者等が、置き去りにされたこどもがいないか確認しながら車内を移動し、車両後部の装置を操作することで、警報を解除可能

2.自動検知式の装置の作動

・エンジン停止から一定時間後にカメラ等のセンサーにより車内の検知を開始する
・置き去りにされたこどもを検知した場合、車外向けの警報を発する

3.両方式に共通の要件

・運転者等が車内の確認を怠った場合等には、速やかに車内への警報を行ない、15分以内に車外への警報を発すること(※自動検知式においては15分以内にセンサーの作動を開始)
・こども等がいたずらできない位置に警報を停止する装置を設置すること
・十分な耐久性を有すること(例:-30~65℃への耐温性、耐震性、防水・防塵性等)
・装置が故障・電源喪失した場合には、運転者等に対してアラーム等で故障を通知すること(※)
※電源プラグを容易に外せない装置に限り、回路を二重系にして故障の確率を低くした場合には、電源喪失時の故障の通知要件を緩和する。