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インサイダー取引をAIで検知。SBI証券とNEC

SBI証券は、NECと共同で、インサイダー取引の審査にAIを導入する。国内初としており、2022年度から運用を開始する予定。

AIを用いてインサイダー取引の疑い度合いのスコアリングを高精度に実現。判定理由が明示されるほか、一次審査にかかる時間を約90%短縮できることが、2020年度からの実証で確認されたという。

NECは今回の成果を、クラウドサービス「NEC AI 不正・リスク検知サービス for 証券」として2022年度から提供していく予定。

近年の金融サービスのデジタル化に伴い、不正の手口も複雑化し、監視業務の負荷も増加している。インサイダー取引は審査観点が多岐にわたり、多くの審査時間が必要だが、AIを活用することで高度化・効率化を進める。

今回の取り組みでは、具体的には、SBI証券が保有する数年分のインサイダー取引に関する取引データや重要事実データなどを学習したAIモデルを生成。インサイダー取引の疑い度合いのスコアリングを行なうことで審査業務を支援する。これにより審査担当者は二次審査など詳細な調査・分析に注力できるようになる。また人間では気づきにくいリスクをAIが検知・可視化することで、新たな観点からの不正取引の防止に寄与できるとしている。