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LINEと東京都、特殊詐欺の被害防止で連携

LINEと東京都は、8月9日に「特殊詐欺の被害防止に向けた連携に関する協定」を締結した。LINEを活用して家族と気軽に連絡できる環境づくりを推進し、特殊詐欺の被害防止の強化を図る。

現在東京都では、オレオレ詐欺や架空請求詐欺などの特殊詐欺に対して、自動通話録音機設置の促進や啓発活動などの対策が実施されている。

この協定では、LINEと東京都が共同で、日ごろ多くのユーザーが利用しているLINEを活用し、家族と気軽に連絡や相談ができる環境づくりを推進。高齢者から子、孫の世代まで、日常でのコミュニケーションの活性化を図り、特殊詐欺の被害防止を強化・促進する。

LINEは、通話している相手が特定しやすいという特徴から、従来のオレオレ詐欺のような手法が発生しにくい。年代を問わず誰でも無料で利用でき、家族とLINEでつながっていれば、すぐに通話可能。ビデオ通話であれば本人確認ができるため、なりすましの防止にも役立つとしている。

グループトークの活用も促進するなど、家族間の連絡・相談がしやすい環境を整備して、特殊詐欺の被害防止に取り組む。

取り組みの啓発活動として、ポスターとリーフレットを作成し、都内で掲示・配布する。特殊詐欺の被害対象となる高齢者とその子ども世代(高齢者ジュニア)向けに、被害防止に寄与するLINEの活用方法を紹介するという。

ポスター

また、LINE公式アカウント「特殊詐欺対策・東京都アカウント」を開設。警察庁、警視庁の協力のもと、特殊詐欺の被害防止のための啓発・情報発信を行なう。架空請求と思われる請求書を撮影してLINEで送ると、無料で判定する機能を備えたLINE公式アカウント「ScamDetector」とも連携。不審に思った際に、LINEから気軽に問合せができ、被害を未然に防げるとしている。

特殊詐欺対策・東京都アカウント イメージ

LINEリサーチを活用した事前調査で、詐欺被害が特に多い70代以上の女性の約70%が、LINEの利用で、家族とのコミュニケーションが増えたことがわかったという。LINEは、高齢者がすぐに家族と連絡や相談ができる環境整備のため、引き続き、SNSを活用したコミュニケーションづくりやLINEの活用法などに関する調査・研究を実施していくという。