ニュース

「USB Type-C」をスマホの標準ポートに。EUが法案提出

EUの欧州委員会は23日(現地時間)、USB Type-Cコネクタをスマホ等の標準充電ポートにするなど、電子デバイス用の充電ポートに関する法案を提出した。

法案では、USB Type-Cコネクタを標準の充電ポートとして定めることで、消費者がデバイスのブランドにかかわらず、同じ充電器で充電できるようにする。具体的には、すべてのスマートフォン、タブレット、カメラ、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、携帯ゲーム機などの充電ポートをUSB Type-Cに統一する。イヤフォンやスマートウォッチ、フィットネストラッカーなどの機器に関しては、サイズや使用条件など技術的な理由から除外されている。

急速充電技術に関する基準も明確にし、互換性のある充電器を使用した場合、充電速度が同じであることを保証するようにする。

また、電子機器を購入するたびに充電器が付属することで、使わない充電器が増えていくのを減らすため、電子機器販売時に充電器を付属させないようにする。これにより電子廃棄物の量を年間約1,000トン削減するという。

充電パフォーマンスに関する情報も明確化。電子機器のメーカーは、デバイスに必要な電力や急速充電のサポートなどを明確化することを義務化。これにより、消費者が自分の持っている充電器や、市販の充電器が、的確な性能を持っているかを容易に判断できるようにする。これらの対策によって、消費者が年間で購入する充電器の数を減らし、不要な充電器の購入のために費やされていた年間2億5,000万ユーロが節約されるとしている。

法案が採択されると、24カ月の移行期間の後、運用が開始される。なお、充電器側の互換性については、発行日が今回の提案と一致するよう、今年後半を目処に成立させる見込み。

なお、欧州委員会のQ&Aによると、ワイヤレス充電に関して、メーカーはUSB-Cコネクタによる有線充電に加え、ワイヤレス充電技術を搭載できる、と記述されている。同じ充電器で充電できる、という観点から、現時点ではワイヤレス充電機能を搭載しても、USB-Cコネクタの搭載は最低限必要になる可能性が高い。