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コンビニ陳列ロボ「Model-T」誕生。ファミマとローソンに導入

ロボティクス企業のTelexistenceは、今夏よりファミリーマートとローソンで導入予定のロボット「Model-T」を開発した。遠隔操作によりコンビニでの商品陳列作業などを人間に代わって行なうことができる。

一般的にロボットが使用される工場ではなく、人間の生活領域に近い場所に廉価で普及させることを目的として開発された。Model-Tの名称は、大量生産を実現し、自動車普及のきっかけとなったT型フォードから着想したもの。

小売業界におけるAugmented Workforce Platform(拡張労働基盤)を目指す半自律型遠隔操作ロボット。操作員はVRデバイスでModel-Tを遠隔操作。遠隔操作時に問題となるオペレータとロボットの動きの誤差を小さくする制御ソフト、VRの映像伝送で通信環境に高い負荷がかかってもデータ転送遅延を抑える通信制御、多様な形状の商品に対応し、正確・迅速な商品陳列を可能にするというロボットハンドを備える。

これにより、作業者への負担が重い商品陳列業務を遠隔・自動化することで、インターネットがあれば安全にどこからでも店舗スタッフがロボット経由で作業する、新しい店舗オペレーション構築を目指す。

ロボット本体は、コンビニなど狭い小売店舗空間で商品陳列作業を行なえるよう、胴体、アームに22自由度の関節を実装。人間のように作業を行なえるため、店舗環境の改修を最小限に抑えられる。

通信遅延は、ロボット側のカメラから操縦者のディスプレイに表示されるまでの遅延として、世界最高水準とする50ms。視覚と身体感覚のずれを最小限にした。

ロボットハンドは、コンビニなど小売業の多様な形状の商品を把持するために特化した「Andrea-Yamaura End Effector」を開発。真空吸引と2指グリッパーを1つのロボットハンドに組み込み、汎用性を向上した。

同社は6月にファミリーマート及びローソンでのコンビニ業務にロボットを導入することを発表しており、今夏から都内のファミリーマートで実験的に商品陳列を開始。ローソンでは「ローソン Model-T 東京ポートシティ竹芝店」をTelexistenceの子会社が直接加盟店オーナーとして運営。日常的に商品陳列業務を実施する。

今後は、コンビニエンスストアにおける他店舗展開と並行し、国内外のスーパーマーケットなどその他の小売セグメントへの導入を推進していくという。