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シャープ、バッテリ交換がいらないBLEビーコン。色素増感太陽電池採用

シャープは、色素増感太陽電池を搭載し、バッテリ交換が不要なビーコン「レスビー」を開発、清水建設の屋外音声ナビゲーションサービスに向け7月末に納入した。

レスビー

ビーコンは、位置情報をBluetoothなどで発信する機器。受信するスマホやタブレットなどの端末の位置を測定し、空港や地下街などでの「ナビゲーションサービス」や店舗でのクーポン発行、美術館などでの展示説明など使われている。

今回レスビーが採用されたナビゲーションの用途では、視覚障害者向けのスマホナビアプリで、ビーコンの情報を元にスマホで音声誘導し、目的地にたどり着ける、といった応用が想定されている。

ナビゲーションの利用イメージ。BLEビーコンの情報を元に、スマホの音声案内で目的地に案内

レスビーもBLE(Bluetooth Low Energy)のビーコンだが、特徴は電池が“いらない“こと。通常はボタン電池やアルカリ電池などで充電するため、6カ月から2年で電池交換の必要がある。ビーコンは人との干渉による電波の減衰を防ぐため、2m以上の高さに設置されることが多いため、その都度高所作業による電池交換が発生するなどメンテナンスコストが課題となっていた。

今回開発したレスビーは、シャープが開発した色素増感太陽電池を搭載することで、室内光だけで発電し、ビーコンに給電できるため「メンテナンスフリー」で利用可能。製品の保証期間は1年だが、テストでは10年以上の連続稼働が確認できているという。

明るさ300Lxであれば、100ms頻度で発信可能で、屋内非常階段に近いレベルの50Lxでも1s(1秒/1回)頻度で発信できる。ナビゲーションには100msの発信が必要だが、展示場の情報配信などであれば、1s頻度でも問題ないため、暗所での活用も可能だという。

BLEビーコン自体は社外品。レスビーの技術的なアドバンテージは、世界最高発電効率のシャープ製色素増感太陽電池の採用にある。発電効率は、「モジュール全体で20%弱」としており、電極内に光を閉じ込める構造にすることで、光が色素に当たる確率を高め、高効率化している。

色素増感太陽電池の特性
光閉じ込め電極が特徴
レスビーを手で覆うと電源供給が止まる

また、太陽電池とビーコンによるシンプルな構造のため、7mmと薄く、設置性の高さも特徴。134×74×7mm(縦×横×厚み)で、オフィス設置時にも目立たないデザインを採用。ネジでの固定にも対応した。

ネジ止めに対応

清水建設がレスビーを導入する施設は非公開としているが、展示会場などでのナビゲーションが想定されているようで、実際の運用を見る機会もそう遠くなさそうとのこと。